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アイゼンハワー

『史上最大の決断』(野中郁次郎・荻野進介著 ダイヤモンド社)を読みました。  第二次世界大戦時、ナチス・ドイツ占領下にあった、フランス・ノルマンディーへの上陸作戦について書かれています。  連合国軍最高司令官のアイゼンハワー(のちの第34代アメリカ大統領)に関する記述から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①アイゼンハワーとは一体、どんな人物であっただろうか。  (アイゼンハワー本人の著書)『ヨーロッパ十字軍 最高司令官の大戦手記』にこんなエピソードがある。

②1945年3月23日、ノルマンディー上陸から9か月後、なおも抵抗するドイツ軍の息の根を止めるべく、ライン渡河作戦が敢行された日のことであった。

③アイゼンハワーは1人の兵士が意気消沈して歩いているのに出くわし、「どうした。  気分でも悪いのかね」と声をかけたところ、兵士はこう答えた。  「何かよくわからないのですが、妙に気になるのです。  2週間ほど前に負傷して入院してしまい、昨日退院したばかりで、自信を持ちきれないのです」

④それに対するアイゼンハワーの返答はこうであった。  「いや、私もいま君とそっくりの気持ちなんだ。  私も気になっている。  しかし、われわれは長い間かけて今夜の攻撃を準備してきたんだし、それにドイツ軍を粉砕するだけの飛行機も大砲も空輸部隊も全部揃っているんだ。  一緒にこうやって岸まで歩いているうちに、ことによるとわれわれも自信が持てるようになってくるかもしれない・・・・・・」

⑤この言葉を聞いた兵士は突然、こう言った。  「よくわかりました。  なんだか自信が出てきました」

⑥アイゼンハワーは地の文でもう一度、繰り返す。  〈私にも彼の気持ちがよく判るのであった〉

⑦大事な戦いを前に気落ちして悩んでいる兵士を怒鳴りつけるどころか、「自分も同じ気持ちだ」と打ち明ける率直さ、これが最高司令官の取る行動だろうか。  恐らく、その兵士も突然話しかけてきた身分の高そうな将校が最高司令官アイゼンハワーだとは気づかなかっただろう。

⑧アイゼンハワーという男は、一言で言えば「人たらし」であった。  謙虚で誠実、天真爛漫とさえ言う人もいて、およそ軍人らしくなかった。  もちろん軍人には不可欠の勇気と実行力も備え、楽天家でもあった。  先のエピソードでもわかるように、他人の立場をたちどころに理解する本能的能力を備えていた。  ことに彼の笑顔は、のちに「アイク・スマイル」と呼ばれ、一野戦車に匹敵するとまで言われた。  (中略)

⑨こうした最高司令官の態度にイギリス人将兵も好感を抱いた。  ある兵士は留守宅への手紙の中で、「最高司令官は、質素でかざり気のない服を着て、勲章もつけていない。  物腰は静かだが、自信と親愛感に満ち溢れた立派な指揮官だ」と書いた。』

私が理想とするリーダーのあり方です。  

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ヨガの四つのポイント

五木寛之さんと気功家の望月勇さんの対談集『気の発見』(平凡社)を読みました。  望月さんはロンドンを拠点に、ヨガ気功教室を主宰しているそうです。  望月さんのヨガについての発言から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『ヨガをするとき、四つのポイントを踏まえてやると。ポーズができなくても、体がかたくても、効果があるんです。

①一つは動作をゆっくりやる。  弾みをつけるとだめです。

②つぎに、動作と呼吸を合わせる。  

たとえば、息を吐きながら体を前に倒すとき、息を吐き終わってしまっても、体はまだ前に倒しきっていない。  これは合っていないんです。  またある人は、動作は終わったけれど、まだ息を吐きつづけている。  これも合っていないんです。  動作がはじまったら、息を吐きはじめ、動作が終わると同時に息を吐き切るというのが、いいのです。

③三つめのポイントは、ポーズが決まったら、痛いところに意識を集中させるんです。

たとえば、腕を前に伸ばして、体を前に倒すポーズでは、足の筋が痛いんです。  その痛いところに意識を集中させると、痛みの感覚が脳細胞を占領して、そのあいだ余分な雑念が消えちゃうんですね。  (ヨガの最中でも)自分の考えごとにはいりこんで、意識がどんどんあらぬ方向にいってしまうことがよくあります。  そういう雑念を消すには、痛みで脳細胞が一杯になるような状況をつくるんです。

④四番目は、ポーズが決まって、元にもどすときに、体で起きている変化をじっくり味わうことなんです。

たとえば脚の筋が突っ張っているのを半分緩めてあげると、突っ張りが消えていくのがわかります。  その突っ張っている感じから、だんだんゆるむ感じになっていく情景を、頭で感じながらするんですね。  そうすると、自然に、心は内側に向くんです。  集中力もついてきます。

⑤痛みでもって自分の雑念を消す。  そういうふうにやると、おなじことをしても効果は全然ちがうんです。  ヨガというのは、頭のなかを無数に飛び交い、いろいろな方向に勝手に飛んでいってしまう想念、雑念を静かにおさめるという目的もあるんです。』

私が毎朝稽古し、朝練でも指導している「意拳」や、月に二回代官山道場で指導している「武道気功」にも通じる内容だと思います。

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量は質を凌ぐ

『ひとりで生きる』(伊集院静著 講談社)を読みました。  「人間の基本」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①人間が、一人でやれることには限界がある。  たとえどんなに優秀な人の能力でもだ。

②では皆で力を合わせてやれば、何でもできるかというと、これも違う。  これには大前提があって、まずは一人一人の能力を高めることが必要なのである。

③どうやれば能力が高められるか?  これは、基本、他人と同じ学び方をしないで、その人独自の学び方を、どのくらいの時期に獲得するか、という点が大切になる。

④早ければ早いほどイイが、早過ぎると、精神、情緒がともなわない場合が多く、・・・私は優秀な人間である。  と勘違いするし、傲慢になる。

⑤勘違いと傲慢は、その人の成長をたちまち止まらせる。  天才と言われて、その気になったら終わるのと同じである。

⑥謙遜になれと言っているのではない。  勘違いとか傲慢なぞ、思う暇もないほど励まないと、人並み以上の能力は身に付かないし、未知の領域にあるものを発見したり、創造したりする作業、行為は、おそらくそういうものなのだろうと思う。

⑦一番イイのは、他人の何十倍もやり続けていることに気付かないことだ。  それが当たり前と思って、いや思うことすらないのがイイ。

⑧私は自分の能力を、この程度だと、三十歳半ばで知ったが、遊べば遊ぶほど、自分の程度に抗って生きるのも面白かろうと思うようになり、五十歳半ばから他人の倍、次に三倍と働きだした。  〝量は質を凌ぐ〟 〝バカは倍やるしかない〟 これを信じることにした。

⑨まだ失敗続きだが、瓢箪とて、やたらと振っていれば妙な駒が出るかもしれない。  ヘェヘヘヘ。 

⑩なぜそうしたか?  〝ひとりで生きる〟ことが人間のまず基本らしいということが経験でわかったからである。

⑪孤独とは違う。  まずはひとりで生きる力と精神を養うことが、大人の男になる大前提だとわかったからだ。』

別の項で著者は 「毎月、四百枚から六百枚(四百字詰)の原稿を書いている」 「ボールペンのインクが二晩でなくなる」と書かれています。

7月21日のブログで紹介した、北方謙三先生のインタビューでも「月に千枚書いても文章は乱れなくなった」とありました。

〝量は質を凌ぐ〟  チーム城西もこれだな~(笑)

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前十字靭帯

『人体、なんでそうなった?』(ネイサン・レンツ著 化学同人)を読みました。  前十字靭帯に関する記述から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①ほかの霊長類はみな、四肢を使って移動するが、ヒトは二本の足で歩く。  これを二足歩行と言う。  (中略)  ヒトの解剖学的構造は進化し、足や骨盤、脊椎を変化させることによって、立っている姿勢を保てるようになった。  (中略)

②前十字靭帯という名前を聞いたことはあるだろうか?  この靭帯の断裂は、スポーツをしているときのケガとしてよくみられる。  基本的に衝撃が大きく、テンポの速いスポーツで起こる。

③前十字靭帯は膝の中央に位置し、大腿骨と脛骨をつないでいる。  膝頭の下、関節の内側深くにあり、膝の上と下の足をつなぎとめるのことがおもな役割だ。

④ヒトの前十字靭帯は、直立した二足歩行の姿勢のせいで、もともと意図されていたよりずっと大きな負荷に耐えなければならなくなったため、切れやすい。

⑤四足動物が走ったりジャンプしたりするとき、その負荷は、四本の足全体に拡散し、足の筋肉がその負荷の大半を吸収する。  ところが、僕らの祖先が二足歩行に移行したとき、負荷は四本ではなく二本の足にかかるようになった。

⑥この負荷は足の筋肉にとって大きすぎたため、僕らの身体はこの負荷を和らげるべく足の骨を役立てた。  その結果、人間の足はまっすぐになり、筋肉よりむしろ骨が衝撃の大半を吸収するようになった。  (中略)

⑦まっすぐに調整された足は、通常の歩行や走行時には問題を生じない。  けれども、走っている途中で突然止まったり、すばやく向きを変えたりなど、不意に方向や運動量を変えたとき、膝に突発的で集中的な負荷がかかる。

⑧前十字靭帯は十分に強くはないため、骨がねじられたり引っぱられたりすると、骨をつなぎとめられず切れてしまうことがある。  なお悪いことに、種全体でどんどん体重が重くなっているので、突然の動作によって前十字靭帯にかかる負荷がますます大きくなっている。  (中略)

⑨この問題への対処法としては、減量以外ほとんどない。  前十字靭帯を運動で補強できないのだから、仕方がない。  繰り返し負荷をかけたところで、この靭帯を鍛えることはできず、むしろ弱くなる。

⑩前十字靭帯が断裂すると、それだけでも十分悪い状態なのだけれど、さらに手術での修復が必要になる。  靭帯にはあまり血管がないため、膝の手術では、回復とリハビリに長い時間がかかる。

⑪靭帯に栄養を供給する血管は限られているし、通常は治癒や組織の再建を行う細胞が少ない。  そのため、この靭帯の断裂はプロスポーツ界では非常に恐れられているケガなのだ。  多くのプロスポーツ選手にとって、前十字靭帯の断裂は丸々一シーズンを失うことを意味する。』

昨年3月に石崎恋之介が前十字靭帯の手術をしました。  本書を読んで、その大変さが実感できました。

一年半が経過して、大分動けるようになってきたようです。  後は、減量ですね(笑)  

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