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セロトニン

1.3月8日のブログで「スマホによる脳過労」を取り上げました。  今回は「セロトニン」です。  セロトニンをネット検索すると、次のように書かれています。

『セロトニンとは、しあわせホルモンと呼ばれる脳内ホルモンで、「ノルアドレナリン(神経を興奮)」や「ドーパミン(快感を増幅)」と並び、感情や精神面、睡眠など人間の大切な機能に深く関係する三大神経伝達物質の1つです。  脳は緊張やストレスを感じるとセロトニンを分泌し、ノルアドレナリンやドーパミンの働きを制御し、自律神経のバランスを整えようとします。  しかし、ストレスや疲労が溜まると、セロトニンの分泌量が減ったり、働きが制限されたりしてしまいます。』


2.セロトニン研究の第一人者で、医学博士の有田秀穂さんが書かれた、『太陽の浴び方』(山と渓谷社)を読みました。  

有田さんによると、相談に来る人のよくある生活は次のようなパターンだそうです。  

『①朝、出勤するとき、スマホを歩きながら、あるいは電車の中で使用。

②会社に着くと今度はパソコンの前に座り、息を詰めながら液晶画面を睨む作業を続け、昼休みもパソコンを見ながらコンビニ弁当。  

③午後もパソコン漬け、帰路にまたスマホ。

④帰宅すると、ゲームやインターネットで気晴らし、ベッドに入ってもスマホ。

⑤セロトニン神経には最悪の生活なのだが、そうとは気付かずに暮らしている。』


3.本書中の「太陽の恵みを受ける生活とは」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①太陽が出ているときに、帽子を被ったり、長袖を着たり、UVカットの化粧品を使用したりしても、外を歩けばセロトニン活性になる。

②網膜に2500ルクス以上の光が当たることが必要なだけで、皮膚に当たる光は、脳内のセロトニン分泌に全く影響しない。

③ただし、サングラスをつけるのはNGである。』


4.「歩行リズム運動で脳内セロトニンを増やすコツ」の項からも抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①どこかへ移動するためではなく、健康や元気になるために、すなわち脳内セロトニンを増やすために行うのが、ウォーキングやジョギングの生活習慣だ。

②この行動は、間違いなく脳内セロトニン分泌を促して、元気な状態を作り出す。

③朝日を浴びながらやれば、二重のセロトニン活性効果になる。』


5.別の項で、セロトニン活性効果のあるリズム運動として、ウォーキングやジョギング以外に、サイクリング、縄跳び、ラジオ体操、太極拳が挙げられています。  空手の基本稽古も一種のリズム運動ですから、セロトニンを増やす効果がありますね。

ちなみに私も、最近、毎朝約30分のウォーキングを行っています。  太陽が出ている日は最高の気分です。



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生き延びるために大切なこと

1.世のなかの複雑な現象を、分かりやすく解説する本が好きで、よく読みます。  私が若いころの執筆者であれば、邱永漢・渡部昇一・米長邦雄・堺屋太一などの各氏で、このブログでも何回か紹介しました。  でも、残念ながら、皆さんお亡くなりになっています。


2.最近よく読むのは、哲学者・武道家の内田樹先生の本で、直近では1月14日のブログでも取り上げました。  今回は『サル化する世界』(文藝春秋)の「生き延びるために一番大切なこと」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①人はやりたいことをやっているときに最もパフォーマンスが高くなります。

②難局に遭遇して、そこで適切な選択をするためには、他者の過去の成功事例を模倣することではなく、自分自身の臨機応変の判断力を高めた方がいい。  そして、自分の判断力が高まるのは、「好きなことをしているとき」なんです。

③「自分は本当は何をしたいのか?」をいつも考えている人は「これはやりたくない」ということに対する感度が上がります。  そして、生物が「これはやりたくない」と直感することというのは、たいてい「その個体の生命力を減殺させるもの」なのです。

④自分の生きる力を高めるものだけを選択し、自分の生きる力を損なうものを回避する、そういうプリミティブな能力を高めることがこの前代未聞の局面を生き延びるために一番大切なことだと僕は思います。』


3.本書中の他の項でも「生き延びるために大切なこと」が書かれていますので、これも番号を付けて紹介します。

『①生き延びるため一番大切なのは、ネットワークです。  (中略)

②生き延びるために必要なもう一つは、いかに〝愉快に、機嫌よく〟生き延びるか、です。  不機嫌では想像力も知性も働きません。

③悲観的にならない、怒らない、恨まない。  そういうネガティブな心の動きはすべて判断力を狂わせます。

④危機的状況下では判断力の正確さが命です。  にこにこ機嫌よくしていないと危機は生き延びられません。  眉間に皺寄せて、世を呪ったり、人の悪口を言ったりしながら下した決断はすべて間違います。  すべて。  ほんとうにそうなんです。

⑤不機嫌なとき、悲しいとき、怒っているときには絶対に重大な決断を下してはいけない。  これは先賢の大切な教えです。』


会員の皆さんの「好きなこと」が極真空手で、〝愉快に、機嫌よく〟稽古されているなら、最高です。





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ザ・スコアラー

今回は、プロ野球・巨人軍のスコアラーを22年間にわたって務められた三井康浩さんが書かれた『ザ・スコアラー』(角川新書)からです。  三井さんは2009年のWBC(ワールド・ベースボ-ル・クラシック)第2回大会では、日本代表チームのチーフスコアラーとして世界一に貢献しました。  その大会の決勝戦に関する記述から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①3月23日の決勝戦。  この大会で5度目の戦いとなった韓国代表とのロサンゼルスのドジャースタジアムでの決勝戦です。

②この試合を前に、私は具体的な指示を出すことをやめました。  なぜなら、これまで4度も戦ってきた韓国の選手たちの特徴は、完全に選手の頭のなかに入っていたからです。  ここにきての付け焼き刃の入れ知恵よりも、日本代表メンバーが大会を通じて見せてきたことを信じるべきだと思えたのです。

③選手が自分たちの頭で考え、グランドでヒントを見出し、攻略に結び付ける・・・スコアラーが出してきた指示は、あくまできっかけでいいのです。  実際にボールを投げ、打つ選手たち自身が自律的に正解を導き出していくことこそ、理想形なのですから。  (中略)

④日本代表チームは既に「なにかにたどり着けた」という感覚もあったのです。  わたしたちスコアラーが届ける、データという必要最小限の〝無形の力〟を、選手たちが〝有形の力〟として増幅させて戦う。  そんな理想へと。

⑤試合は予想通り、緊迫したシーソーゲームとなりました。  日本代表は1点をリードして最終回を迎えましたが、ダルビッシュ有が四球で走者を溜めた後、韓国代表の李机浩にレフト前へと運ばれ同点とされます。  (中略)

⑥そして10回表、3対3。  2死で一塁に岩村、三塁には内川。  マウンドには、韓国代表のクローザーを務めていた当時ヤクルトの林昌勇がいます。

⑦この決定的な場面で、打席には世界最高峰の打者であるイチローが向かおうとしていました。  イチローはこの大会、誰も見たことのないような不振にあえいでいました。  準決勝までの8試合で38打数8安打、打点3、本塁打0。  打率はなんと、2割1分1厘。  ただ、この決勝戦に限ってはここまで3安打を記録しており、最後の最後に彼らしさが戻ってきていました。

⑧もう、イチローのバットに託すしかありません。  しかし、打席に向かう直前、思わぬことが起こります。  大会を通じ、自分からなにかを聞いてくることなどなかったイチローが、ここでわたしに問いを投げかけてきたのです。

「この打席。  僕はなにを狙えばいいですか?」

⑨「えっ!  ここで聞いてくるのかよ・・・」。  心のなかでわたしはそう思いました。  本音をいえば、困惑しました。  でも、本当に大事な局面で選手に頼ってもらえたわけですし、ましてやイチローからの問いです。  スコアラーをしている身としては、なによりもうれしいことでした。

⑩もちろんそこで感動に浸っているわけにはいきません。  わたしはスコアラーとして、打つべき球を答えなければならない。  これまで通り、強く、短く、伝えました。

「シンカーだけ狙っていこう」  (中略)

⑪そして、8球目を迎えます。  捕手が構えたアウトコースよりわずかに内側に、そしてわずかに高く入ったボールにイチローが反応します。  鋭く出したバットがボールをとらえ、打球はセンターに飛んでいきます。

⑫歓声と悲鳴が交錯するなか、内川と岩村が揃って生還し5対3。  日本代表は、この一打で世界一を手中に収めました。

⑬イチローがとらえたボールはシンカーでした。』

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スマホによる脳過労

1.脳神経外科医の奥村歩さんの著書『脳を休める技術』(カンゼン)を読みました。  脳の各部位と記憶との関連、スマホによる脳過労についての記述が簡潔・明解でした。  「はじめに」で次のように書かれています。

『脳は鍛えるのではなく、休めてください。

一時期、巷では〝脳トレ〟なる言葉が流行り、今でも脳は鍛えなければならないと考えている人が多いかもしれません。  しかし、それは実は、危険なものの見方。  30代から50代にかけての忙しいビジネスパーソンにとっては、脳をうまく休ませることが大切なのです。』


2.2月19日のNHK『クローズアップ現代』でも「スマホによる脳過労」が取り上げられました。  前半部分で、1.の奥村歩医師もコメントしています。

番組の中で、「子どもの学力低下」との関連が指摘されていました。  ネット検索した内容から、抜粋し、番号を付けて紹介します。

『(1)田中泉キャスター・・・①知らず知らずのうちに脳を脅かすというスマホ。  子どもの場合、より深刻な影響を示唆するデータがあります。  仙台市の中学生の数学の学力と、スマホの利用時間、その関係を調査した結果です。  (グラフ省略)

②最も点数が高いのは、スマホを「全く使わない」、もしくは「1時間未満」という生徒たちなんです。  スマホを使う時間が長ければ長いほど、平均点が下がっていく傾向が見られます。  この点数が下がっているのは、勉強していないからではないかと思われるかもしれないのですが、この調査した生徒たちの勉強時間は、ほぼ同じだったんです。

③スマホなどでネットを長時間使う子どもたちの脳を調べると、黄色い部分が目立ちました。  脳全体をつなぐ神経線維の集まり、「白質」の発達が遅れている部分だそうです。  (画像省略)


川島隆太教授(東北大学)のコメント

「初めてこんなに広範な領域に悪影響が出るものに出会いました。  子どもたちの記憶の能力自体にマイナスの影響が出ていると予測されます。  極端な話ですけれども、法律によって18歳まではスマートフォンを1時間以上使ってはいけないと、強制的におさえてあげるほうが、未来にとっては幸せであろうと考えます。」


(2)田中・・・この「スマホを1時間以上使ってはいけない」というのは、学会などで確立された見解ではないのですが、スマホのメーカーは今、先手を打って自発的に動き出しています。  使い過ぎを防止する機能を搭載し始めたんです。  例えばiPhoneでは「スクリーンタイム」、アンドロイドでは「Digital Wellbeing(デジタル・ウェルビーイング)」。  いずれも特定のアプリの使用時間をあらかじめ制限する設定ができて、その時間を超えるとアプリが使用できなくなるというものなんです。


(3)武田真一アナウンサー・・・スマホを手放す時間を作れば、脳は元に戻るものなんでしょうか?


(4)枝川義邦教授(早稲田大学)・・・脳の中には、起きた変化を保存する可塑(かそ)性という性質があります。  1回悪いことが起きても、だんだん習慣を変えて、だんだんいいことを続けていくといいほうに変わっていく。  お子さんですとその可塑性の性質は非常に高いといわれていますので、いち早くリカバリーするんじゃないかなと思います。』


スマホゲームをやっているよりは、空手の稽古をするほうが、学校の成績アップにつながる可能性がありますね。


3.2月22日の日経新聞の連載『カラダづくり』も「スマホによる脳過労」の特集です。  2.(4)の枝川教授のコメントが載っていました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①脳神経科学が専門の早稲田大学教授の枝川義邦氏によると、情報の整理を行う前頭葉のなかにある前頭前野という場所が、思考や意思決定、記憶や感情のコントロールなどをつかさどっている。

②脳過労になると前頭前野の機能が低下し、「単純なミスが増える、物覚えが悪くなる、イライラして怒りっぽくなる、意欲や興味がわかないなどの問題が生じてくる」(枝川氏)。

③これらは初期の認知症や抑うつ状態の症状に似ている。』


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