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言語と余剰

『父が娘に語る経済の話』(ヤニス・バルファキス著 ダイヤモンド社)を読みました。  著者はアテネ大学の経済学教授で、ギリシャの経済危機時(2015年)に財務大臣を務めています。

『「言語」と「余剰」の二度の大きな飛躍・・・・・・このとき、経済が生まれた』の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①8万2000年ほど前、人類がはじめて大きく飛躍した。  人間はただのうなり声ではなく、言葉を発するようになった。

②それから7万年後(1万2000年前)、人類は2度目の大きな飛躍を遂げた。  今度は土地を耕すことに成功した。  ①うなり声のかわりに言葉を使い、②木の実を口に入れるかわりに作物を収穫できるようになった。

③そこではじめて、いまのわれわれが「経済」と呼んでいるものが生まれた。

④人類が農耕を「発明」したことは、本当に歴史的な事件だった。  1万2000年経ったいま、振り返ってみるとその大切さがよくわかる。  それは、人類が自然の恵みだけに頼らずに生きていけるようになった瞬間だった。

⑤大昔の人たちは大変な苦労をして、作物を育てる方法を見つけた。  だからといって、それが当時の人にとって幸せな瞬間だったと言えるだろうか?  とんでもない!  われわれの祖先が土地を耕すようになったのは、みんなが飢えて死にそうになっていたからだ。

⑥周囲の獲物を狩り尽くして、人の数も爆発的に増えてくると、食べ物が足りなくなった。  生き延びるためには、土地を耕すしかなかった。  (中略)

⑦たとえば、自然の恵みが豊かなオーストラリアでは、畑を耕したりしなかった。  土地を耕さなければ生きていけない場所でだけ、農耕が発達した。  (中略)

⑧農作物の生産によって、はじめて本物の経済の基本になる要素が生まれた。  それが「余剰」だ。  (中略)

⑨ここで、注目してほしいことがふたつある。

⑩まず、狩りや漁や、自然の木の実や野菜の収穫は余剰を生み出さないということ。  (中略)  とうもろこしや米や麦のような保存できる穀物と違って、うさぎや魚やバナナはすぐに腐ってしまうからだ。

⑪次に、農作物の余剰が、人類を永遠に変えるような、偉大な制度を生み出したということ。  それが、文字、債務、通貨、国家、官僚制、軍隊、宗教といったものだ。

⑫テクノロジーも、最初の生物化学兵器を使った戦争もまた、もとをたどると余剰から生まれている。』

9月に入ったとはいえ、30度を超える日が続くようです。  ご自愛ください。

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