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陽気は美徳、陰気は罪悪

『98歳まで生きてわかった、「超ポジティブ思考」がいちばん!』(宇野千代著 幻冬舎)を読みました。  Amazonの書籍紹介には「4度の結婚と離婚を経験。  自由奔放な生き方を貫きながら、世界一ポジティブな思考をもち、幸せな人生を送った作家だといっても過言ではない。  98年間の生涯において、普通の人が体験しきれないことを経験し、それらから学んだことを1冊にまとめたのが本書。」と書かれています。  1996年6月に亡くなられました。

1.『第一章 迷ったときは「行動する」ほうを選ぶ』から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①(経営する)スタイル社の倒産。  あのときは、突然のことで、ひどい打撃でした。  しかし、このとき私は、一切の抵抗をすることなく、これしか生きて行く道がないという最低の場所へ、するりと平気で入り込むことによって窮状を脱出したのでした。

②やり切れない状態というものは、当人のやり切れないと思う分量が多いほど、やり切れない形になるのですね。  平気でいれば、ある程度平気になれるものです。

③私は当時、62歳でしたか。  (夫の)北原武夫は10歳ちがいの52歳。  (中略)  私たちに負わされたのは、億という莫大な借金でした。  いま、考えても、途方もない金です。  その金を返すために、私と北原は、昼も夜もなく働きました。

④傷つき合ったけもののように身を寄せ合いました。  北原は小説を書き、エッセイを書き、そのどん底から盛り上がったエネルギーがベストセラーを生みました。』 

2.『第二章 一人でいるときも「陰気な顔つき」をしない』から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『(1)幸福な気持ちでいる人に不幸は寄り付かない

①幸福はとびきり上等のものばかりではありません。  どんなにささやかでも、小さなことでも、あなたが幸福だと思えば幸福なのです。  そのささやかな幸せを積み重ねることが幸福な人生の秘訣なのです。

②今朝も爽やかに目覚めた。  空がきれいだ。  体いっぱいに呼吸する。  こんなとき、私は、「しあわせだなア」と思わずつぶやきます。  すると、体中が幸せに包まれてあたたかくなります。

③思わずにっこりします。  すかさず(スタッフの)淳ちゃんもにっこりして、「今日もいい一日でありますように」と挨拶してくれます。  こうして私の幸せな一日が始まるのです。

④いつでも幸福な気持ちで生きている人間には不幸のかげは寄りつきません。  

⑤人間は同時に二つのことを思うことができないのです。  同時に不幸であったり、幸福であったりすることはないのです。

⑥私たちは、幸福だけを願って生きて行きたいものです。

(2)陽気は美徳、陰気は罪悪

①生きて行くことが上手な人は、何よりも快活な人である。  生きて行くことが上手な人で、それで陰気な人、というのを私は見たことがない。  

②陽気は美徳、陰気は罪悪というのが、私のつくった格言であるが、美徳も罪悪も、そのままの姿では生きてはいない。  すぐそこで、隣の人に感染(うつ)るものである。

③どんなに大きな美徳も、どんなに小さな美徳も、すぐそばの人に感染する、大きな力を持っている。

④陰気はどんなに大きな陰気であっても、どんなに小さな陰気であっても、すべての人に感染るものであるから、夢にも、陰気の気持ちを持ってはならない。  (中略)

⑤あなたの隣にいる人が、ぶすっとした顔をしていると、あなたも何となく、ぶすっとした顔になりたくなるでしょう。

⑥あなたの隣にいる人が、ぶすっとした顔をしていても、あなたはそれに負けないで、笑顔をしているとしたら、それはあなたが、とても偉い人だからです。』

「笑う門には福来る」、私の座右の銘の一つです。

「悲観は気分、楽観は意志」も好きな言葉です。

  


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チンプ・パラドックス

『チンプ・パラドックス』(スティーブ・ピーターズ著 海と月社)を読みました。  著者紹介には「英国自転車競技チームの専任精神科医として心理マネジメントを担当。  ロンドン・オリンピックでは金メダル8個を含む12個のメダルを獲得した。」とあります。  本書から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.「1章 心の中」

①(本書では脳内の)前頭葉、辺縁系、頭頂葉をそれぞれ〈人間〉、〈チンパンジー〉、〈コンピューター〉と名づける。  この三つの領域は協調してはたらくこともあるが、たびたび対立して主導権を握ろうとする。  その争いでは〈チンパンジー〉(辺縁系)が勝つことが多い。

②まだ母親の胎内にいるとき、前頭葉〈人間〉と辺縁系〈チンパンジー〉は別々に成長し、そのあと互いに自己紹介して関係を築く。  〈人間〉と〈チンパンジー〉は独立した個性をもち、思考法も、懸案事項も、行動パターンも異なる。  つまり、あなたの頭のなかには事実上ふたつの生き物が存在するのだ!  困ったことに、ほとんどの場合、両者の意見は一致しない。  (中略)

③ここで重要なのは、片方、すなわち〈人間〉だけが「あなた」であることだ。  〈チンパンジー〉は誰もが持つ感情装置で、理性から独立してはたらき、決定をくだす。  感情や感覚を司り、建設的にもなれば破壊的にもなる。  良い悪いの問題ではなく、たんに〈チンパンジー〉なのだ。

④「チンプ・パラドックス」とは、その〈チンパンジー〉が、最良の友でありながら最悪の敵にもなりえ、油断するとあなたの思考を乗っとってしまうことを指している。  本書のおもな目的は、あなたのなかの〈チンパンジー〉をコントロールするのを手伝うこと。  あなたのためになるときにはその力と強さを活かし、ためにならないときには無力化するのだ。  (中略)

⑤〈心のなか〉には思考や行動の保管場所もある。  これを〈コンピューター〉と名づけよう。  〈チンパンジー〉と〈人間〉、どちらが入力した情報も、ここに保管される。  そして、その情報をもとに、〈チンパンジー〉と〈人間〉のために自動ではたらく。  両者の情報源にもなる。

2.「2章 あなた自身とあなたの〈チンパンジー〉を理解するために」

(1)①ジョンは妻のポリーンに隣の男について話している。  その男が私道をまたいで駐車したせいで車を出せなかったので、移動してくれと言いに行ったという。  このとき、ジョンのなかの〈人間〉は冷静に事実を話し、〈チンパンジー〉もおとなしく聞いている。

②だがポリーンが、「どうしてそんなことで大騒ぎするの?  もう解決したんでしょう?」と応じると、ジョンと〈チンパンジー〉はまったく異なる解釈と反応をするはずだ。  

③ジョンのなかの〈人間〉は論理的に、「大騒ぎなんてしていないが、ポリーンは聞く耳をもたないだろうから、そっとしておこう」とか、「たしかに問題は解決ずみだ。  ポリーンの言うこともわからなくはない。  黙って聞いておこう」と考えるが、〈チンパンジー〉はポリーンのことばを嫌味と受けとり、カッとなる。

④面と向かって批判されたと解釈し、攻撃モードか防御モードになるのだ。  すると、声を荒らげて「なんでいつも文句ばかり言うんだ?」、「大騒ぎなんかしてないぞ。  きみはどこかおかしいんじゃないか?」、「妻のきみにも関係すると思ったから話しただけじゃないか」といったことばを投げかちになる。

⑤〈チンパンジー〉は〈人間〉よりはるかに強力なので、たいていの場合〈人間〉が制御しようとするまえに話しだす。  そして、そうなれば事態は悪化の一途をたどる。  ジョンは、なぜ妻のことばに反応してしまったのかと悔やむことになるのだ。

(2)①〈チンパンジー〉はジャングルの掟にしたがい、強い衝動と本能によって行動するのに対し、〈人間〉は社会の法にしたがい、倫理と道徳の強い衝動、典型的には「良心」によって動く。  (中略)

②〈チンパンジー〉は、本能と衝動にもとづく〈ジャングル中枢〉をもっている。  これは〈チンパンジー〉がジャングルで生き残るために必要な信念と行動のもとになっているもので、ジャングルではうまく機能するが、社会ではあまりうまくいかない。

③うまくいかないどころか、〈チンパンジー〉が〈人間〉の社会にジャングルのやり方をもちこむと、大きな問題が生じる。  (中略)

④あなたの〈チンパンジー〉も、自分とあなたを安全に保つために強力な本能を発動させる。  なかでも、闘争(ファイト)、逃走(フライト)、硬直(フリーズ)という「FFF反応」は、おそらくもっとも出現頻度の高い〈チンパンジー〉の重要な本能だ。

3.「3章 〈チンパンジー〉を管理するために」

①「なぜ〈チンパンジー〉をパワーオフして意思決定できないのか?」  この答えは簡単で、〈チンパンジー〉が〈人間〉より力強く、すばやく行動するからだ。  野生のチンパンジーの力は人間の五倍だ。  同様に、頭のなかの〈チンパンジー〉もあなたの五倍の力をもっている。  (中略)

②意志の力で〈チンパンジー〉をコントロールしようとしても無意味だ。  私はこれを「チンパンジーとの腕相撲」と呼んでいる。  うまくいくのは、〈チンパンジー〉が寝ているか、無関心か、同意しているときだけだ。

③〈チンパンジー〉と懸案が異なるときには、意志の力はまったく当てにならない。  だから、〈チンパンジー〉に対処する別の手段を学ばなければならない。

4.「4章 心の〈コンピューター〉を理解するために」

①あなたの〈コンピューター〉には、ふたつの機能がある。

・情報、信念、価値観の源になる。
・プログラムされた思考と態度によって無意識に考え、行動できる。

②〈コンピューター〉の動作速度は〈チンパンジー〉の約四倍、〈人間〉の二十倍と考えられる。  したがって〈コンピューター〉が正常に機能すれば、〈チンパンジー〉や〈人間〉が思考を終えるまえに、驚くべき速さで正確に命令を実行できる。』

アンガーマネジメント(怒りのコントロール)が一番の課題である私にとって、最良の教科書です。

普段のあり方や人間関係を見直すうえで、大変参考になりました。

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脳をバランスよく使う

1.『忘れる能力 脳寿命をのばすにはどんどん忘れなさい』(岩立康男著 朝日新書)を読みました。  『第5章 脳寿命を延ばす・・・「忘れられる脳」の作り方』の中の「一番大事なのは、脳をバランス良く使うこと」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①脳を病弊させないために最も有効なのが、違うことをすることだ。  これは言い換えれば、「集中系と分散系をバランス良く使う」ということである。

②脳には大きく分けて2つのシステムがある。  それが「集中系」と「分散系」であり、それぞれの活性時には必ず他方を抑制し、休ませている。

③集中系というのは、「目的を持って何かの仕事に集中している」ときに活性化する部分で、主に前頭葉や頭頂葉の外側皮質がこれにあたる。  逆に、何かの仕事に集中しているときに抑制されている部分が分散系で、脳全体のバランスを抑制し、記憶の整理もつかさどる。

④両者は互いに抑制し合いながら作用するのであって、高度な連携作業によって脳のパフォーマンスを最大限引き出すような仕組みを取っている。  つまり、両者を交互にバランスよく活性化させていけば、それぞれに適度な休息を与えることにつながり、脳の健康寿命は延びていくのである。  (中略)

⑤これとは反対に、「同じこと」を続けていたら、すなわち「集中系」と「分散系」のどちらかしか使っていない状態が続いていたら、脳はどんどん病弊していく。  (中略)

⑥集中系の過剰な活性化は、その部位に劣化したタンパク質や活性酸素などの蓄積を招き、細胞死につながっていく。  さらにノルアドレナリンやドーパミンを分泌する細胞たちへの過剰な負担からその病弊をもたらし、これらの細胞死を招くことになり、やがて集中系の機能低下につながってしまう。

⑦脳の細胞が死んでいく「神経変性疾患」のうち、パーキンソン病やある種の認知症では、病前性格として「生真面目」「律儀」などの傾向が挙げられている。  こういった性格は周囲の人々から高く評価されるが、集中系が長い時間、過剰に活性化しやすいため、その弊害が起こってくると考えられる。  真面目な性格ゆえに、「きちんと仕上げるまで」「ひと区切りつくまで」と、一つの仕事に集中して作業を続けてしまう。

⑧そのため「疲れた」「飽きた」と仕事を一旦放り出して休んだり、違うことをして息抜きをしたりする、といったことができないわけだ。  これだと長い目で見れば、脳の働き方に、集中系の過剰活性化という偏りが生じてしまうだろう。』

2.著者がまとめた「集中系・分散系の活動リスト」は以下の通りです。

(1)集中系
・何か目的を持って課題をこなす
・読書
・好きなことに熱中する
・運動、エクササイズ
・好きな音楽を聴く
・文章を書く
・スマホでゲームに興じる

(2)分散系
・ぼーっと景色を眺める
・散歩
・過去の記憶を回想する
・入浴、シャワー
・睡眠(レム睡眠時)
・あまり頭を使わない単純作業
・SNSを流し読み

3.私自身、ぼーっとすることが苦手で集中系に偏ることが多いので、自戒を込めて紹介しました。


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