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2023年05月 | ARCHIVE-SELECT | 2023年07月

最近の新聞記事から

最近の新聞記事から抜粋し、番号を付けて紹介します。

1.木田春斗選手(ラグビー日本代表合宿メンバーに初選出)・・・6月9日朝日新聞・連載『戦士のホットタイム』より

『①・・・幼少期は空手をやっていたと聞きました。  その経験が生きている部分はありますか。

「空手は、本当に体幹が大事です。  パンチをする時もそうですし、ハイキックも、それこそ片足で立ってキックするので、バランス感覚も大切になってきます。  もちろん、動きの瞬発力も大事。   体幹の強さ、瞬発力は、確実にラグビーに生きています」

②空手は個人競技ですね。  その点でラグビーとの違いは。

「メンタルが鍛えられました。  個人競技は自分がすべて。  自分が負けたら、もう、すべてが終わりですし。  個人にどれだけプレッシャーがかかるかというのを経験しました。   そういう面ではプレッシヤーには強くなったかなと思います」』

調べたら、木田選手は2007年4月に行われた第3回国際青少年大会・7歳男子の部で優勝しています。  1学年上の8歳男子の部の優勝者が、昨晩のRISEでKO勝ちした南原健太選手でした。


2.ラグビー日本代表合宿・・・6月23日朝日新聞より

『①合宿開始を前に、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチは「タックルの精度を国際レベルまで引き上げる」と狙いを明確化。  柔術など格闘技の専門家で、13人制の「ラグビーリーグ」で指導した経験もあるジョン・ドネヒュー氏を呼び寄せ、連日のように特設テント内で行われるタックル練習の指導を任せている。  (中略)

②ドネヒュー氏の指導は技術にとどまらない。   流大(ながれ・ゆたか)選手の言葉を借りれば、「昭和的」で「根性が鍛えられる」という。  相撲やレスリングの要素も採り入れながら1時間ぶっ続けで行われ、その間に休憩はない。

③さらには、腰に手をあてる、頭を抱える、といった「苦しそうな態度」は厳禁。  もし見つかれば、「罰」として馬跳びなどの追加トレーニングを科せられる。

④稲垣啓太選手は、練習の意図に理解を示し、こう解説する。  「一番苦しい時間帯にその技術を出せるか。  元気な時にできるって、誰でも当たり前だと思う。  もう本当に死にそうな時に、自分に何ができるのか。  ラグビーの原点であって一番大事なところ。  今それを全員でやっています」』

④は極真空手の試合でもまったく一緒です。


3.三浦知良選手・・・6月23日日経新聞・連載『サッカー人として』より

『①毎日継続していることこそ、流れ作業に陥りがち。  体幹トレーニングであれば体幹のどの部位を意識し、負荷を感じつつやれるかが生命線。

②それが「早く終わらせたい」と気が緩むと、なんとなくこなして終えてしまう。  この「こなす」になれるのが一番良くない。

③相手を置かないパス&コントロールの練習なんて、ひたすら同じことの繰り返しだ。  これも、相手がいると想定してボールを止め、蹴るのと、漫然とこなすのとでは、同じ反復でも成果に大きな違いが出る。

④欧州の強豪もJリーグクラブも日本代表も、外形的な練習手法に大差はないだろう。  でも上のレベルの選手ほど、マンネリ的な作業をマンネリで終わらせない意識を持ち合わせている。』

競技の種類を問わず、トップになる人・チームの考え方には共通点がありますね。  

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2023体重別選手権大会

1.6月17・18日は2023体重別選手権大会(兼・第19回全アジアウェイト制大会・第38回ウェイト制大会)でした。  城西からは11名の選手が出場しました。  それぞれの結果と私から見た課題は以下のとおりです。  

①平沢拓巳(ゼッケン33番)・・・男子軽量級(-70kg)、三回戦で廣本直也選手に本戦敗退。  ㋑試合前にも本人に話しましたが、平沢の良さは伸びのある攻撃なのですが、逆に言うとコンパクトさに欠けるきらいがあります。  ㋺また最後のラッシュが雑なため、前回と大会同様に顔面殴打の注意を取られました。  自分の突き蹴りを細かくコントロールすることができれば㋑㋺がなくなり、もっと良くなると思います。

②金子雄大(ゼッケン21番)・・・男子軽量級(-70kg)、第三位。  準決勝で優勝した小林健人選手に減点一での本戦判定負け。  雄大らしい上手さが随所に見られました。  現在63kgの体重を増やすことができれば、昨年の軽軽量級に続く二階級制覇が見えてきます。  まずは食トレですね。

③鈴木哉琉(ゼッケン47番)・・・男子軽量級(-70kg)、準々決勝で優勝した小林健人選手に本戦敗退。  昨年の第54回全日本大会2回戦でも対戦しましたが、その時よりはだいぶ差が縮まってきました。  真面目に稽古し、メンタルも強いので、今後の精進に期待します。

④平山尚樹(ゼッケン56番)・・・男子中量級(-80kg)、三回戦で優勝した飯塚翼選手に本戦敗退。  心肺機能の高さという長所もあり徐々に強くなってきていますが、㋑素早い受け返しなどの組手の緻密さ、㋺雄大同様、現在71kgの体重増が課題です。

⑤高田悠一郎(ゼッケン63番)・・・男子中量級(-80kg)、準々決勝で谷川蒼也選手に本戦敗退。  本来持っているポテンシャルは高く、上京して一年間真面目に稽古してきました。  細かい修正点はいくつかありますが、だいぶ力を付けてきています。  試合数を積んでいけば、もっと結果が出せるようになると思います。

⑥奥寺勇輝(ゼッケン73番)・・・男子中量級(-80kg)、第三位。  準決勝で準優勝した山上大輝選手に試割判定負け。  上段蹴りの当て勘が良いという奥寺の良さは随所に見られました。  ただ、持っている潜在的能力を考えると、まだまだ物足りません。  仕事を持ちながらではありますが、稽古量の確保が最大の課題です。

⑦伊藤圭太(ゼッケン88番)・・・男子中量級(-80kg)、三回戦で山上大輝選手に本戦敗退。  緑帯で出た昨年に比べると急成長していると思います。  奥寺同様仕事を持ちながらではありますが、稽古量の確保が最大の課題です。

⑧佐藤拓海(ゼッケン111番)・・・男子軽重量級(-90kg)、準々決勝で準優勝のフェドシーブ・アレクセイ選手に本戦敗退。  2018年の第50回全日本大会・1回戦で本戦判定負けを喫している相手との再戦です。  コロナ過の三年間、ロシア選手との対戦機会がありませんでした。  拓海だけでなく城西の選手全般に言えることですが、どつき合い・削り合いに強いロシア的な戦い方に対する工夫・稽古が、急務です。

⑨岡部慎太郎(ゼッケン131番)・・・男子重量級(+90kg)、準々決勝で準優勝のカパナーゼ・ゴデルジ選手に延長戦敗退。  善戦はしましたが、昨年の第54回全日本大会でのコバレンコ選手との戦い同様、後半でやや失速しました。  スタミナ稽古により一層励むことと同時に、試合におけるペース配分も考える必要があると思います。  優勝したイエロメンコ選手の戦い方などを参考にするとよいと思います。 

⑩福永ゆら(ゼッケン145番)・・・女子中量級(-55kg)、準々決勝で本戦敗退。  リーチが長く上段への蹴りを得意とする選手に対して、本来持っている効果的な突き蹴りが出せなかった印象です。  接近戦での左右の回り込み、相手の蹴りに対する捌きからの返しなどを身につける必要があります。  また、ウェイトトレーニングによる突き蹴りの威力向上も課題です。

⑪小木戸琉奈(ゼッケン154番)・・・準決勝で準優勝のコノバロア・ナタリア選手に本戦敗退。 ⑧にも書きましたが、どつき合い・削り合いに強いロシア的な戦い方に対する工夫・稽古が必要です。  雄大同様、昨年の軽量級に続く二階級制覇に向けて、今後も稽古・工夫を積み重ねていってもらいたいと思います。


2.いつも言うことですが、勝てなかったときの方が、今後の課題はより鮮明になります。  試合後の会場でも話しましたが、「しつこくあきらめない人」が空手に限らず望んだ結果を最終的にはつかむものです。  そういった意味で、女子重量級で優勝した本村愛花選手の戦いには心を打たれました。

大阪での6月の試合も、第一回ウェイト制大会前年の西日本大会を含めると39回目となります。  帰りの新幹線での心境も、試合に勝ったとき、負けたときで、さまざまです。  でも、暑くなりかけのこの時期に毎年大阪で「ワクワク、ドキドキ」できる幸せ感は変わりません。

戦った選手・セコンド・応援の皆さんお疲れ様でした。

  





     

  





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憧れを超えた侍たち

今年3月に開催されたWBCのドキュメンタリー映画『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』を昨日観ました。

1.以下は公式サイトの「INTRODUCTION」の内容です。

『憧れを超えた侍たちの世界一への記録

2021年12月、栗山英樹氏が野球日本代表・侍ジャパントップチーム監督に就任。  誰よりも野球を愛し、選手を愛する指揮官が2023年3月開催「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」へ向け、熱き魂の全てを捧げる日々がはじまった。

目標は「世界一」。

代表選手30人の選考会議から大会直前に行われた宮崎合宿、本大会ベンチやロッカーでの様子、選手の苦悩や葛藤、あの歓喜の瞬間まで完全密着したチーム専属カメラだからこそ撮影できた貴重映像の数々。

己を信じ、仲間を信じ、勝利を信じ、全員でつかんだ世界一。  世界に日本野球のすばらしさを伝えた侍ジャパン。  このチームは最高だ。』

2.空手は個人競技ですが、普段の稽古、試合へ向けての準備、試合当日のアップ・セコンド・応援など、チームとしての要素が多々あります。  チームスポーツという観点から、感銘を受けたことを挙げてみます(若干ネタバレになるかもしれません)。

①栗山監督・・・㋑選考会議の段階から一つ一つコーチ陣に確認を取りながら丁寧に進めていく、㋺一人一人が代表であるという自覚を持たせるために、あえてキャプテンを作らない、㋩本大会中に各コーチ・選手にかけた適切な言葉の数々

②チームリーダーであるダルビッシュ有投手・・・㋑若手の佐々木朗希選手などへのアドバイス、㋺ベンチでも率先して応援に回る

③同じくチームリーダーである大谷翔平選手・・・㋑後輩が活躍すると「さすがやね」と祝福、㋺バッティングでもピッチングでも結果を出して後輩たちを引っ張る、㋩常に、チームのムードが沈まないように皆を鼓舞し続ける

④守備のかなめの源田壮亮選手・・・一次ラウンドの韓国戦で右手小指を骨折したあとも試合に出続け、周りに感動を与える

今、思いつくことを書いてみましたが、不調だった村上宗隆選手の準決勝・メキシコ戦での逆転サヨナラ二塁打、決勝・アメリカ戦最終回2アウトでの大谷vsトラウトのスーパースター対決など、ドラマも満載でしたね。

3.チーム城西にとっても、指導者、コーチ、先輩選手、後輩選手、それぞれの在り方が大変勉強になります。  チーム城西のメンバーは必見です。

野球に興味がなく、WBCもまったく観ていなかったカミさんも隣で泣いていました 笑

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フロー状態の入り口は「楽しむ」こと

『TIME OFF 戦略的休息術』(ジョン・フィッチ他著 クロスメディア・パブリッシング)を読みました。  カナダ人武闘家・コーチのフィラス・ザハビさんに関する項から抜粋し、番号を付けて紹介します。  

『①フィラス・ザハビはそこいらのコーチとは違う。  彼は伝説のトリスター・ジムのオーナーで、伝説のファイターを輩出してきた。  そのひとりが、9度の防衛に成功したことで有名な、2階級制覇王者の総合格闘家ジョルジュ・サンピエールだ。  (中略)

②ザハビは「自覚的運動強度」と、ミハイ・チクセントミハイの「フロー」についての研究を結びつけて、パフォーマンスにとってもっとも良い環境について説明する。

③「フローチャネル」という最適なゾーンは、不安と退屈のはざまにある。  難しすぎると不安になり、簡単すぎると退屈だ。

④そして完璧なフロー状態においては、自身のスキルと難易度が一致していると感じる。  だから、喜びを感じる。  どんな活動でも、フロー状態になると嬉しくて効率も上がる。  (中略)

⑤フロー状態になる方法は人それぞれだ。  不安を感じるまで追い込まれないとフロー状態になれないと思っている人が多いけれど、きちんとした自覚的運動強度を知るトレーニングをしていれば、そんな必要はない。  痛みを伴うトレーニングでヘトヘトにならなければならないと考えてしまったら、運動を始めようと思っている人にはハードルが高くなる。

⑥「フロー状態まで連れていってくれるトレーニングをしっかり把握することだ」と、ザハビはアドバイスする。

⑦なにに取り組むにしろ、フロー状態の入り口は「楽しむ」ことだ。  難しすぎず、簡単すぎないレベルの仕事やワークアウトをデザインしてみよう。  そうすれば、楽しくてもう1度やりたくなる。

⑧「フローという概念は天才的だよね。  フロー状態、フローをつかむと、時間があっという間にすぎる。  最悪なワークアウトは、1分が何時間にも感じるやつだ。

⑨フローに入っていると、難易度が自分に合っているからストレスは感じない。  だけど退屈というわけでもない。  トレーニングははまらないと意味がないからね。  みんながワークアウトにはまったら、健康的でしゃきっとしている人ばかりになると思わない?   無理する必要なんてない。  やりたいと思えないと意味がない。  だってコンスタントにできなければ、極めるなんて無理なんだから」

⑩ザハビは厳しいトレーニングに反対しているわけではない。  しかし、厳しいトレーニングをするときはかなり周到な準備が必要だと考えている。  「ときどきは激しさも必要かもしれない。   準備ができているときだけね。  そして激しさは、量を増やすことで達するとして、それでもやっぱり楽しくなきゃダメだよね」

⑪フロー状態を念頭に置いた彼のアプローチのおかげで、ジョルジュ・サンピエールはUFCで膨大なトレーニングを積み、動き回り、トップに君臨することができたのだ。  「ジョルジュの強さの秘密だよ。  健康の秘密でもある。  みんな列をなしてジョルジュとスパーリングしたがる。  彼とすれば、フロー状態に入れるから。  ジョルジュは熟知しているんだ」』

ジョルジュ・サンピエールの格闘家としての基礎は、7歳から始めた極真空手にあったそうです。

2012年2月には来日して松井章奎館長を訪問し、参段を授与されています。





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