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2023.04.22 Sat
感情は理屈でほどけない
吉本興業会長の大崎洋さんが書かれた『居場所。』(サンマーク出版)を読みました。 『わかってくれる人は「みんな」でなくていい』の項を番号を付けて紹介します。
『①僕の場合は、いささか波が高いのですが、みんなトラブルの大波小波を経験していると思うんです。 全員が味方じゃないから、時には誤解されることもあるでしょう。
・誤解されたら悔しい
・侮辱されたら腹が立つ
・本当のことを説明したい
②証拠を集めて、理論武装もして、誤解を解きたい気持ちは痛いほどわかります。 でも、いくら正直に本当のことを言っても、いくら相手が間違っていたとしても、解けない誤解もあるんです。 だって感情は理屈でほどけないから。
③弁明が意味をなさないことは、この世の中に意外とたくさんあります。 あきらめずに闘い続け、相手が「わかりました、参りました」と折れるまで言葉を重ねるやり方もあるでしょう。 でも、仮に「誤解だった、申し訳ない」と土下座して相手が謝ってきたとしても、腹の底から納得しているかと言えば、残念ながらそうでもありません。
④だから僕は、「みんなにわかってもらおうとしない」と、あきらめたんです。
・言い訳をしない
・説明をしない
・誤解は解けないとあきらめる
⑤ただしこれは、一方的に我慢しろ、という意味ではありません。 「世界中の誰もわかってくれなくても、この人だけは、わかってくれている」 そういう人を心に抱いて、その人に恥ずかしくない自分であり続けるという意味です。
⑥僕にとってはそれが、大崎富三郎と大崎益子。 死んだ父と母でした。
⑦人生には闘わなければいけない場面もあり、だから僕は上場廃止という決断をし、(創業家の)林ファミリーには退出していただきました。 でもそれは、自分への「誤解」を解くためではなく、創業110年になる歴史ある吉本を守るための闘いです。
⑧僕に対する誤解は、闘う価値すらない、今ではそう思っています。 わかってもらう必要がない人に、わかってもらおうとして費やす力があるなら、他のことに使ったほうがずっといい。
⑨そして、たとえ死んでしまっていても、たとえもう会うことがなくても、「この人だけは、わかってくれている」という存在が心の奥にいたら、どうでもいい人に誤解されていることくらい、どうでもよくなってくるんです。 こう思えるようになるまで、ちょっと時間はかかりましたけどね。』
上記②の「感情は理屈でほどけない」という言葉が妙に腹落ちしました。
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2023.04.14 Fri
腸と心の健康その2
前回に引き続き、今回も「腸と心の健康」についてです。 『結局、腸が9割』(川本徹著 アスコム)の「第3章 腸が変われば気分が明るく前向きになる」から抜粋し、番号を付けて紹介します。
『1.①セロトニンと腸の関係は、腸活の最新トピックスとして話題になることも多いので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。 通称“幸せホルモン" と呼ばれているように、セロトニンは私たちが脳で「幸せだな~」と感じる時の材料になるホルモンのひとつです。
②セロトニンは、ポジティブで前向きな気持ちにさせる・気持ちを安定させる・体をスッキリ目覚めさせる、などの作用が強いので、セロトニンが少ないと、怒りやすい・イライラする・ボーっとするなど、精神が不安定な状態になります。
③セロトニンは、腸の粘膜の中の「腸クロム親和性細胞」という部分で作られています。 この細胞は自律神経とつながっている細胞なので、自律神経系に直接作用して、セロトニンが脳や他の器官などへ運ばれていきます。 そして、脳の中でそのセロトニンが分泌されると、私たちは幸せや前向きな気分を感じ、精神が安定するのです。
④通常は必要な量が適度に分泌されていますが、ストレスが強くかかって大腸の状態が悪くなったりすると分泌量が減ったり、逆に体がセロトニンを多く必要とする時には、分泌量が増えるようなメカニズムになっています。
⑤便秘や下痢などでお腹の調子を崩した時のことを思い出してみてください。 イライラしやすかったり、悲観的に考えてしまったり、ボーっとしてやる気が起きないなど、メンタル面が不安定になりますよね。 これはただ腹部に不快感があるからというだけでなく、セロトニンの分泌量が減ることが関わっているのです。
⑥近年では、体の中の何と約8割! ほどのセロトニンが、腸で作られていることがわかってきています。 セロトニンを安定して作り続けるためにも、腸の健康は必須なのです。
2.①セロトニンが幸せな気分を作ってくれる、ということは、もしセロトニンの分泌量が減ってしまったらマズイことになりそうだ、と想像がつくと思います。
②近年、うつ症状を患う方が増加していますが、うつと腸の状態が関係しているということはまだあまり知られていません。 実は、うつ状態の人の腸の中を調べてみると、セロトニンの量が少ないということがわかってきています。
③現在うつ病で病院に行くと、ほとんどの場合がSSRIという、脳の中でセロトニンが減らないように働く薬を処方されます。 そのくらい、うつ病とセロトニンの関連はわかってきています。
3.①まだ研究段階ではありますが、さらに最近になって、腸の粘膜の中だけでなく、どうやら腸内細菌自体がセロトニンを作っていることもあるらしい、とわかってきています。
②ですから、いつも幸せな気分で過ごしたいと思ったら、考え方をポジティブにしよう、メンタルを強くしよう、と頑張るよりも、腸活で善玉菌を増やし、セロトニンを分泌させることが先決なのです。』
私も「セロトニンの約8割が腸で作られている」ということを、以前、菊澤院長に教えてもらいました。
明日は三峯神社で大山総裁二十九年慰霊祭です。 天気予報では雨となっています。 傘が必要ですね。
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2023.04.07 Fri
腸と心の健康
1.『シン・養生論』(五木寛之著 幻冬舎新書)を読みました。 「心と体につながる胃腸」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。
『①「食ハ養生ニアリ」とは昔から言われてきた文句である。 これは健康のもとは食べることだ、という話だ。 この言葉に異論のある人はいないだろう。 食物は体を動かすガソリンである。 最近はEVにとってかわられそうだが、いずれにせよ生きた人間にはエネルギーが必要だ。
②しかし、何を食べるかも問題だが、食べたものを消化し、人間活動の動力源に換えるのは、普通に考えれば胃腸ということになる。 胃腸というのは、おおざっぱな言い方だが、ここでは専門的、医学的な話はしない。 常識としての胃腸のことである。
③胃腸は長いあいだ消化器官としてだけ考えられてきた。 しかし最近では胃腸のさまざまな働きが注目されるようになったらしい。 たとえば健康の原点である免疫にも、胃腸が大きな役割をはたしているという。
④またさまざまな精神疾患などもそうだ。 以前は心といえば、脳か心臓を連想するのが普通だった。 しかし現実には、人間の情動をあらわす言葉には胃腸と関係する表現がやたらと多い。
⑤「吐き気がするほどイヤな奴」とか、「ムカムカする」とか、「胃がキリキリ痛む思い」 とか、「腹が立つ」など、数えあげればきりがない。 実際に緊張しすぎて胃が痛い体験をした人も少くないはずだ。
⑥心の状態を改善するためには、これまで瞑想とか、呼吸法とかが考えられてきた。 しかし人間の心は、ひょっとしたら胃腸にあるのではないかと私は考えている。』
2.上の④~⑥に関連する記事が3月23日の朝日新聞・夕刊に出ていました。 タイトルは『腸管免疫システム うつ病発症に影響』です。 抜粋し、番号を付けて紹介します。
『①腸内細菌叢の変化がうつ病など精神疾患の発症システムにかかわる仕組みを、米ジョンズ・ホプキンス大学の神谷篤教授と酒本真次研究員(現岡山大学助教)らが明らかにした。
②腸管免疫にかかわる「γδ(ガンマデルタ)T細胞」が脳に作用しているという。 γδT細胞は体内の粘膜に広く存在するリンパ球で免疫反応を制御している。
③研究は毎日、短時間攻撃されるなど、ストレスを受けたマウスではT細胞の分化にかかわる乳酸菌が減り、うつ状態になることを確認。 同じタイプの乳酸菌の減少と、ヒトのうつ病患者の重症度が相関していることも確かめた。
④またストレスにより、γδT細胞が炎症性サイトカインという物質をつくる細胞に分化し、この細胞が脳髄膜に移ることでうつ症状を引き起こすことも明らかにした。
⑤この分化にかかわる受容体の働きを抑えるため、マウスに漢方の生薬「茯苓(ぶくりょう)」の成分であるパキマンを飲ませたところ、うつ状態を予防することもわかった。
⑥神谷教授は「既存のうつ病治療薬のほとんどは脳内の神経伝達物質に働きかけるもので、効き目がない患者も多い。 腸管の免疫システムを創薬ターゲットとすることにより、新しい予防法や治療法につながる可能性がある」と話している。』
体の健康のためだけでなく、心の健康のためにも胃腸、特に腸の状態を整えることが必要なんですね。
昨日見たYouTubeで、腸の状態を整えることはアンチエイジングにもつながると言っていました。 まあ、不健康だけど若々しく見える、ということは考えにくいですよね。
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2023.04.01 Sat
最近の新聞記事から
最近の新聞記事から抜粋し、番号を付けて紹介します。
1.日経新聞(3月30日夕刊)・・・『1日8000歩以上 週1~2日でも死亡リスク減少』
『①京都大の井上浩輔助教らのチームは30日までに、1日8千歩以上を週1~2日歩く人は、週3~7日歩く人と同程度死亡リスクが減少していたとの分析結果を発表した。 チームは「運動する時間が毎日取れなくても週末などに数日だけ運動すれば健康の維持が期待できる」としている。
②チームによると、1日当たりの平均歩数は男性が約6700歩、女性が約5800歩。 20歳以上の男女3千人余りを対象に、2005~06年に米国で実施された健康調査の歩行データなどを分析した。
③1日8千歩以上を週に1日も歩かない人と比べて、週1~2日歩く人は10年後の死亡率が14.9%低下。 週3~7日歩く人は16.5%の低下で、週1~2日歩く人と大きな差はなかった。
④1日8千歩以上歩くと死亡率が下がることはこれまでの研究で分かっていたが、週にどれくらいの頻度で実行すれば効果があるかよく分かっていなかったという。』
※同様の記事が同日の朝日新聞・夕刊にも載っており、次のような記述がありました。
『また、歩数を1日あたり6千~1万歩に変えた場合も調べた。 その結果、いずれの歩数でも、歩いた日数がゼロの人に比べて、1~2日歩くだけで死亡リスクは大きく下がったという。』
※※我田引水的に言えば、「空手の稽古日数がゼロの人に比べて、週に1~2日稽古するだけで死亡リスクは大きく下がる」はずだと思います (^^)/
2.朝日新聞(3月29日)・・・『何を失っているのか 人生で信じるものは「人」ではなかったか』(漫画家・いがらしみきおさんの寄稿)
『①(前略)どんな生き物にも奇跡は必ず2度起きる。 1度目は生まれた時で、2度目は死ぬ時である。
②生まれるということは、どこにも存在しなかったものが、はじめてこの世界に姿かたちを現すということであり、死ぬということは、あれほど生きて動いていたものが、ある瞬間からただの物体になってしまうということだ。
③これ以上の奇跡などないだろう。 その2度の奇跡の間にあるのが、我々の人生というもので、それは間違いなく「時間」なのだが、時間というものは科学的に証明されていないらしく、「時間は存在しない」とする科学者も多い。
④それでは、我々が生きて、刻々と感じているこの時間とはなんなのか。 それさえただの錯覚で、有史以来、気が遠くなるほど長く続いている物理的現象に過ぎないのか。』
昨年11月11日に初孫が生まれ、今年2月21日に101歳の義母が亡くなった私にとって、①の「どんな生き物にも奇跡は必ず2度起きる。 1度目は生まれた時で、2度目は死ぬ時である。」という文章が妙に腹落ちしたので紹介しました。
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