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二種類の頑固

(1)昨年の4月に86歳で亡くなられた渡部昇一先生が書かれた『終生 知的生活の方法』(扶桑社新書)を読みました。  2004年に出版された『老年の豊かさについて』(大和書房)の加筆修正版です。  亡くなられる直前に入稿されていたそうです。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.豊臣秀吉と伊達政宗

①豊臣秀吉も朝鮮出兵などしなければ、豊臣家滅亡という悲惨な結末を招くことはなかったはずです。  彼はそれまでずっと成功し続けてきました。  その成功体験で最後の最後に大勝負に打って出たのですが、完全に時期を誤りました。  膨大なエネルギーを要する大事業は三十代か四十代でやるべきです。  (中略)

②指揮系統がしっかりして補給さえうまくいけば勝つことは難しくなかったはずです。  若い頃の秀吉、あるいは信長なら、その辺をよく分析して、抜かりなく準備したと思います。  

③しかし、現実には二度目の朝鮮出兵は惨憺たる結果に終わりました。  残念ながら秀吉は、日本史において晩節を汚した典型になってしまったのです。

④一方、猛将でありながら、節度ある晩年をおくり、名誉を保った人もいます。  それは伊達政宗です。  政宗は天下を狙える力量を持つほどの武将でしたが、天下の大勢を判断して、関東には攻め上がりませんでした。

⑤秀吉の器量に服し、のちには家康につきます。  天下を狙えるほどの能力を持ちながら、天下の大勢と自分の年齢を考えて徳川幕府と共存することにしたわけです。  彼が仙台にとどまったのは決して恥ではありません。  むしろ英断と称えられる行為です。


2.二種類の頑固

①今の秀吉の例にも関連しますが、よく老人は頑固だと言われます。  ただこの場合は、単に適応能力の喪失を示すだけの頑固と、一つの信念に基づいた頑固との二種類あると思います。

②私は、信念に基づく頑固者がたくさんいる国の方が尊敬されると思います。  その例がイギリスです。  ヨーロッパのどこの国に行っても、好き嫌いは別として、イギリスには一目置いているところがあります。

③イギリス人は頑固者や変わり者が多い国です。  頑固でなければ生きられない状況があったのです。

④イギリスではピューリタン革命でクロムウェルが国王の首を切りました。  その時に王党派についた騎士階級はひどい目に遭いましたが、王様と英国協会に対する忠誠心を捨てないで王政復古を迎えたのです。

⑤王政復古の後は、ピューリタンは失脚して再び迫害を受けますが、断固として自分たちの信念を守りました。  ピューリタンはウソを言わず、勤勉に仕事をしましたから、上流階級にはなれなかったものの、中産階級の中心になりました。  これがイギリス人の背骨になったのです。

⑥信念の固い彼らの血を受け継いで、イギリス人は愛国心が強く、新しいものが流行しても、自分たちは自分たちだという考えで古いものを容易に捨てません。』

「信念に基づく頑固者として、晩節を汚さずに生きたいなぁ~」と思う今日この頃です。


(2)老人の話をもう一つ。

『おじいさん 「肉まんください」
 
店員   「おいくつですか?」

おじいさん 「いくつに見えますか?」
 
店員   「・・・いくつでしょうかね・・・?」

おじいさん 「もう80なんですよ」

店員   「肉まん80個で7,392円になります」
 
おじいさん 「いや・・・そうじゃなくて」
 
店員   「7,392円になります」

おじいさん 「・・・」』

(一昨日配信されてきた公認会計士・本郷孔洋先生のメルマガより)

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