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スマホによる脳過労

1.脳神経外科医の奥村歩さんの著書『脳を休める技術』(カンゼン)を読みました。  脳の各部位と記憶との関連、スマホによる脳過労についての記述が簡潔・明解でした。  「はじめに」で次のように書かれています。

『脳は鍛えるのではなく、休めてください。

一時期、巷では〝脳トレ〟なる言葉が流行り、今でも脳は鍛えなければならないと考えている人が多いかもしれません。  しかし、それは実は、危険なものの見方。  30代から50代にかけての忙しいビジネスパーソンにとっては、脳をうまく休ませることが大切なのです。』


2.2月19日のNHK『クローズアップ現代』でも「スマホによる脳過労」が取り上げられました。  前半部分で、1.の奥村歩医師もコメントしています。

番組の中で、「子どもの学力低下」との関連が指摘されていました。  ネット検索した内容から、抜粋し、番号を付けて紹介します。

『(1)田中泉キャスター・・・①知らず知らずのうちに脳を脅かすというスマホ。  子どもの場合、より深刻な影響を示唆するデータがあります。  仙台市の中学生の数学の学力と、スマホの利用時間、その関係を調査した結果です。  (グラフ省略)

②最も点数が高いのは、スマホを「全く使わない」、もしくは「1時間未満」という生徒たちなんです。  スマホを使う時間が長ければ長いほど、平均点が下がっていく傾向が見られます。  この点数が下がっているのは、勉強していないからではないかと思われるかもしれないのですが、この調査した生徒たちの勉強時間は、ほぼ同じだったんです。

③スマホなどでネットを長時間使う子どもたちの脳を調べると、黄色い部分が目立ちました。  脳全体をつなぐ神経線維の集まり、「白質」の発達が遅れている部分だそうです。  (画像省略)


川島隆太教授(東北大学)のコメント

「初めてこんなに広範な領域に悪影響が出るものに出会いました。  子どもたちの記憶の能力自体にマイナスの影響が出ていると予測されます。  極端な話ですけれども、法律によって18歳まではスマートフォンを1時間以上使ってはいけないと、強制的におさえてあげるほうが、未来にとっては幸せであろうと考えます。」


(2)田中・・・この「スマホを1時間以上使ってはいけない」というのは、学会などで確立された見解ではないのですが、スマホのメーカーは今、先手を打って自発的に動き出しています。  使い過ぎを防止する機能を搭載し始めたんです。  例えばiPhoneでは「スクリーンタイム」、アンドロイドでは「Digital Wellbeing(デジタル・ウェルビーイング)」。  いずれも特定のアプリの使用時間をあらかじめ制限する設定ができて、その時間を超えるとアプリが使用できなくなるというものなんです。


(3)武田真一アナウンサー・・・スマホを手放す時間を作れば、脳は元に戻るものなんでしょうか?


(4)枝川義邦教授(早稲田大学)・・・脳の中には、起きた変化を保存する可塑(かそ)性という性質があります。  1回悪いことが起きても、だんだん習慣を変えて、だんだんいいことを続けていくといいほうに変わっていく。  お子さんですとその可塑性の性質は非常に高いといわれていますので、いち早くリカバリーするんじゃないかなと思います。』


スマホゲームをやっているよりは、空手の稽古をするほうが、学校の成績アップにつながる可能性がありますね。


3.2月22日の日経新聞の連載『カラダづくり』も「スマホによる脳過労」の特集です。  2.(4)の枝川教授のコメントが載っていました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①脳神経科学が専門の早稲田大学教授の枝川義邦氏によると、情報の整理を行う前頭葉のなかにある前頭前野という場所が、思考や意思決定、記憶や感情のコントロールなどをつかさどっている。

②脳過労になると前頭前野の機能が低下し、「単純なミスが増える、物覚えが悪くなる、イライラして怒りっぽくなる、意欲や興味がわかないなどの問題が生じてくる」(枝川氏)。

③これらは初期の認知症や抑うつ状態の症状に似ている。』


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