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ツキ場

1.大山倍達総裁も懇意にされていた大下英治先生が書かれた『安藤昇』(さくら舎)を読みました。  「〝ツキ場〟の理論を明かす」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①安藤昇は、家相術でも活躍する。  安藤は、1981年3月、世田谷区下馬の家の改築を決意し、6か月後の9月に改築をすませた。  理由は、それまでの家相の悪さに気づいたからだという。

②当時、安藤は、「ツキ場」について深く考えていた。  俳優になった1965年ごろから、撮影の合間を縫っては、麻雀をしていた。  ときには、昼夜ぶっ通しで二日も打つことさえあった。

③麻雀に熱中した結果、ある考えに辿り着いた。  「人間の運、不運は、ツキ場によって決まる」

④麻雀経験者なら、安藤の言うことがわからぬでもないだろう。  勝負は、八割が「ツキ」に左右されるからである。  さらに安藤は「ツキ」は「場」についていると感じた。  ついていない場に座れば、あっという間に稼いだ点数を取られる。  〈麻雀では、ツキ場に座りたいものだ〉

⑤その後、安藤は、「麻雀」のみならず「人生」にもツキ場があるのではないかと思うようになる。  そして、自分の数奇な人生も「場」の影響があったのではないかと思うようになった。  (中略)

⑥結局、切った張ったの命のやり取りや、家庭内のゴタゴタから解放されるには、それまで住んでいた場を〝ツキ場〟に変えるしかない。  そう気がついた安藤は、その日以来、方位学・家相学を熱心に勉強し始めた。  ありとあらゆる文献を読みあさった。』

  
2.①過去のブログでも書きましたが、私も青森の安部芳明先生にご指導をいただいた「気学」の信奉者です。  もともと先生は作曲家だったのですが、46歳から気学の研究家となられました。

②2005年、安部先生の指導を受けている友人から先生の著書をもらったのがきっかけです。  不思議なことに、翌日食事をした別の友人も先生の指導を受けていることがわかり、そのご縁で2005年7月6日に初めて先生にお目にかかりました。

③以来、年に数回、ときには青森まで伺ってご指導を受けてきました。  

④ここ数年は肺気腫を患っていらっしゃいましたが、昨年(2020年)6月6日にご逝去されました。  1930年6月9日のお生まれで、あと3日で90歳でした。  ちなみに、安藤昇さんも2015年12月16日に、89歳で亡くなられています。

⑤約15年間にわたりご指導いただきました。  先生との出会いには本当に感謝しています。  

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「努力」と「熱中」

1.精神科医で作曲家の泉谷閑示さんが書かれた『「うつ」の効用』(幻冬舎新書)を読みました。  『「努力」に価値を置く危険性』の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①ある野球少年が、毎日熱心に日が暮れるまで練習をしていました。  そして、その野球少年が、後々大リーグで活躍するほどの選手になるまで成長したとしましょう。

②その近所に住んでいた家族がこんな会話をしています。  「○○君は、毎日欠かさず日が暮れるまで努力したからこそ、あそこまで成功したんだ。  やっぱり、人一倍努力した人間が最後には成功するんだよ」

③しかし、当の本人にこの話をぶつけてみると、意外にもこんな反応が返ってきました。  「いやぁ、僕は人一倍努力をしたという自覚はありません。  ただ野球が好きで、もっと楽しむためにうまくなりたいという一心で、ただ自分がやりたいからやってきただけなんです」  (中略)

④私が指摘したいのは、本人にとって「熱中」と呼ぶべきものを、ともすると、傍らの人間が「努力」と見誤ってしまうことが多いのではないかということです。  子供が砂場で日が暮れるまで砂の城を作ったり、ゲームを徹夜でクリアしたり、エレキギターの練習に夢中になることは、まず滅多に、周りから「努力」と呼ばれることはありません。

⑤しかし一方で、ことこれが勉強やスポーツのトレーニング、ピアノやヴァイオリンの練習などの場合には、たとえ本人にとっては「熱中」と呼ぶべき内実だったとしても、周囲からは一律に「努力」として称賛される傾向にあります。  (中略)

⑥そもそも「努力」という言葉には、「辛いことを我慢して」というニュアンスが少なからず含まれた用いられ方になっており、一方の「熱中」については、「好きなことに自発的にのめり込んで」といったニュアンスがあります。

⑦先ほどのフィクションのように、「熱中」したがゆえに成功した人間を見て、周囲の人間がそれを「努力」と誤解したところに、今日の「努力」信仰が作り出されてきた大きな原因があるように私には思われてならないのです。』


2.①約2500年前の中国で孔子も言っています。  「これを知る者はこれを好む者に如(し)かず。  これを好む者はこれを楽しむ者に如(し)かず。」(『論語』)

②「物事を理解し知っている者は、それを好んでいる人には及ばない。  物事を好んでいる人は、それを心から楽しんでいる者には及ばない。」という意味です。


3.①空手の指導も「努力」させるのではなく、「熱中」させる(=楽しませる)必要がありますね。  

②「努力」している時間はなかなか過ぎませんが、「熱中」している時間はアッという間です。  私が指導する選手稽古の時間も、チーム城西のメンバーにとって「アッという間」に過ぎていることを祈ります 笑


4.①大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手は、いつでも楽しそうにニコニコしながら、投げたり(8月22日現在・8勝1敗)・打ったり(40ホームラン)・走ったり(18盗塁)しています。  毎日感心しながら、試合を観ています。

②ちなみに、道場に貼ってある城西のチームカルチャーは

「どこよりも創意工夫する、どこよりも練習する、どこよりもそれらを楽しんでやる」

です。

③大活躍している大谷選手にあやかりたいものです(^^)/

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白鵬の脳内理論

大相撲7月場所で7場所ぶり通算45度目の幕内優勝を果たした横綱・白鵬の専属トレーナーである大庭大業さんが書かれた『白鵬の脳内理論』(ベースボール・マガジン社)を読みました。  

1.「自分の体と真摯に向き合う」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①(相撲をとる時に)超重要な太腿の周りの筋肉というのは、表側と裏側で比べると、ほとんどの人は表側の方が発達している傾向にあります。  ところが、横綱の場合、表側の筋肉がほかのアスリート同様、見事に発達しているだけでなく、裏側のハムストリングスが並外れて発達しており、表側と裏側が理想的なバランスになっているのです。

②しかも、筋肉の質も優れていて、柔らかく、弾力に富んでいます。  だから、どんな状況になっても瞬時に反応して、必要な筋肉を素早くはたらかせられます。  前に進む出足は鋭いし、土俵際ではたかれてもこらえられるし、押し込まれてもしのいで逆転できる。  これこそが、筋肉という点から見た横綱の強さの原動力だと、私は思います。』

7月場所は白鵬と大関・照ノ富士の一騎打ちの様相で進み、私が見るところ「反応スピードの白鵬」対「安定の照ノ富士」という感じでした。  


2.「感謝の気持ちを示す」の項からも抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①(前略)  ほかにも、横綱が深い感謝の念を抱いている人物がいます。  師匠の宮城野親方です。  先日、その感謝の深さを改めて思い知る機会がありました。

②本場所の取り組みを前に、花道を入場してきて土俵下の控えに座ります。  ここで、これからの相撲の展開を思い描いたりすることはすでに触れました。

③取り組みへの準備を整え、呼び出しに呼び上げられて、土俵に上がります。  その時必ず、心の中でこう唱えていると明かしてくれたのです。  「今日も親方のおかげで土俵に上がれます。  ありがとうございます。」

④最近になってから始めたわけではありません。  初土俵を踏んで以来、今まで1400回以上も本場所で相撲を取ってきました。  そのたびに欠かさず、心の中で感謝の言葉をつぶやいてから土俵に上がるというのです。

⑤この言葉の原点には、モンゴルから来日したばかりの頃の苦い思い出があります。  横綱は15歳の時、「力士になりたい」という志を胸に、モンゴルから若者6人と一緒に日本にやって来ました。  (中略)

⑥若き日の横綱は、モンゴル相撲の大横綱の息子とはいえ、体重はわずか60キロの、もやしのように細い少年です。  なかなか声がかからず、一人だけ取り残されました。

⑦寂しさと虚しさが募る中、いよいよ明日にはモンゴルに帰らなければならないという日になりました。  そんな時、手を差し伸べてくれたのが宮城野親方でした。  (中略)  もしもこの時、宮城野親方が手を差し伸べてくれなかったら、力士になる夢は叶えられなかったのです。  (中略)  

⑧とはいえ、そんな気持ちも月日が長くなるにつれて薄れていってしまうものでしょう。  しかし、横綱は初心を忘れず、20年近くにわたって胸に抱き続け、土俵に上がるたびに心の中で感謝の言葉を唱えているというのです。  (中略)

⑨土俵に上がる時だけでなく、横綱は日頃からよく、「宮城野親方がいなかったら、今の自分はいない。」と口にしています。  師匠が稽古場にいない時には、師匠の代わりとして目を光らせています。』

前人未到の45回優勝(次点は大鵬の32回)の秘密の一端がここにあるようにも思います。

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