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真剣は明るく軽い

『感奮語録』(行徳哲男著 致知出版社)を読みました。  「真剣は明るく軽い」の項を番号を付けて紹介します。

『1.①安岡正篤先生は「徳とは無類の明るさのことである」と言われた。  知識や技術は徳ではない。  明るく、人好きで、世話好きで、人に尽くすことができる人こそ、徳ある人なのである。  ゆえに徳ある人は元気がいい。

②真剣と深刻とは違う。   悲劇の主人公のような生き方は真剣とは言わない。   真剣というのは、もっと軽いものである。  真剣になればなるほど軽くなれる。

③「軽さ」の頭に「あ」をつければ「明るさ」になる。  真剣な人は「明るい人」である。  眉間に皺を寄せて深刻に生きている人は、実は一番真剣に生きていないのではないか。

④永平寺の修行僧の軽さには驚かされる。  身のこなしが非常に敏捷で軽い。  それも真剣な修行を積んでいる僧ほど軽いのである。

2.①藤本敏夫という人物がいる。  かつての全共闘のリーダーで、権力に抵抗し、三年八か月を獄中で過ごした人間である。

②私は訊ねてみた。   「鉄格子の中とは何だったのですか」と。

③彼はこう答えた。  「獄中にある窓を通して自然を感知することができた。  朝と夜とでは土の香りが違うことを知った。  木にも表情があることがわかった。   正しいか間違っているかで物事を見ることが虚しくなってきた。  そして今の私には、楽しいか楽しくないかが一番大事なことになりました」と。

④現代人は楽しくないから明るくなれない。  だから元気がない。』

昨年5月に亡くなられた全空連の橋本岩樹常任理事をしのぶ会で、行徳先生がご挨拶されていました。  89歳とは思えぬ迫力に、40年近く前に聞いた行徳先生の講演を思い出しました。

講演の内容は当時のベストセラー『飛鳥(あすか)へ、そしてまだ見ぬ子へ』からでした。  悪性腫瘍のために31歳で亡くなった医師の井村和清さんの著書です。  「飛鳥」は長女の名、「まだ見ぬ子」とは、亡くなった当時に奥さんが妊娠していた子(次女の清子さん)のことです。  

心が震えるような講演でした。 




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