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2021年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2022年01月

本棚の整理・10年目

1.2012年から、毎年最終回のブログのタイトルは「本棚の整理」とし、その年に購入した本を紹介しています。  私にとってのメリットは2点あります。

①保管スペースの関係で、ブログで紹介したものを除きほとんど処分しますが、購入して読んだ本を「ブログ内検索」で検索できる。  結果、「同じ本の二度買い」も防げる※。

②ブログで紹介した本には、ブログの日付を書いてあるので、後日その内容の一部をブログで読むことができる。

今年購入した本は3.で紹介します。

※今年、一冊だけ過去に買った本を買ってしまいました。  前回買ったのは2007年です。  「本棚の整理」を書き始める前なので、チェックできませんでした 笑


2.今年も大変お世話になりました。  

新型コロナの影響で、今年はウェイト制大会が2年連続の中止、全日本大会が来年に延期でした。  来年は4月・11月と全日本大会が二度開催されます。

チーム城西は4月の第53回全日本大会に向けて、稽古をスタートさせました。  私の選手稽古は明日の大晦日が今年の最終回です。

2022年が皆さんにとって、素晴らしい一年となりますよう、心からお祈り申し上げます。  良いお年をお迎えください。


3.2021年購入リスト
・『「心の力」の鍛え方』(大野裕 岩崎学術出版社)・・・1月10日ブログ
・『東郷平八郎』(下村寅太郎 講談社学術文庫)
・『妻の死、うつ病、それから・・・やまない雨はない』(倉嶋厚 文春文庫)
・『愛する人の死、そして癒されるまで・・・妻に先立たれた心理学者の“悲嘆”と“癒し”』(相川充 大和出版)
・『スマホ脳』(アンデシュ・ハンセン 新潮新書)・・・1月31日・3月7日ブログ
・『兜町の風雲児~中江滋樹 最後の告白』(比嘉満広 新潮新書)
・『談志のはなし』(立川キウイ 新潮新書)・・・11月14日ブログ
・『地雷を踏むな』(田中優介 新潮新書)
・『明石家さんまヒストリー1』(エムカク 新潮社)
・『憂行日記』(北杜夫 新潮社)
・『1日誰とも話さなくても大丈夫 精神科医がやっている猫みたいに楽に生きる5つのステップ』(鹿目将 双葉社)
・『陰謀の日本近現代史』(保阪正康 朝日新書)
・『老いる意味』(森村誠一 中公新書ラクレ)
・『わが人生記』(渡邉恒雄 中公新書ラクレ)
・『在宅ひとり死のススメ』(上野千鶴子 文春新書)
・『東大生と語り尽くした6時間』(立花隆 文春新書)
・『財界人物我観』(福沢桃介 経済人叢書)・・・2月27日ブログ
・『花粉症と人類』(小塩海平 岩波新書)
・『メジャーリーグに学ぶ 超一流だけが持っている成功思考』(タック川本 産業編集センター)
・『経験 この10年くらいのこと』(上田晋也 ポプラ社)
・『痛み、かゆみ、便秘に悩んだらオシリを洗うのはやめなさい』(佐々木みのり あさ出版)
・『読書と人生』(寺田寅彦 角川ソフィア文庫)・・・11月22日ブログ
・『巨影』(石井悠子 サイゾー)
・『反省記』(西和彦 ダイヤモンド社)
・『スタンフォードの権力のレッスン』(デボラ・グルーンフェルド ダイヤモンド社)
・『すばらしい人体』(山本健人 ダイヤモンド社)
・『不老長寿メソッド』(鈴木祐 かんき出版)・・・3月日28ブログ
・『白髪は防げる!』(辻敦哉 かんき出版)
・『なぜ、倒産寸前の水道屋がタピオカブームを仕掛け、アパレルでも売れたのか?』(関谷有三 フォレスト出版)
・『男は見た目が9割』(堀江義明 アスコム)
・『常識がくつがえる 若返り革命』(了徳寺健二 アスコム)
・『名人を獲る 評伝 米長邦雄』(田丸昇 国書刊行会)・・・4月24日ブログ
・『おふくろ塾天才教師』(米長花子 プレイブックス)・・・5月2日ブログ
・『神仙道と植芝盛平』(清水豊 ビイング・ネット・プレス)
・『遺伝子のスイッチ』(生田哲 東洋経済新報社)
・『精神科医が見つけた3つの幸福』(樺沢紫苑 飛鳥新社)・・・4月17日ブログ
・『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』(大橋しん 飛鳥新社)
・『なぜロジカルな人はメンタルが強いのか?』(小林剛 飛鳥新社)・・・10月24日ブログ
・『六十代と七十代 心と体の整え方』(和田秀樹 バジリコ)
・『完落ち』(赤石普一郎 文藝春秋)
・『ポップス歌手の耐えられない軽さ』(桑田佳祐 文藝春秋)
・『100兆円の巨大市場、激変 プロップテックの衝撃』(桜井駿 日経BP)
・『2000年前からローマの哲人は知っていた 幸せに年を重ねる方法』(キケロ 文響社)
・『長生き1分片足立ち』(伊賀瀬道也 文響社)
・『努力はいらない! 「夢」実現脳の作り方』(苫米地英人 マキノ出版)
・『武術に学ぶ 一瞬で自分を変える技術』(苫米地英人 ビジネス社)
・『医者いらず、老いしらず 人生100年時代の新・健康常識』(三石巌 祥伝社黄金文庫)
・『斎藤一人 男を上げる女 女を上げる男』(斎藤一人・舛岡はなゑ ぴあ)
・『勇気ある挑戦・・・小さな巨人 大沢昇伝』(松永倫直 スポーツライフ社)・・・5月16日ブログ
・『あるヤクザの生涯 安藤昇伝』(石原慎太郎 幻冬舎)
・『スピリチュアルズ「わたし」の謎』(橘玲 幻冬舎)・・・8月8日ブログ
・『花と銃弾 安藤組幹部 西原健吾がいた・・・』(向谷匡史 青志社)
・『許永中独占インタビュー「血と闇と私」』(許永中 青志社)
・『中国武術で驚異のカラダ革命』(立風書房)
・『中国武術で驚異のカラダ革命②』(学研)
・『喰うか喰われるか 私の山口組体験』(溝口敦 講談社)
・『闇の盾』(寺尾文孝 講談社)
・『永田町動物園』(亀井静香 講談社)
・『心の絶対法則 なぜ「思考」が病気をつくり出すのか?』(内海聡 ユサブル)
・『ロジカル筋トレ』(清水忍 幻冬舎新書)・・・6月26日ブログ
・『「うつ」の効用 生まれ直しの哲学』(泉谷閑示 幻冬舎新書)・・・8月22日ブログ
・『したたかでいい加減な生き物たち』(池田清彦 さくら舎)
・『安藤昇 侠気と弾丸の全生涯』(大下英治 さくら舎)・・・8月29日ブログ
・『最良の身体を取り戻す』(山口剛 さくら舎)・・・11月6日ブログ
・『近くて遠いこの身体』(平尾剛 ミシマ社)・・・6月12日ブログ
・『あしあと ちばてつや追想短編集』(ちばてつや 小学館)
・『ひねもすのたり日記(第4集)』(ちばてつや 小学館)
・『保身 積水ハウス、クーデターの深層』(藤岡雅 角川書店)
・『昭和の将帥』(高宮太平 国書出版社)
・『老いの福袋』(樋口恵子 中央公論新社)
・『立花隆  最後に語り伝えたいこと』(立花隆 中央公論新社)・・・10月9日ブログ
・『大暴落!』(澤上篤人 明日香出版)
・『社長の鬼100則』(大坂靖彦 明日香出版社)
・『コンプレックス・リベンジ』(鴨頭嘉人 アートデイズ)
・『養老先生、病院へ行く』(養老孟司 エクスナレッジ)
・『終活なんか、するもんか』(みのもんた 朝日出版社)
・『気功法』(星野稔 日貿出版社)
・『「通天貫地」功法』(林中鵬  KKロングセラーズ)
・『不機嫌のトリセツ』(黒川伊保子 河出新書)
・『昭和16年夏の敗戦』(猪瀬直樹 中公文庫)
・『昭和23年冬の暗号』(猪瀬直樹 中公文庫)
・『組織の不条理』(菊澤研宗 中公文庫)・・・10月3日ブログ
・『白鵬の脳内理論』(大庭大業 ベースボールマガジン社)・・・8月15日ブログ
・『気功と中国武術』(上野彰 ベースボールマガジン社)
・『形意拳に学ぶ 最速!内部エネルギー発生法』(スコット・メレディス BABジャパン)
・『「動き」の天才になる!』(JIDAI BABジャパン)・・・9月5日ブログ
・『「悪」の進化論』(佐藤優 集英社インターナショナル)
・『生物学的に、しょうがない!』(石川幹人 サンマーク出版)
・『ランニング王国を生きる』(マイケル・クローリー 青土社)・・・12月10日ブログ
・『脳を鍛えるには運動しかない』(レイティ・ジョンJ NHK出版)・・・9月26日ブログ
・『ショケンと優作、そして裕次郎「太陽にほえろ!」レジェンドの素顔』(岡田晋吉 KADOKAWA)
・『解きたくなる数学』(佐藤雅彦 岩波書店)
・『吉田茂の自問』(小倉和夫 藤原書店)
・『「利他」とは何か』(伊藤亜紗 集英社新書)・・・10月31日ブログ
・『修羅の花』(生島マリカ 彩図社)
・『東大生が学んでいる一生役立つ「株」の教科書』(伊藤潤一 SBクリエイティブ)
・『この国のかたちを見つめなおす』(加藤陽子 毎日新聞出版)
・『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』(小林弘幸 日本文芸社)
・『70歳が老化の分かれ道』(和田秀樹 詩想社新書)
・『頼朝と義時』(御座勇一 講談社現代新書)
・『ホルモンを活かせば、一生老化しない』(根来秀行 PHP研究所)
・『運命の謎 小島信夫と私』(三浦清宏 水声社)
・『幽霊にさらわれて』(三浦清宏 南雲堂)
・『原宿ブルースカイヘブン』(遠藤夏輝 双葉文庫)
・『マル暴』(桜井裕一 小学館新書)

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2021全国強化選手錬成試合

1.12月26日に2021全国強化選手錬成試合が行われ、城西から五名の選手が参加しました。  結果と今後の課題を書いてみます。

①八幡華菜(女子S・A・Bクラス無差別・・・優勝)
安定した試合運びでした。  突き・蹴りのバランスも良く、参加選手中・最軽量でしたが、力強さも感じました。  
相手と密着した際に、その場に居着くので「両者抱え込み」の注意を取られました。  あの場面は、「押す」か「突く」かして、素早く膠着状態から逃れるべきです。
何箇所か、さらに攻撃を連続させるべき部分で自ら引いてしまう局面がありました。  試合を作るという点ではもったいなかったと思います。  
今回は最軽量ながら優勝しましたが、無差別の世界大会を考えた場合、食事とウェイトトレーニングによる体重増は必須です。

②奥寺勇輝(男子S・A・Bクラス-80㎏・・・優勝)
準決勝の第1ラウンドで上段横蹴りの一本を取られましたが、3ラウンド制というルールに救われました。
奥寺の当て勘の良さが随所に見られました。  また、体重が増えたせいか、今まであまり感じられなかった「突きの強さ」が見られました。  
74㎏まで増えましたが、無差別の全日本大会優勝を目指すなら、華菜同様、食事とウェイトトレーニングによるさらなる体重増は必須です。  

③石崎恋之介(男子S・A・Bクラス+80㎏・・・準優勝)
決勝でコンスタンティン・コバレンコ選手に2ラウンド先取され優勢負けしました。  第1ラウンドでは副審(二人)の旗が1本上がるなど、ほとんど差はありませんでした。  第2ラウンドは体格とスタミナで押し切られた印象です。
全体を通して、体勢が崩れることなく、鎖骨打ちと内また蹴りが効果的でした。
試合後本人には、次はコバレンコに勝つことだけを考えて創意工夫・精進するよう伝えました。

④岡部慎太郎(男子S・A・Bクラス+80㎏・・・初戦で久保英和選手に2対1で優勢負け)
第1ラウンドは判定勝ちしましたが、第2・3ラウンドを取られてしまいました。  本人によると「スタミナ配分を間違えた」とのことでしたが、2分3ラウンドであればずっと打ち続けるぐらいのスタミナはトップ選手の必要条件です。  今後のスタミナ稽古の追い込みに期待します。  スタミナ稽古というのは、本人がどこまで追い込んでいるかどうかで、効果はまるで違うものです。
11月末の関東大会後に「攻撃の際の腰の高さ」を指摘しましたが、改善されつつあるようです。

⑤佐藤拓海(男子S・A・Bクラス+80㎏・・・初戦で兼久啓太郎選手に2対1で優勢負け)
第1ラウンドで右上段回し蹴りで技ありを取られ、第2ラウンドは優勢勝ちしましたが、第3ラウンドで攻勢を続けられず優勢負けです。  
慎太郎同様、スタミナ不足との印象を持ちました。  自分より大きな外国人選手との戦いを考えたとき、スタミナ稽古とパワートレーニングの重要性は明らかです。

2.今年はウェイト制大会も全日本大会もコロナ禍で中止・延期になりました。  その中での錬成試合は、選手にとっても私たち指導者にとっても、今年1年間で何が伸びていて何が足りていないかという課題が明確になる有意義な試合でした。

加賀健弘は今回肋骨の負傷で参加できずにセコンドに回りましたが、それはそれで自分自身の組手にとってよい勉強になったと思います。  本部席で加賀のセコンド指示を聞いていましたが、中々的確でした。 

来年4月の全日本大会に向けて、今回得られた「高いモチベーション」と「選手それぞれの課題」を持って、年末年始の選手稽古を皮切りに稽古に励んでいきましょう。

  
  

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小嶺忠敏監督

高校サッカーの名指導者、小嶺忠敏監督(76)に関するインタビュー記事が12月18日の朝日新聞夕刊に出ていました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①年末年始恒例の全国高校サッカー選手権が第100回大会を迎える。  戦後最多タイとなる6度の優勝を誇り、半世紀を超えていまも指導現場に立つ小嶺忠敏さんに尋ねた。

②28日に開幕する全国選手権の舞台に、2年ぶりに戻ってくる。  長崎総科大付高で指導を始めて4年後の2012年に初出場すると、以降10年で8回目の出場と瞬く間に常連校に仕立て上げた。  

③今年のチームの特徴を問うと、「特徴のないのが特徴かな」とけむに巻いた。  「今年はいいぞと思ってもころっと負けたり、大したことないからベスト8ぐらいかと思っていたチームが優勝したり。  三流でも優勝するチャンスもあるよ、と選手にはいつもいっている。   勝負の世界は本当にわからないものなんです」

④前任の国見高時代は1986年から21回連続出場。  初出場で準優勝し、翌87年度に優勝している。  国見高時代の21年間で優勝は6度、準優勝3度。  ベスト4を逃したのは9大会しかない。

⑤そのなかから、J1最多得点の大久保嘉人(J1セ大阪、今季で引退)、三浦淳寛(J1神戸監督)ら日本代表や個性的な選手が生まれた。

⑥「全国選手権は選手をうまくする場所。  国立競技場でシュートを1本打つと、外れてもウォーというどよめきや歓声が起こって、選手はうまくなったと錯覚する。  チームが成長して、花がぱっと開く瞬間を見るのは感無量です」

⑦いまも選手寮に泊まり込み、欠かさず早朝練習に立ち会う。  選手たちが成長する姿こそ、76歳を指導現場に駆り立てる。

⑧新任教員として母校の島原商高に赴任したのは68年。  日本一のチームをつくるという夢を追うため、走り込みを中心に過酷な練習に徹したころもあった。

⑨初心者も多いなかで、個性を見極め、長所や人間性を磨きあげることを考えていた。  行き着いたのは、走力や1対1の局面で勝つこと、そして、ゴールに直線的に向かうスタイルだ。  (中略)

⑩国見高時代の教え子であり、現在、国見高監督を務める木藤(きふじ)健太さん(40)は「走ることや球際の大切さなど、世界との差としていま指摘されているものはすべて国見のサッカーにあった。  練習は厳しかったが、負荷のかけ方やメニューの組み方など理にかなっていた。  小嶺先生は勝負師であり、戦略家だった」という。

⑪小嶺監督自身は「追求してきたサッカーへの思いはさらに強くなっている。  世界のサッカーを見れば、日本はまだまだ甘い」と喝破するのだ。  時代の変化とともに、もちろん、自身の指導方法も変わってきた。 (中略)

⑫高校サッカーの指導現場にも映像分析が入り、最新のシステム論など指導理論が持ち込まれている。

⑬「それでも、指導の基本は変わりません。  選手の長所と短所を見極めて、どこを生かして伸ばしていくのか。  チームとしてどう組み合わせていくのか。  いまでも夜も眠れずに考えます。  ややもすると、指導者は情報や理論に惑わされてしまいがち。  いまは表面的な評論家が多い気がします。

⑭でも、子どもたちは大人をよーく見ている。  時間を守れという指導者が朝練に遅刻してくる。  そんな人間が信頼されますか。  大人もやり抜く覚悟が必要です。  54年間、私は朝練に遅刻したことは一度もありません」

⑮12月初めにインタビューに訪ねた長崎は冷え込んでいた。  久しぶりに会った小嶺監督はすっかり細くなっていたが、島原半島の小さな町から日本一をめざして愛称のダンプそのままに切り開いた情熱は健在だった。  聞いてみた。  サッカー指導はいつまで続けるつもりですか。

⑯「父は私が生まれる3カ月前に37歳で戦死した。  その分、生かしてもらっている。  教育と指導は生涯やるつもり。  『あのひとは死ぬまで全力でやった』と生徒たちが思う指導者でいたい。  目の前に、小嶺のもとでと集まってくる選手がおります。  彼らを放り出してやめるわけにはいきませんね」』

「『あのひとは死ぬまで全力でやった』と生徒たちが思う指導者でいたい。」という言葉にしびれました。



 

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ランニング王国を生きる 

『ランニング王国を生きる』(マイケル・クローリー著 青土社)を読みました。  フルマラソンを2時間20分で走るエジンバラ大学(イギリス)の文化人類学の准教授が、2015年から2016年にかけて15ヵ月にわたり、エチオピアのランナー達とトレーニングを共にしたフィールドワークの記録です。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.第一章「特別な空気」より
①標高3500メートルの芝生に座った(コーチの)メセレットが言った。  「(エチオピアの首都)アディスアベバには少なくとも5000人のランナーがいる。  (中略)  今朝君が見ている数百人のランナーのうち、成功するのは両手で数えられるくらいしかいない」。

②「誰が成功するかは、どうやって見分ける?」と尋ねると、「成功するのは、足を動かす前に、目で見て、頭で考えるランナーだ。  感情だけで走るものは成功しない」という思いがけない答えが返ってきて、ふいを突かれた。

③「努力」とか「110%の力で走る」とかいう、よくあるランニングの決まり文句が返ってくると思っていたからだ。


2.第二章「民族楽器の演奏家になっていたかもしれない」より
①「一人で練習するのは健康のために走る人がやることさ」と(ランナー仲間の)ティラフンは答えた。  「自分を変えるためには、誰かと一緒に走らなきゃダメだ。  自分のペースじゃなく、相手のペースに合わせて走るんだ。」  (中略)

②「いろんなところで走ったほうがいいよ。  場所を変えれば、学べることは多い。」  ランナーとして成功するには、アディスアベバのさまざまな場所で練習し、それぞれの空気の状態に適応し、多様な路面や勾配を最大限に利用すべきだ、とつけ加えた。

③「陸上競技は誰かと一緒に練習するものだよ」とティラフンは繰り返し、「環境も利用しなきゃいけない。  起伏のある場所を走らなければならないんだ」と坂を振り返りながら言った。  「君がこの国に留まり、僕たちと一緒にアディスアベバ近郊のいろんな場所で練習すれば、きっと成功する」。


3.第十四章「走ることは生きること」より
①私は、練習の帰りに(チームバスの)運転手のビハヌがバスを止めてバーに寄り、一人ひとりが走ることにかける思いを語ったあの日のことをよく覚えている。  そのときランナーたちは、お金ではなく、ランニングに打ち込む日々の価値について語っていた。

②目指すべき目標を持ち、共に「人生を変える」ことを目指す仲間がいて、健康や活気を第一に考えて生活することに価値があるのだ、と。

③ランナーたちは「人生を変える」ために毎回のランニングを違ったものにしようとし、冒険を求め、練習場所に特別な意味を与えていた。  それは走ることに集中し、日々を刺激的で、楽しいものにするための方法でもあった。

④集団のエネルギーが個人のエネルギーの総和よりも大きくなるように、人生をかけて競技に打ち込む夥しい数のランナーがいるからこそ、エチオピアのランニング界は驚異的な力を持つトップ選手を擁することができるのだろう。  

⑤世界トップレベルのランニングは、計画や規律だけでなく、互いの足を追いかけ、手本を示し、実験しながら学ぶランナーたちの好奇心や冒険心によっても支えられているのだ。』 

1.②の「成功するのは、足を動かす前に、目で見て、頭で考えるランナーだ」と、3.②の「目指すべき目標を持ち、共に「人生を変える」ことを目指す仲間がいて、健康や活気を第一に考えて生活することに価値があるのだ」は、私がいつも考えていることと同じです。

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