FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

強い人ほどスタイルを持たない

1.『運を加速させる習慣』(矢澤亜希子著 日本実業出版)を読みました。  矢澤さんは、世界中で3億人を超える競技人口がいるといわれるバックギャモン(チェス、ドミノ、トランプと並ぶ世界4大ゲームのひとつ)の世界チャンピオンです。  「強い人ほどスタイルを持たない」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①(前略)  質問のなかには、少し返答が難しいものもあります。  「あなたのプレースタイルは何ですか?」とか「他のプレーヤーの特徴は?」という質問も、そのひとつです。  なぜ返答が難しいかというと、強いプレーヤーほど、プレースタイルに特徴がなくなるからです。  (中略)

②対峙する相手とまったく同じ条件のもとに勝敗を争うとき、プレーに何らかのスタイル(特徴)ができるということは、どこかが崩れていることを意味します。  フラットな状態を崩すことによってしか、スタイルを作ることはできないからです。

③たとえば、野球では守備側におおよその定位置が決まっているものですが、一部の強打者に対しては例外的な守備陣形を敷くことがあります。  これがここで言うスタイルです。  将棋でも「受け将棋」や「攻め将棋」といった表現がありますが、それもスタイルを表わすと考えていいでしょう。

④いずれにせよ、スタイルができるということは、長所とともに、その裏返しとしての短所も生まれるということです。

⑤したがって、強い人ほどスタイルを作りません。  どんなスタイルにも自在に対応できるからこそ、状況に応じて自分の隙を最小限に抑えながら相手の隙を突く。

⑥将棋における最強の陣形は、まだ1手も指していない対局開始時の布陣だといわれます。  柔道や剣道で最も危険なのは、攻撃しようとする動作に移った一瞬です。  勝因と敗因は、まさに表裏の関係にあるわけです。』


2.本書の「勝利の方程式は作らない」の項からも抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①バックギャモンでは、トッププレーヤーほどプレースタイルに偏りがないというのは、自分のスタイルを作らないゆえです。  そうすることで、どんな局面にも対応できるようになります。  しかし、そういった技術を持ち合わせていないプレーヤーは、自分のスタイルを持って勝負をしていきます。

②トッププレーヤーになるためには、スタイルを少しずつ増やす必要があるのです。  自分のスタイルという武器が多ければ多いほど、局面、局面でさまざまな武器を出し入れすることができます。

③自分のスタイルというのは、一種の個性です。  個性が確立するすると考え方や言動に一本の筋が通って、その人の強みになる。  しかし、強みとは、常に弱点に転換するおそれを含んでいるものです。  (中略)

④スタイルを持たない人は、どうにもつかみどころがありません。  でも、そのつかみどころのなさが強さなのです。  どういう局面にも柔軟に対応できるから、特定の「勝ちパターン」を作らないというわけです。  (中略)

⑤実際、バックギャモンの定跡も少しづつ変わっていて、10年前の定跡のなかには、すでに定跡と認識されなくなっているものもあります。  かっての正解に、ほころびが生じたわけです。  そうした変化に対応できるのは、ニュートラルで、融通無碍(すうづうむげ)で、特徴のない、いわば「水」のようなプレーヤーなのです。』


3.4月5日のTBS『情熱大陸』で、リオデジャネイロ五輪・女子レスリング63㎏級・金メダリストの川井梨沙子選手も、最大の武器・高速タックルへの入り方について、次のように言われていました。

『(相手の両肩を押さえている左右の手のひらで)相手の体重を感じるのは結構得意なんで、「来たな」と思ったら、はたいたりとか。  これっていう決まりがあるわけでもなくて、相手のその時次第で、何をやるかが変わる。』

TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT