2021.06.26 Sat
地面反力を使う
1.『ロジカル筋トレ』(清水忍著 幻冬舎新書)を読みました。 『バーベルを上げるときは「地面から力をもらう」』の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。
『①「地面反力」というのは、地面を強く蹴ったり押し込んだりしたときの反動として「地面からもらい受ける力」のことを指す。 たとえば、スクワットは地面への踏み込み能力を向上させるためのトレーニングと私は考えているのだが、バーベルを持ってのスクワットで体を上げていくときに「もっと地面反力を使って上げろ!」と言ったりする。
②しっかりと地面反力をもらうには、しっかりと立って地面を強く踏み込まなくてはならない。 そのため、私は、体重70キロの人が100キロのバーベルを上げる場合、「100キロのバーベルを上げようとするよりも、自分の体重とバーベルの重量を足した170キロで地面を押し込め」といった指導をする。
③この感覚がつかめてくると、人は自然に「いちばん強く地面を押せるポジション」をとってスクワットするようになる。 また、フォームもおのずと整ってきて、「地面を強く押せる理に適ったフォーム」をとるようになっていく。 そうすると、170キロの力強さで地面をしっかりと押し込み、その地面反力を使って100キロのバーベルを上げられるようになっていくのである。
④このように、人は「地面をしっかりと押すこと」を意識していると、あれこれ教えられなくても本能的に合理的な動作をとるようになっていくものなのだ。 もちろんスクワットに限った話ではない。 他の筋トレメニューでも「足腰で地面を力強く押すこと」を意識していると、押すためのフォームがピシッと固まって、合理的かつ効率のいいトレーニングができるようになっていく。
⑤さらに、日々足腰で地面を踏み込むトレーニングを積んでいると、日常動作にも好影響が現れるようになる。 例を挙げれば、床から重い荷物を持ち上げる際、足で地面を踏み込むことによってスムーズに持ち上げられるようになったり、電車通勤の際、足を踏み込んで立っているために大きく揺れても体がグラつかなくなったり・・・・・・。 なかには、普段から地面を押すのを意識しながら歩いたり走ったりしていたら、いつの間にか足が速くなっていたという人もいる。
⑥おそらく、地面を押し込み、地面から力をもらうということは、人間が合理的な動作をするためのいちばんの基本なのだろう。 逆に言えば、わたしたち人間は「足腰で地面を押す」を習慣にすることによってこそ、合理的で効率のいい身体動作を取り戻していくことができるのではないだろうか。』
2.1.④の「他の筋トレメニュー」に関し、他の章で、ベンチプレスについて次のように書かれています。
『私がアスリートを指導するときには、よく「ベンチプレスは肩甲骨の『地面反力』を使え」という言い方をしている。 「肩甲骨の地面反力」を使ってベンチプレスを行なうと、大胸筋だけでなく上腕三頭筋・三角筋前部など複数の筋肉が最適なタイミングで使われ、それらの筋肉の連動性や力の伝達力を合理的に高めていくことができるのだ。』
3.「地面反力」については、意拳の創始者である王薌齋先生も言及されています。 孫立先生が書かれた『王薌齋伝』(ベースボールマガジン社)から抜粋し、番号を付けて紹介します。
『①練習にさいしては、また人体の外力と内部の動きのあいだにある対立と統一の法則を巧みに運用しなければならない。
②人体の外力には四種類ある。 ひとつは人体の力、つまり重力で、位置エネルギーが運動エネルギーに転化することで、「地球の中心と争う力」になる。
③地面が支える力とそれに対する反作用の力は、いわゆる「地面から離れて飛び立つ」力である。』
『①「地面反力」というのは、地面を強く蹴ったり押し込んだりしたときの反動として「地面からもらい受ける力」のことを指す。 たとえば、スクワットは地面への踏み込み能力を向上させるためのトレーニングと私は考えているのだが、バーベルを持ってのスクワットで体を上げていくときに「もっと地面反力を使って上げろ!」と言ったりする。
②しっかりと地面反力をもらうには、しっかりと立って地面を強く踏み込まなくてはならない。 そのため、私は、体重70キロの人が100キロのバーベルを上げる場合、「100キロのバーベルを上げようとするよりも、自分の体重とバーベルの重量を足した170キロで地面を押し込め」といった指導をする。
③この感覚がつかめてくると、人は自然に「いちばん強く地面を押せるポジション」をとってスクワットするようになる。 また、フォームもおのずと整ってきて、「地面を強く押せる理に適ったフォーム」をとるようになっていく。 そうすると、170キロの力強さで地面をしっかりと押し込み、その地面反力を使って100キロのバーベルを上げられるようになっていくのである。
④このように、人は「地面をしっかりと押すこと」を意識していると、あれこれ教えられなくても本能的に合理的な動作をとるようになっていくものなのだ。 もちろんスクワットに限った話ではない。 他の筋トレメニューでも「足腰で地面を力強く押すこと」を意識していると、押すためのフォームがピシッと固まって、合理的かつ効率のいいトレーニングができるようになっていく。
⑤さらに、日々足腰で地面を踏み込むトレーニングを積んでいると、日常動作にも好影響が現れるようになる。 例を挙げれば、床から重い荷物を持ち上げる際、足で地面を踏み込むことによってスムーズに持ち上げられるようになったり、電車通勤の際、足を踏み込んで立っているために大きく揺れても体がグラつかなくなったり・・・・・・。 なかには、普段から地面を押すのを意識しながら歩いたり走ったりしていたら、いつの間にか足が速くなっていたという人もいる。
⑥おそらく、地面を押し込み、地面から力をもらうということは、人間が合理的な動作をするためのいちばんの基本なのだろう。 逆に言えば、わたしたち人間は「足腰で地面を押す」を習慣にすることによってこそ、合理的で効率のいい身体動作を取り戻していくことができるのではないだろうか。』
2.1.④の「他の筋トレメニュー」に関し、他の章で、ベンチプレスについて次のように書かれています。
『私がアスリートを指導するときには、よく「ベンチプレスは肩甲骨の『地面反力』を使え」という言い方をしている。 「肩甲骨の地面反力」を使ってベンチプレスを行なうと、大胸筋だけでなく上腕三頭筋・三角筋前部など複数の筋肉が最適なタイミングで使われ、それらの筋肉の連動性や力の伝達力を合理的に高めていくことができるのだ。』
3.「地面反力」については、意拳の創始者である王薌齋先生も言及されています。 孫立先生が書かれた『王薌齋伝』(ベースボールマガジン社)から抜粋し、番号を付けて紹介します。
『①練習にさいしては、また人体の外力と内部の動きのあいだにある対立と統一の法則を巧みに運用しなければならない。
②人体の外力には四種類ある。 ひとつは人体の力、つまり重力で、位置エネルギーが運動エネルギーに転化することで、「地球の中心と争う力」になる。
③地面が支える力とそれに対する反作用の力は、いわゆる「地面から離れて飛び立つ」力である。』