FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

逆転の発想

『柔の道 斉藤仁さんのこと』(山下泰裕編 講談社)を読みました。  講道館の上村春樹館長が書かれている「逆転の発想」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①日本人は、外国人とくらべて筋力は弱いし、手足も短い。  「そのハンデを、どうすれば柔道で打ち消すことができるか」  私はそれを懸命に考えました。

②ヒントになったのは、航空工学者で、「日本の宇宙開発の父」と呼ばれる糸川英夫先生の『逆転の発想』という本(1974年刊)です。

③この本を読み、「小さいことが私の武器になる」と気づかされたとき、自分の世界が開けたような気がしました。

④だから、斉藤にもよく言ったものです。  「発想の転換をしなさい。  こちらから見ているだけでなく、相手側から見てみるのだ。  大きいことが本当に有利なのか、小さいことは武器にならないのか。  それを徹底的に考えることだ」

⑤スピードがある選手ならそれを武器にすればいいし、身体がやわらかいならそれを活かせばいい。  自分の長所をさらに強化し、足りない部分を補い、技につなげていく。  それが柔道というものです。

⑥全盛期の斉藤は大きな身体を武器にしていましたが、(上村監督のもと、斎藤選手が2度目の金メダルを獲得した)ソウル五輪のころは、右脚が左脚より10センチも細くなっていました。

⑦斉藤のような左組手の選手は、たいてい軸足になる右脚が太くなります。  当時の斉藤はケガを負った軸足が使えず、それで細くなっていたわけです。

⑧しかし、「だから何だ?」と私は問いかけました。  「右脚がダメなら、左脚をうまく使えばいいだろう」

⑨斉藤は親からもらったすばらしい身体を武器にしたこともあるし、ガタガタの身体で闘った経験もあります。  その違いを理解していたからこそ、選手を適切に指導できた(斎藤監督のもと、日本柔道はアテネで3つの金メダルを獲得した)といえるでしょう。』 

TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT