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小池靖さん『日本的な宗教性』

宗教社会学者の小池靖さんが書かれた『テレビ霊能者を斬る』(ソフトバンク新書刊)と『セラピー文化の社会学』(勁草書房刊)の二冊の本を読みました。  『テレビ霊能者を斬る』から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①江原啓之の能力として特に注目するのは、その絶妙なバランス感覚にあると私には思われる。  本人がどこまで自覚しているかは別として、スピリチュアリズムとカウンセリングと日本宗教の世界を橋渡ししたのが江原のスタイルである。

②では、日本的な宗教性とは一体何か?  さまざまな解釈が可能であろうが、基本的には、日本古来の自然崇拝が体系化された「神道(しんとう)」、インドに発祥し、中国や朝鮮半島を伝わって来た「仏教」、さらに、年長者や親への忠孝を説いた「儒教」、そして、方位や六曜(ろくよう・・・太陰太陽暦で、吉凶を定める基準となる六つの日。  先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口。)などによって今も残っている「道教」。  

③この四つが渾然(こんぜん)一体となって、現代日本人の宗教生活を形作っている。  そして、その核心にあるのが祖先崇拝である。  自分は、古くから続く○○家の一員であり、その家名と墓を守る使命(ないし道徳的義務)がある。  家族の誰かが死んだら、滞りなく正式の手続きで葬らなければならない。

④人は死ぬとホトケとなる。  そして年月がたてばホトケはやがて山のカミ、海のカミとなっていく。  きちんと成仏しない霊は、生きている者に祟(たた)りをもたらすことがあるので、先祖供養をおこなう必要がある。

⑤そのために、葬送関係の行事は仏教寺院でおこなう。  盆には先祖霊が帰ってくるので、遠方の親類縁者も生家(せいか)に集う。  正月には、新しい一年をカミに祈願するために神道の神社へ赴(おもむ)く。

⑥そして、こうした一連の習俗(しゅうぞく)を、とりたてて「宗教」だとは思っていないということも、現代日本人の宗教性の特色である。』  

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