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年を取ると酒に弱くなる

『名医が教える飲酒の科学』(葉石かおり著 日経BP)を読みました。  「年を取ると酒に弱くなるのはなぜか」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①ひとつ年を重ねるごとに酒が弱くなる。  年齢を重ねた酒好きであれば、一度は感じたことがあるのではないだろうか。  (中略)

②酒量も減ったので、最近では「あと1杯飲みたいな」というところでやめておくのが普通になった。  (中略)  さらに加齢によって出てきた症状が「酒を飲むとすぐ眠くなる」こと。  (中略)

③アルコールと健康の関係に詳しい久里浜医療センター院長の樋口進さんに「加齢と飲酒の関係」について聞いてみた。

④「(年を取ると酒に弱くなる)原因は大きく2つあります。  ひとつは加齢によって肝臓の機能が落ち、アルコールを分解するスピードが遅くなるからです。  そうすると、同じ量を飲んだとしても、若い頃よりアルコールの血中濃度が高くなってしまうわけです。  (中略)  アルコールの分解速度が一番速いのは30代といわれています。  その後は徐々に処理能力は落ちていくと考えられます。」

⑤「2つ目の理由は、体内の水分量の低下です。  人間の体内の水分比率は、赤ちゃんの頃は80%と非常に高いのですが、加齢とともに下がっていきます。  そして高齢者になると50%代になってしまいます。  アルコールを飲めば体内の水分の中に溶け込むわけですが、体内の水分量が少なくなると、アルコールを溶かす対象の量が減るわけですから、血中のアルコール濃度が高くなりやすいのです」

⑥確かに、年を取るにつれて、肌もシワが増え、乾燥しやすくなるなど、水分量が減っていることを実感させられるようになった。  それが酔いやすさにも影響しているとは知らなかった。』

上の②にあるように、60代後半の私も酒量が減り、酒を飲むとすぐ眠くなるようになってきました。 

③に「アルコールの分解速度が一番速いのは30代といわれています。  その後は徐々に処理能力は落ちていくと考えられます。」と書かれています。  私の回りの40代・50代で、気にかかる人が複数います。  

「年を取ってからの飲み過ぎには注意して」って、余計なお世話? 笑

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勝利より大切なもの

6月6日付け朝日新聞デジタルの連載「勝利至上主義を考える」のタイトルは『「僕を投げたくない?」   現役五輪王者が訴える勝利より大切なもの』でした。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①柔道男子73キロ級で五輪2連覇を遂げた大野将平(30、旭化成)は焦燥感を抱えている。

②「それだけでは何も変わらない」  全日本柔道連盟が「行き過ぎた勝利至上主義が散見される」として、小学生の個人戦の全国大会を廃止したことを受けて、そう感じた。  「10年後じゃない。  いま、スピード感を持って何かをやらなければいけない」  柔道人口減少にどうすれば歯止めがかけられるのか。  競技の普及は「強くなった人間の責任」とまで言う柔道家は、旧態依然とした業界の変化を訴える。

③大野は小学生の時、「めちゃくちゃ弱かった」そうだ。  今回廃止された全国大会ではないが、毎年5月に開催される団体戦の全国少年柔道大会には小4の時から出場。  女子に投げられていたという。

④兄の後を追って中学入学と同時に山口県から上京。  柔道私塾「講道学舎」入門時は、同級生の中でも実力は下から数えた方が早かった。

⑤指導者には恵まれた。  「基本に忠実な指導をしてもらった。  変な風にいじられなかった」。  講道学舎の恩師、持田治也氏は試合の勝ち負けよりも、小さい選手が大きな選手に立ち向かっていく、挑戦する姿勢を大事にした。  「全然、勝利至上主義ではなかったですね」

⑥中学まで背負い投げなどを得意としていたが、投げ切る自信を持てず、指導などでポイントを取る柔道をしていた。  持田氏に「お前の柔道はかっこわるい。  相手の脇を持って大外刈りをやれ」と勧められたのは中3の終わり。  その助言が、世界の頂点を上り詰めた大野の柔道の原点となった。

⑦だからだろう。  「小中高までは成績にこだわる必要はないし、負けていい」と強調する。  高校の時に同世代で強かった選手は、現役トップにほぼいなくなった。

⑧「小さい時から王者で居続けられる人は本当に一握りしかいない。  勝ち負けよりも、いい柔道をしていた方が将来化ける。  勝負にこだわるのは大学くらいからでいい」

⑨大野が考える「いい柔道」とは。  「しっかりと2本(の両手)で組み、投げ合う柔道」。  その柔道を大舞台で表現するために、抜きんでた稽古の量と質で圧倒的な力を蓄えてきた。

⑩「日の丸を背負って戦う以上、勝つことは使命。  緻密(ちみつ)さにこだわることも必要です。  でも、変わったルールを追いかけるのではなく、変わらない柔道の本質に力を入れるべきだと思う」

⑪日本代表の合宿では、日々変化していくルールや潮流にどう対応するべきかに時間を割いた。  ただ国際大会で勝つために必要な細かな技術は、大野にとってはあくまで枝葉に過ぎない。  子どもの頃から「いい柔道」に迫るための基礎を培ってきたことがリオ、東京での連覇につながった。

⑫「すぐ目先で成果や結果を出したいとなると、小手先の技術に走ってしまう。  そうすると、互いの強みを消し合う引き算の柔道になる」

⑬リオ以降、実力者の大野に対して、国内外の多くの選手が真っ正面から組み合うことを避けようとする。  「僕は最近ずっと、鬼ごっこをやっている感覚なんです。  誰も正面から衝突してこないで、逃げる相手をずっと追いかけている。  そんな柔道はつまらないし、子どもたちがやろうとも思わない」  (中略)

⑭「僕の柔道を見て、子どもだけでなく色々な人が柔道をやりたくなったとか、人を投げてみたくなったとか。  そういう風になればいい」

⑮大野はこれまでも柔道教室などに参加してきたが、今は柔道をやったことのない人も楽しめるような取り組みを充実させたいと考えている。  「僕のことを投げてみたくないですか?   内股で宙に浮いてみたくないですか?   そういう体験をしたい方って結構いると思うんです。  そういう機会を考えたい」  (中略)

⑯「勝つためにやるべきことと、強くなるためにやるべきこと。  その二つを知っている自分だから、伝えられることがある」  (中略)

⑰「今の子どもたちには本質を追いかけてほしいし、正統派の柔道に憧れてほしい」。  今の一番のモチベーションは子どもたちに「大野将平のような柔道をしたい」と言われることなのだという。』

上の③で『大野は小学生の時、「めちゃくちゃ弱かった」そうだ。』と書かれていますが、現在の城西のトップ選手で小学生の時から強かった選手は少ないような気がします。  やはり、あきらめずに長く空手を続ける中で、勝ったり負けたりして徐々に強くなるものです。

来週の日曜日は内部試合です。  出場する以上、勝利を目指すことは大切だと思います。 でも、たとえ負けたとしても将来のもっと大きな勝利につながっている、ということは忘れるべきではありません。

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気枯れ

5月29日のブログで『気のはなし 科学と神秘のはざまを解く』(若林理砂著 ミシマ社)を紹介しました。  今回は『盛運の気』(無能唱元著 日本経営合理化協会)です。  「第四章 気とは何か」から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①実は甘えは人間に必要なものなんです。  なぜなら、内側にむいていって自己というものを放棄していく瞬間、我々には安らぎがおとずれるからです。  安心がおとずれ、そして足るを知るといった、一歩とどまる判断性もでてきます。

②ですから、意識が外へきりむいて、大きいことはいいことだ、上に行くほどいいことだというふうに、そこにブレーキが全然働いていないと、状況がだんだんわかんなくなってくる。

③そして、外にいきっきりで意識が働いていると、気が目減りしていって、いずれは災難、病気ということで自分の身を破壊することになるんです。  また、内にっきり入っていくと肉体面、物質面が衰微してくるのです。

④そこで皆さん、要するに意識が外にいきっきりだと「気」がなくなってくるんです。  内にいきっきりでも「気」が失われてくる。

⑤ですから、「気」というものを作るには、せいいっぱい外で得をえて損を捨てるといった自己重要感を満足させることを全力でやりましたら、ころりと変わって今度は、真っ暗闇の子宮の中に入っていくような、生まれる前の意識状態に戻るということを意識的に自分で行うことなんです。  私はこれを二辺往来と言っております。

⑥簡単な例をあげましょう。  経営者は、日々、会社の利益をあげんとして奔走努力しますが、なかなか思うように事がすすまなかったり、失敗して、悩み、苦しむことが多々あります。

⑦そんなとき、いったん内の世界に入って休息するのです。  そうして、そのあたたかい世界に心が休まって落ち着くと、このときにやる気がかきたてられていくのです。  そして、ふたたび外の世界に戻って戦おうという気持ちになるのです。

⑧内の世界に入る方法とは、人によって違います。  山に登ったり、釣りをしたり、旅行へ出かける、あるいは瞑想にふけるとか、さまざまです。  私の知っている社長のなかにはマッチ棒で五重の塔をつくっている人もいますし、弓道の弓をひいている人もいます。

⑨大事なことは、内の世界に入って外に戻ってくるということなんです。  要はバランスが大事なのです。』

著者によると、上の④のように「気がなくなってくる」ことを、神道では「気が枯れてしまう=気枯れ(けがれ)」と言うそうです。

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2022体重別選手権大会

1.6月4・5日は2022体重別選手権大会(兼・第37回ウェイト制大会)でした。  城西からは12名の選手が出場しました。  それぞれの結果と私から見た課題は以下のとおりです。  

①金子雄大(ゼッケン15番)・・・男子軽軽量級(-60kg)優勝。  圧勝でした。  今後は、ウェイトトレーニングによる体づくりと、無差別級でも通じるようなヒット&アウェイの技術を身につけることが課題です。

②伊藤圭太(ゼッケン18番)・・・男子軽量級(-70kg)、一回戦で敗退。  まだ4級ですから、試合経験を重ねるうちに実力が付いてくると思います。

③穐山和人(ゼッケン15番)・・・男子軽量級(-70kg)、三回戦で準優勝した小林健人選手に負けましたが、善戦しました。  ウェイトトレーニングによる体づくりと、183cmの長身を活かした戦い方を工夫することが課題です。  

④針山功靖(ゼッケン22番)・・・男子軽量級(-70kg)、二回戦で敗退。  足掛けにこだわって足を抱えることが多く、結果として手数足数が少なくなっているように感じます。

⑤平沢拓巳(ゼッケン28番)・・・男子軽量級(-70kg)、第4位。  準決勝では顔面殴打で減点負けしました。  アグレッシブなのは良いのですが、反面、組手が雑になりがちです。  

⑥平山尚樹(ゼッケン32番)・・・男子軽量級(-70kg)、三回戦で敗退。  心肺機能の高さなど長所もあるのですが、負けた平沢拓巳戦では上段回し蹴りをもらうなど、組手の基本的なことが若干不足しています。

⑦鈴木哉琉(ゼッケン34番)・・・男子軽量級(-70kg)、三回戦で優勝した飯塚翼選手に敗退。  飯塚戦では最初に下段突きの技ありを取ったのですが、不用意な捨て身技を出して、下段突きの技ありを取り返されました。  より一層のパワートレーニングと試合経験を重ねれば、場内を沸かすような選手になる可能性を秘めています。

⑧小木戸瑛斗(ゼッケン44番)・・・男子中量級(-80kg)、三回戦で優勝した大秦稜司選手に敗退。  8kgの体格差が敗因でした。  ウェイトトレーニングによる体づくりが課題です。  

⑨奥寺勇輝(ゼッケン56番)・・・男子中量級(-80kg)、準優勝。  下段回し蹴りと下段突きの合わせ一本負けです。  スネ受けの徹底と、不用意な捨て身技を少なくすることが必要です。

⑩岡部慎太郎(ゼッケン74番)・・・男子重量級(+90kg)、ベスト4(参加人数が7人だったので入賞は第3位まででした)。  4月の全日本大会で使ったコンパクトな下段蹴りの連打と威力ある左鎖骨打ちが見られませんでした。  一方、スネ受けの甘さが目につきました。

⑪小木戸琉奈(ゼッケン78番)・・・女子軽量級(-50kg)、優勝。  雄大同様、圧勝でした。  顔面殴打による反則が見られたので、組手が雑にならないように注意しなければいけません。  

⑫八幡華菜(ゼッケン89番)・・・女子軽量級(+50kg)、準優勝。  一昨年の全日本大会で負けた鵜沢菜南選手への雪辱はなりませんでした。  11kgの体格差が敗因です。  雄大同様、ウェイトトレーニングによる体づくりと、体格差がある選手にも通じるようなヒット&アウェイの技術を身につけることが課題です。


2.より良い空手競技を目指して試合ルールの改定・微調整が常に行われています。  その中で出場する選手はその都度新ルールに適応していきます。  そのいい例が、あれだけ足掛けの上手だったコバレンコ選手ですら足掛け下段突きの技ありが取れなくなったことです。
 
上の④針山で書いた「足掛けにこだわるな」、⑦鈴木⑨奥寺で書いた「不用意な捨て身技を少なくする」というのは、選手のルール適応・技術進歩の速さからすれば当然の指摘だと思います。

またチーム城西としては、その上を行く技術革新・創意工夫が常に必要だな、と感じさせられる大会でした。

選手・セコンド・応援の皆さんお疲れ様でした。

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