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いつも心にプランBを

テニスコーチのサーシャ・バインさんが書いた『心を強くする』(飛鳥新書)を読みました。  2018年に世界ランキング68位だった大坂なおみ選手のヘッドコーチに就任し、2018全米・2019全豪オープン優勝、世界ランキング1位を達成させた名コーチの著書です。  「いつも心にプランBを」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①プランAは誰でも用意している。  でも、あなたはプランB、プランC、場合によってはプランDまで用意しているだろうか?  ゲームが動いて、ここ一番が期待される局面になったら、プランE、プランFまで編みだせるだろうか?  

②どんな分野でも、他に抜きんでている人は、柔軟な頭で情勢を分析し、最良の問題解決策を案出できる人間だ。  (中略)

③なおみの思考の柔軟さに気づいたのは、2018年の全米オープン4回戦でアーニャ・サバレンカと対決したときだった。  グランドスラムで初の準々決勝に進めるかどうかの熾烈な戦いで、なおみは効果的なショットを素早く切り替えて頭の柔軟さを示したのである。

④この試合、最初の二度のマッチポイントで、なおみはサバレンカを動かそうとゆるいリターンを返した。  ところが、二度ともボールはコート外に出てしまう。

⑤デュースとなったところで、なおみは一つの決断をした。  アグレッシブなショットに切り替えることにしたのだ。  なおみの強みはもともと強烈なショットだが、あれほどのプレッシャーの下では、同じようなリターンをくり返す方が楽だったはずだ。  けれども、なおみは、ここで戦法を切り替えて、別の手でいかなければだめだと気づいた。

⑥そこで放った強烈なフォアハンドは最良の選択だった。  デュースになると、なおみはサバレンカの最初のサーブをダウンザライン(サイドラインに沿う軌道のショット)に打ち返し、またしてもマッチポイントを奪った。  このアグレッシブな戦術はサバレンカに大きなプレッシャーを与えたのだと思う。  彼女は痛恨のダブルフォールトを犯し、なおみは見事に準々決勝に進んだのだった。

⑦プランBに切り替えるときは癪(しゃく)だと思うだろうし、相当な決断力を要する。  だが、その決断は、プランAで成功したときよりはるかに多くのものをもたらす。  あのときのなおみの決断は見事だった。  彼女の成長を、私はまのあたりにした。  

⑧人生は、もろもろの問題をいかに解決していくかにかかっている。  解決法は、プランAとは限らない。』

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