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2020年12月 | ARCHIVE-SELECT | 2021年02月

スマホ脳

菊澤院長から紹介された『スマホ脳』(アンデシュ・ハンセン著 新潮社)を読みました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.(表紙カバーの記述より)

平均で1日4時間、若者の2割は7時間も使うスマホ。  だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。  なぜか?  睡眠障害、うつ、記憶力・集中力・学力の低下、依存・・・・・・最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。


2.(「第7章 バカになっていく子どもたち」より)

①10~17歳で精神病院にかかったり、向精神薬をもらったりしたことのある若者の割合はここ10年で倍になった、という統計を報告書で読んだ。  最も増加したのは強い不安とうつで、いちばんの被害者は若い女性だ。  

②(著者の出身地)ストックホルムでは、13~24歳の女性の10人に1人以上が公営の精神科にかかっている。  (中略)  米国でも、うつの診断を受けたティーンエージャーは7年で6割増えた。  (中略)

③2011年に、米国の若者は以前より孤独を感じるようになり、アルコールの量も減り、運転免許を取ることにも関心がなくなった。  同じ年にiPhoneが高級なガジェット(携帯用の電子機器)から、年間売り上げ1億2000万台を超える存在になった。  

④この年だけで2007~2010年と同じ台数が売れたのだ。  また、スマホからつながるインターネットが本格的に普及し、突如として若者のほとんどがスマホを手にするようになった。


3.(巻末「子供と若者へのアドバイス」より)

(1)教室でスマホは禁止!・・・でないと学習能力が低下する。

(2)スクリーンタイムを制限し、代わりに別のことをしよう・・・①1日のスクリーンタイムは何分までならいいのか、分単位で推奨するのは難しいが、どうしても具体的な数字が欲しいなら、大人も子供も仕事や勉強以外でスマホ他のスクリーンに費やしていいのは最長で2時間だ。  それでも睡眠、食事、職場や学校への移動時間を除けば、起きている時間の6分の1を費やしていることになる。  

②8歳未満の子どもなら1時間が限度だ。   

③私がいちばんいいと思うのは、別のことをする時間を設けること。  宿題をする、運動をする、友達に会うなど、それに集中する時間を決めよう。

(3)よい手本になろう・・・私たちは相手を真似ることで学ぶ。  子供は大人がしているようにする。  大人に「しなさい」と言われたようにではなく。』

3.(2)③のためには、極真空手は最適です。  十分な運動ができますし、友達にも会えます。  稽古中のスマホは当然禁止です(笑)

「スマホによる脳過労」については、昨年3月8日のブログでも取り上げました。  その中で、東北大学・川島隆太教授の次のようなコメントを紹介しています。

「子どもたちの記憶の能力自体にマイナスの影響が出ていると予測されます。  極端な話ですけれども、法律によって18歳まではスマートフォンを1時間以上使ってはいけないと、強制的におさえてあげる方が、未来にとっては幸せであろうと考えます。」

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明るい空気

『現代組織に活かす 海軍の「士官心得」』(上村嵐著 プレジデント社)を読みました。  「明るい空気を漂わせろ!」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①仕事に対する考えは人それぞれですが、できればなるべく楽しみながら、明るい雰囲気のもとでしたいものですね。

②楽しみながらとは不謹慎な、というお叱りを受けるかもしれませんが、なにもワイワイおしゃべりしながら仕事をするのではありません。  仕事には辛いこと、苦しいことがたくさんあります。  もし仕事が楽しんでできれば、こうした嫌な思いをしても我慢できるじゃないですか。  (中略)

③「仕事を楽しむ」ためにはいろいろな条件が考えられますが、まず一番なのが明るい雰囲気ではないでしょうか?  どんなに好きな仕事でも、クラ~イ職場ではやってられませんよね。  雰囲気ひとつで、職場はがらっと変わりますからね。

④この雰囲気という目に見えないものは、誰がつくり出すのかというと、やはり人間、しかもその職場のトップでしょう。  これは私の経験からいえるのですが、トップが明るい人だと、その職場も自然と明るく、エネルギッシュなものになります。  ところがトップが代わって陰気な人になりますと、これがあの明るかった職場かと驚くほどに様変わりします。  実にはっきりとしたものですね。  (中略)

⑤私は太平洋戦争が始まる前、潜水艦に乗っていました。  ご存知のように、潜水艦は戦艦などと違って艦自体はとても小さいものです。  ですからチームワークを非常に要求されるのですが、あいにく私は、あまり嬉しくない艦長とここでめぐりあってしまいました。  いま考えますと、けっして人間的に悪い人ではなかったのですが、とにもかくにもコマカイ人でした。  (中略)

⑥この艦長の下、日に日に乗員の士気は衰え、艦長の指示も形だけ守られるというような、最悪の雰囲気になっていきました。  ですから、この艦長の下から離れて転勤したときは、嬉しかったですねえ。  セイセイしましたよ。

⑦人の上に立つべき人は、せめて明るい職場にすることだけでも心がけてほしいものです。  明るければ、とりあえず救いがありますからね。』

支部内の常設道場の壁には、次のような「城西のチームカルチャー」を掲示しています。

「①どこよりも創意工夫する

②どこよりも練習する

③どこよりも楽しんでやる」

「世界中で一番きつい稽古を、世界中で一番楽しんでやる」というのが私の究極の理想です。

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城西の2トップ

1.『ワールド空手』2021年1月号に、第52回全日本大会に関する木山仁師範のインタビュー記事が載っていました。  インタビュアーの石塚隆さんの質問の中に「(優勝した)コバレンコ選手には城西の2トップである加賀選手と石崎選手が挑みました。」というのがあります。

昨日の朝練で二人に話したら気づいてなかったので、今朝、写メを送りました。


2.以下は、過去の大会での「城西の2トップ」です。

①第15回全日本大会・・・優勝・大西靖人、準優勝・小笠原和彦

②第17回全日本大会・・・準優勝・黒澤浩樹、3位・増田章

③第5回全世界大会・・・準優勝・増田章、3位・黒澤浩樹

④第24回全日本大会・・・優勝・田村悦宏、3位・岡本徹

⑤第25回全日本大会・・・準優勝・田村悦宏、3位・岡本徹

⑥第26回全日本大会・・・3位・市村直樹、4位岡本徹

⑦第46回全日本大会・・・3位・森善十朗、4位鎌田翔平


3.すべての記録を見ると、過去に準決勝に勝ち上がった選手が9人。  優勝者が5人、準優勝者が2人、3位入賞者が2人で、今回の恋之介(4位)は10人目の選手となります。

でも、決勝戦での同門対決は15回大会の大西・小笠原戦が最初で最後です。

いつかまた、そんな試合が観たいものですね。


4.本人たちからの返信メールの一部です。

加賀・・・「城西の2トップとして、自覚をもって今年の全日本大会では優勝を掴みに行きます。」

石崎・・・「城西の2トップの名に恥じないよう気合い入れて頑張ります。」

頼むよ~(笑)

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心のアラーム

『「心の力」の鍛え方』(大野裕著 岩崎学術出版社)を読みました。  副題は「精神科医が武道から学んだ人生のコツ」です。  著者は慶應義塾大学医学部在学中に体育会空手部に所属していたそうです。

「心の不調が持つ大切な意味」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①精神的な不調というと、自分には関係ないと考える人が少なくありません。  精神的に弱い人間や甘えの強い人間がそのような状態になると考えている人もいます。  しかし、必ずしもそうした人ばかりではなく、自分はストレスに強いと考えている人も、些細なきっかけで精神的な不調を体験することがあります。

②人間というのは精密機械以上に繊細な存在です。  私は「心の当たり所が悪い」と表現していますが、苦手なストレスに出会うと、それが些細なものでも精神的なバランスが大きく崩れることがあります。  ですから、多くの人が精神的な不調を体験することになるのです。  (中略)

③このように昔から精神的な不調を体験する人がいて、今でも多くの人が不調を体験しているということは大きな問題です。  しかし、その一方で、それだけ多くの人が精神的な不調を体験するということは、不調それ自体に大切な意味があるからです。

④それは、心のアラーム(警報器)として自分を守る役割です。  精神的な不調を体験するのは、困った問題、つまり自分にとって苦手なストレスが存在しているときです。  

⑤逆の見方をすると、ストレスを感じて精神的な不調を体験するときには、困った問題がどこかに存在している可能性があります。  そのことを知らせるという意味で、精神的な不調は、私たちの心のアラームの役割を果たしているのです。

⑥そのアラームが鳴っているときに、「自分は簡単に弱音を吐くような人間ではない」と考えたり、「ストレスに負けないで、もっと頑張らないと」と考えたりするのは、せっかく鳴っているアラームを切ってしまうことになります。  その結果、ますます問題が大きくなって、取り返しがつかなくなってしまうことにもなりかねません。

⑦そうした事態を避けるためには、アラームが鳴っているときに立ち止まる勇気を持つことです。  そのようにして、問題にきちんと向き合うのです。  そうすれば、自分のなかに隠れている想像以上の力を生かすこともできるようになります。

⑧そのことを伝えるために多くの武道書が書かれています。  そして、現代でも武道の鍛錬をすることでそうした心の力を身につけられるようになります。』

昨年出版した『武道気功』という本の中で、私自身が過去に体験した精神的な不調について書きました。  

「風邪は万病の元」といいますが、風邪は体からのアラームとして自分を守る役割を持っていると思います。

同様に、精神的な不調は、私たちの心のアラームの役割を持っているんですね。

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彼らに恥をかかせるようなことはしません

新年明けまして、おめでとうございます。  

アメリカで陸軍大将・統合参謀本部議長・国務長官を歴任したコリン・パウエルさんが書かれた『リーダーを目指す人の心得』(飛鳥新社)を読みました。  「部下に尊敬されようとするな、まず部下を尊敬せよ」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①1970年代の経験をひとつ紹介しよう。  第101空挺師団第2旅団の指揮官としてケンタッキー州フォートキャンベルに赴任して1年ほどがたったある夜、私は居宅へ車で戻る途中、ゲートに向けて道を歩いている兵士をみかけた。  (中略)

②私は車を止め、乗らないかと声をかけた。  「ずいぶんと遅いね。  なにかあったのかい?」  車を運転しながらたずねてみた  「もうすぐ監察官の査察があるので、その準備で仲間と忙しくしております」

③ふと、こちらを見ると、彼はこうたずねてきた。  「すみません、どちら様でしょうか」  「君が所属する旅団の指揮官だよ」  私はびっくりしながら答えた。

④「旅団の指揮はどのくらいされているのでしょうか」  「1年だ」  「いい仕事だとお考えですか?」  「ああ、とてもいい仕事だと思うよ」

⑤そうは答えたが、1年も旅団のあちこちに顔を出してきたというのに、私を見てわからない兵士がいるのは問題だ。

⑥査察についてもたずねてみた。  「査察は大丈夫だと思うかい?」  「はい、完璧です。  もう何週間もがんばって準備してきましたし、我々は大尉からも中尉からも少尉からも、軍曹からも、がんばるようにと言われつづけていますから。  この査察はとても大事だと。  上官たちも皆、我々と同じように一生懸命働いています」

⑦最後の一言は忘れられない。  「彼らに恥をかかせるようなことはしません」  これなら、隊の運営に問題ないと思ってよさそうだ。 

⑧旅団の指揮官は私だが、彼にとって家族であり、彼を訓練し、養い、その面倒をみているのは、彼の仲間であり、軍曹であり、すぐ上の上官たちなのだ。  家族的に面倒をみる雰囲気が下から上へと広がり、最後は私が面倒をみてもらうという形になる。  任務の遂行は一番下の現場からスタートするのだ。

⑨このとき、なんといっても印象に残ったのは「彼らに恥をかかせるようなことはしません」という一言だ。  リーダーにとってこれ以上のほめ言葉はない。  最高の成績表だ。  必勝チームが作れたのだから。  お互いのしっかりした信頼と尊敬が基礎となったチームだ。

⑩リーダーがチームメンバーに恥をかかせない限り、メンバーもリーダーに恥をかかせることがない。  任務をきちんと遂行し、上官の面倒をみてくれるのだ。  そのためには、リーダーは、部下の面倒を常にみなければならない。』

私自身、自分の周りの人やお世話になっている人、もちろんチーム城西にも、恥をかかせることがないような一年を送りたいと思います。

2021年もよろしくお願いいたします。



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