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感情は理屈でほどけない

吉本興業会長の大崎洋さんが書かれた『居場所。』(サンマーク出版)を読みました。  『わかってくれる人は「みんな」でなくていい』の項を番号を付けて紹介します。

『①僕の場合は、いささか波が高いのですが、みんなトラブルの大波小波を経験していると思うんです。  全員が味方じゃないから、時には誤解されることもあるでしょう。

・誤解されたら悔しい
・侮辱されたら腹が立つ
・本当のことを説明したい

②証拠を集めて、理論武装もして、誤解を解きたい気持ちは痛いほどわかります。  でも、いくら正直に本当のことを言っても、いくら相手が間違っていたとしても、解けない誤解もあるんです。  だって感情は理屈でほどけないから。

③弁明が意味をなさないことは、この世の中に意外とたくさんあります。  あきらめずに闘い続け、相手が「わかりました、参りました」と折れるまで言葉を重ねるやり方もあるでしょう。  でも、仮に「誤解だった、申し訳ない」と土下座して相手が謝ってきたとしても、腹の底から納得しているかと言えば、残念ながらそうでもありません。

④だから僕は、「みんなにわかってもらおうとしない」と、あきらめたんです。

・言い訳をしない
・説明をしない
・誤解は解けないとあきらめる

⑤ただしこれは、一方的に我慢しろ、という意味ではありません。  「世界中の誰もわかってくれなくても、この人だけは、わかってくれている」  そういう人を心に抱いて、その人に恥ずかしくない自分であり続けるという意味です。

⑥僕にとってはそれが、大崎富三郎と大崎益子。  死んだ父と母でした。

⑦人生には闘わなければいけない場面もあり、だから僕は上場廃止という決断をし、(創業家の)林ファミリーには退出していただきました。  でもそれは、自分への「誤解」を解くためではなく、創業110年になる歴史ある吉本を守るための闘いです。

⑧僕に対する誤解は、闘う価値すらない、今ではそう思っています。  わかってもらう必要がない人に、わかってもらおうとして費やす力があるなら、他のことに使ったほうがずっといい。

⑨そして、たとえ死んでしまっていても、たとえもう会うことがなくても、「この人だけは、わかってくれている」という存在が心の奥にいたら、どうでもいい人に誤解されていることくらい、どうでもよくなってくるんです。  こう思えるようになるまで、ちょっと時間はかかりましたけどね。』

上記②の「感情は理屈でほどけない」という言葉が妙に腹落ちしました。

  

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