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知的好奇心と共感力

『こんなカンタンなことで子どもの可能性はグングン伸びる!』(瀧靖之著 ソレイユ出版)を読みました。  「2章 たった2つの力を育てるだけで、子どもの可能性が大きく広がる!」から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①私は、長い間、人間の脳について研究を行う中で、一生の脳の土台となる「子どものときの脳」に大変注目をしてきました。  子どもの脳に焦点を当てたとき、どのようにすれば子どもが幸せに育ち、幸せな人生を送れるのか私たちの研究を通して、とても大きなことが見えてきたのです。

②子どもの将来にとって、大切な能力の要素はさまざまありますが、「とくに大切なのは、たった2つ!」ということです。  その2つとは、子どもの「知的好奇心」と「共感力」です。  長年の研究を通して、この「たった2つの力を育てるだけで、子どもの可能性をグングン伸ばすことができる!」ということがわかってきたのです。

③「知的好奇心」は、「もっと深く知りたい、もっと深く探究したい」という気持ちのことです。  この「知的好奇心」は、子ども自身の力でさまざまな能力を自分のものにし、夢をつくり、自分自身の人生をしっかりと歩いていける力を持っています。

④「共感力」は、「人の気持ちを理解し、寄り添うことのできる力」です。  人を思いやる心をつくり、社会の中でたくさんの人と一緒に生きていくことができる力となります。  (中略)

⑤「知的好奇心」と「共感力」。  この2つの力は、お子さんが生きていく上で、大切な車の両輪といえます。  それぞれが同じように育つことで、まっすぐにしっかりと前に進むことができます。

⑥「知的好奇心」がしっかり育っていても、「共感力」が育っていないと、たとえばこんなふうに車は傾いてしまいます。

・どんなにやりたいことがあっても、どんなに学校の成績がよくても、なかなか友達をつくることができません。

・自分の望む仕事につくことができても、人と一緒に何かをすることが苦手で、仲間と一緒に仕事をする喜びや達成感を味わうことができません。  社会の中にいることがつらくなってしまうことでしょう。
 
⑦反対に、「共感力」が育っていても、「知的好奇心」が低いと、どうでしょう。  

・思いやりのあることで、多くの人から好かれ、まわりにはいつも友達がいっぱい。  ですが、興味を持てるものがなく、毎日がつまらない。

・いつも自分が何をしたいのか、何をしたらよいのかがわからず、ただ、そのときそのときの環境に流されてしまうことでしょう。

⑧ノーベル賞をはじめ、優れた業績に贈られる受賞者の会見や、スポーツで優勝した選手のインタビューなどをテレビで見ていると、感動をもって気づくことがあります。

⑨受賞された方々の多くが、眼を熱くして、「この賞は、私一人の賞ではありません。  支えてくれたみなさんと一緒にいただいた賞です」と、語っています。  自分個人に与えられた賞でありながら、自分を育ててくれた恩師の方や、一緒に仕事をした仲間、支えてくれたスタッフ、そして、両親や家族への感謝でいっぱいの受賞者の姿が、いつも印象強く心に残ります。

⑩どんなに優秀な能力があっても、人が一人でできることは限られています。   それを大きなものにしてくれるのは、一緒に仕事をする仲間、助けてくれる人々の存在であることを、私たちは受賞者の言葉から教えられます。

⑪受賞された方々の高い能力は、人一倍強い知的好奇心が実を結んだものでしょう。  頂点を極めるためには、人知れぬつらい経験も乗り越えてきたはずです。  そして、ひとつの大きな仕事をするためには、どこの場でも、たくさんの人との関わりあいがあります。

⑫人に信頼されなければ、たくさんの人と一緒に仕事は成し遂げられません。  相手の気持ちに寄り添う、思いやる、この共感力の高い人と人とがつながったとき、すばらしい実を結ぶのだといえます。』

極真空手の稽古における「知的好奇心」は、「もっと型がうまくなりたい、もっと組手が強くなりたい」という気持ちから生まれてきます。  

また、「共感力」は一緒に稽古する友達、一緒に試合に出る仲間とともに養うことが可能です。  そういった意味で、空手の試合は個人競技ではありますが、チームの一体感がとても大切になります。



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