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自ら明かりを燈せ

1.昨年8月に47歳の若さで亡くなられた瀧本哲史さんが、2012年6月30日に東大で行った講義録『2020年6月30日にまたここで会おう』(星海社新書)を読みました。  『自ら明かりを燈せ』の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。 

『①ワイマール共和政というのは、第一次世界大戦終戦後にドイツでできた政体ですね。  皇帝が退位したあとに、基本的人権とか社会権も明記したきわめて理想的な憲法がつくられて、素晴らしい民主的な国家ができたんです。

②ところが、理想だけは素晴らしいのに内実はボロボロで、政党はまとまらないし国としてもダメダメで。  もうほんとにダメだってときに、元軍人の、といっても伍長でしたが、ひとりの売れない画家の人が、「俺が何とかしてあげよう」と言って、出てきました。  (中略)

③その人、最初のうちはホント良くて、経済政策が大当たりして国の景気もむちゃくちゃ良くなり、「やっぱりあの人に任せて良かった」と国民の多くが思ったんですが、その後どんどん変なことをやり始めて、あちこちにいろんな敵をつくって攻撃したり、やたら戦争を起こしたりして、結果的にドイツは大変なことになりました。

④はい、ナチスのアドルフ・ヒトラーって方です。

⑤けっこう今、日本もそれに近いところがあるんじゃないかと心配をしています。

⑥ちょっと前も、理想的な政権がつくられたはずだったんですけど、フタを開けてみたらぜんぜんダメで、「政治家はどいつも当てにならない」って空気が蔓延しているところに、「西のほうにすべての問題を解決してくれるいい人がいるかもしれない」みたいな流れが、最近ありますよね。

⑦でも、それってまずいんじゃないかと思うんですよ。  (中略)  誰かすごい人がすべてを決めてくれればうまくいく、という考えはたぶん嘘で、「みなが自分で考え自分で決めていく世界」をつくっていくのが、国家の本来の姿なんじゃないかと僕は思っています。

⑧仏教には「自燈明」という言葉があります。  開祖のブッダが亡くなるとき、弟子たちに「これから私たちは何を頼って生きていけばいいのでしょうか」と聞かれて、ブッダは「わしが死んだら、自分で考えて自分で決めろ。  大事なことはすべて教えた」と答えました。

⑨自ら明かりを燈せ。  つまり、他の誰かがつけてくれた明かりに従って進むのではなく、自らが明かりになれ、と突き放したわけです。

⑩これがきわめて大事だと僕は思いますね。』

瀧本さんについては、2018年5月13日のブログでも、『ミライの授業』(瀧本哲史著 講談社)を取り上げました。


2.最近『NETFLIX』にはまっています。  でも、映像というのはその内容や感動を、ブログではちょっと紹介しにくいです。

ということで、今回からブログの副題を、従来の『私の備忘録』から『私の読書録・備忘録』に変更することにしました。




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ディズニーランドのミッション

1.『史上最強のCEO』(ジェームズ・スキャナー著 フローラル出版)を読みました。  「企業のミッション(使命)という3部作」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。  

『①私たちは誰か?

ディズニーランドでは、スタッフをキャストと呼んでおり、バックヤードから園内に出てくる扉には〝On Stage〟と記されている表札がかかっています。  つまり、自分たちは女優と俳優であり、ディズニーランドで働くということは、ステージの上に立つことであるのです。

②彼ら(顧客)は誰か?

ディズニーランドでは相手がゲスト。  自分の家に呼ばれた招待客のことです。  (中略)  自分の家となれば、大事にするのではないでしょうか?  自分のゲスト・招待客であれば、サービスにあたる姿勢が変わるのではないでしょうか?

③私たちはなぜ関係をもっているのか?

ディズニーランドでは、何をしても、それはお客様にとって、エンターテインメントにならなければ、意味がありません。  歩道の掃除をしている人も、エンターテインメント性がなければなりません。  行列も、エンターテインメント性がなければなりません。  食事も、エンターテインメント性がなければなりません。』


2.「これで奇跡が起こる」の項からも抜粋し、番号を付けて紹介します。

『こうしたミッションを確立し、毎日の業務の中心とし、従業員の教育と評価の土台に据え置くようにすれば、奇跡が起こります。  従業員の一人ひとりが創業者の心を汲み取り、経営者なみ、あるいはそれ以上の判断を、毎日の業務の中で自ら行うことができるようになるのです。  (中略)

すでにこの世にいない、東京ディズニーランドの仕掛け人で友達の堀貞一郎から聞いた話です。

「①ある若い夫婦がいました。  結婚したときから、子供と一緒にディズニーランドに行きたいという夢を抱いていました。  やがて最初の子供が生まれました。  しかし、とても悲しいことに、生まれた直後にその子供が亡くなってしまいました。  さらに切ないことに、医師が言うには、もう子供を授かることができないということでした。

②その赤ちゃんの1年後の命日に、このご夫婦は、その子供と一緒に遊ぶつもりで、ディズニーランドに行くことを決めました。  当日にディズニーランドに出かけ、赤ちゃんが好きそうな乗り物に乗ったり、パレードを見たり、そして、昼食のとき、レストランに入り、自分たちの食事を注文し、子供のために、お子様ランチを注文しました。

③しかし、そこで問題が起こりました。  そのお子様ランチというものは、12歳以下の子供が同伴しているときにだけ提供する決まりがあったのです。  レストランのキャストが丁寧にお断りをすると、その若い夫婦は事情を説明しました。

④カウンターの女性はその話を聞いて、答えました。  〝わかりました。  それではご用意させていただきます。〟  そして、食事を用意し、カウンターの向こうから表に出て来て、また、夫婦に言いました。

⑤〝それでは、3名様をテーブルまでご案内いたします〟」』

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非認知能力

1.『小さな会社 ランチェスター式 「儲ける戦略」』(栢野克己著 コスミック出版)を読みました。  その中に伊藤清隆さんの講演録が載っています。  伊藤さんが経営する会社は、子供向けスポーツ教室では日本一だそうです。  『勉強ではなく「非認知能力」』の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①「認知能力」はIQとかいわゆる偏差値、まあお勉強のほうですね。  「非認知能力」というのは勤勉性とか、意欲とか、やり抜く力とか、思いやり、忍耐力。  人間的な力ですね。  最近、「非認知能力が高い人ほど年収が高い」というデータがようやく出てきたんです。

②今までは、イイ大学に入って偏差値が高い大学に入って、イイ会社に入って、そっちのが良いとみんな思ってましたが、違うことが立証されたんです。  (中略)

③そのかわり、例えば「生き抜く力」がある、成功している社長さんとかは。  生き抜く力って「非認知能力」、どうやって身に付けるかと言えば、実は幼少期。  小学校6年生くらいまでにつけておかないと、えらい目になりますよという話。  (中略)

④今ですね、ご存知のように、特に日本の男の子がみんなゲームですよ。  ゲームばっかりじゃ終わりですよ。  耐性がなくて。  お勉強とゲームばっかりやって中学入りました、いい高校入りました、ところが途中でポキント折れて不登校になりましたとか引きこもりとか。  (中略)

⑤そういう人はみんな、非認知能力が低いんですよ。  そんなものは屁でもないと思わないと。  会社で求められるのはそうじゃないですよね。  起業する人なんかもこちらのほうが高いですね。  勤勉性、『やりぬく力 グリット』とかいう本が出ていましたけど、決めたらやる根性みたいなもんですね。  (中略)

⑥まぁそういった、大きく言えば、社会に出ていく、社会で成功する力っていうのが非認知能力。  これがある人が、一番身に付けやすいのはスポーツだと私は思っています。  スポーツをやる中で、子どもの頭で考えさせる。  その習慣付けをしていくと。  (中略)

⑦そうやって1年2年3年ぐらい経つと見違えるように。  体型ももちろん変わりますし、モジモジくんが、「ハイ!  なんとか君並んで」って、やってるんですよ。  つまり、非認知能力っていうのがつくんです。  これはもう、実感として、すげえなぁスポーツって。』


2.『認める。  励ます。  勇気づける。』の項からも抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①そのかわり、すぐ辞めちゃいますから、辞めないようにやるのが大事。  それは、褒めて認めて励まして勇気づける。  要はあんまり叱ったりしない。  何でもいいから認める。  励ます。  勇気づける。  その連続で、もう3年は通わせないとダメなんです。

②「そんな1年や2年通ったって身につかないです」ってお母さんにはっきり言います。  で、6年生まで通わせる。

③「塾に行ってもいいけど、ウチにも来てください。  社会的な成功がしたいなら。  したいんでしょ?  あなたのお子さんが途中で引きこもりとかになってもいいんですか」と。』


道場に通う少年部も、体力だけではなく、非認知能力が身についているのだと思います。

我々指導者も、そういう意識で少年部に接する必要がありますね。  

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幸福感や人生に対する満足度

1.『スタンフォード式 人生を変える運動の科学』(ケリー・マクゴニガル著 大和書房)を読みました。  「はじめに」から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①世界的に見ても、体をよく動かす人たちのほうが、幸福感や人生に対する満足度が高い。  それはウォーキング、ランニング、水泳、ダンス、サイクリング、競技スポーツ、ウェイトリフティング、ヨガなど、どんな運動をしている人にも当てはまる。

②また定期的に運動している人たちは、目的意識が強く、日常生活において感謝や愛情や希望を実感することが多い。  仲間との深いつながりを感じるため、孤独や気分の落ち込みを感じにくいこともわかっている。

③このような効果は、年齢や、社会的な地位や、文化の違いにかかわらず、共通して見られる。

④ここで重要なのは、運動がもたらす心理的・社会的な効果は、身体能力や健康状態とは関係がないことだ。  慢性の痛みや身体障害、心や体の深刻な病気を抱えている人びとや、ホスピスケアの患者たちにも、同じような効果が表れている。

⑤希望、やりがい、仲間同士の親睦などの深い喜びは、健康状態や体力ではなく、なによりも体を動かすことと関連しているからだ。

⑥本書の中心的なテーマは、「運動は人間の幸福にいかに貢献するか」である。  私はまず、科学論文を徹底的に調べることから始めた。』

私が極真会館総本部に入門してから、来年で50年です。  私のまわりを見ても、極真空手に長く関わる人は、①に書かれているように、「幸福感や人生に対する満足度が高い」ような気がします。  ちょっと、手前みそかな(笑)


2.以下は、6月4日に配信されてきた、本郷孔洋先生のメルマガからの抜粋で、タイトルは『カンニング』です。

『小学校の教師が生徒の母親を呼び出した。  
教師・・・「困りました。  おたくの息子さんがカンニングをしたんです。  これが息子さんの答案、それからこっちが隣の席の生徒の答案です。  比べてみましょう。」

――江戸幕府を開いたのは?
教師・・・「2人とも答えは徳川家康です。」
母親・・・「先生、それは2人とも正解しただけでしょう。  カンニングの証拠にはなりません。」

教師・・・「では、これはどうです?」
――「奥の細道」を書いた俳人は?
教師・・・「2人とも小林一茶と答えているんです。」
母親・・・「2人とも同じ間違いをしただけです。  カンニングの証拠にはなりません。」

――徳川家光が将軍になった年は?
教師・・・「お友達は『分かりません』と答えています。」
母親・・・「で、うちの息子は?」
教師・・・「『僕もです。』と答えています。」
                       (ジョーク集より)』

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