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2018年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2019年01月

本棚の整理・8年目  

年末恒例の「本棚の整理」です。  ここ数年、読みたい本はほとんどアマゾンを中心としたネット通販で購入しています。  パソコンで注文して、新刊なら送料無料で郵便受けまで届けてくれます。  領収書は印刷してファイルしてあります。
今年から、一年間で購入した本を、領収書ファイルを基に列挙することにしました(書店で購入した本や、著者から贈られた本も一部含みます)。  その内、ブログで紹介したものには「ブログの日付」を、まだ読んでいないものには「未読」とメモしておきます。

・『孫子』(守屋淳著 日本経済新聞社)
・『秘伝・日本史解読術』(荒山徹著 新潮新書)
・『武道秘伝書』(吉田豊編 徳間書店)
・『日本史は逆から学べ』(河合敦著 光文社知恵の森文庫)
・『バカ論』(ビートたけし著 新潮新書)・・・1月22日ブログ
・『思考の方法』(渡部昇一著 海竜社)・・・1月28日ブログ
・『SHOE DOG』(フィル・ナイト著 東洋経済新報社)・・・3月4日ブログ
・『極上の孤独』(下重暁子著 幻冬舎新書)
・『たった一つを変えるだけ クラスも教師も自立する「質問づくり」』(ロスステイン・ダン著 新評論)
・『ゴッドファーザーの血』(マリオ・ルチアーノ著 双葉社)
・『ミライの授業』(瀧本哲史著 講談社)・・・5月13日ブログ
・『不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか』(鴻上尚史著 講談社現代新書)・・・4月15日ブログ
・『日本史の内幕・・・戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで』(磯田道史著 中公新書)・・・5月20日ブログ
・『伝説の柔道家 西郷四郎の生涯』(星亮一著 平凡社新書)
・『生き方入門』(藤尾秀昭監修 致知出版社)
・『あるがままに・・・ラマナ・マハルシの教え』(デーヴィッド・ゴッドマン著 ナチュラルスピリット)
・『オードリーのNFL倶楽部 若林のアメフト熱視線』(オードリーのNFL倶楽部編 文藝春秋)
・『酒好き医師が教える 最高の飲み方』(葉石かおり著 日経BP社)
・『しょせん幸せなんて、自己申告。』(綾小路きみまろ著 朝日新聞出版)
・『ほどよく距離を置きなさい』(湯川久子著 サンマーク出版)・・・4月29日ブログ
・『不滅の意識・・・ラマナ・マハルシとの会話』(ポール・ブラントン著 ナチュラルスピリット)
・『雲笈七籤の基礎的研究』(中嶋隆蔵著 研文出版)
・『幸田露伴(上)(中)(下の1)(下の2)』(塩谷賛著 中公文庫)
・『ラマナ・マハルシの伝記・・・賢者の軌跡』(アーサー・オズボーン著 ナチュラルスピリット)
・『運は人柄 誰もが気付いてる人生好転のコツ』(鍋島雅治著 角川新書)・・・6月17日ブログ
・『陰謀の中世日本史』(呉座勇一著 角川新書)
・『やってはいけない高血圧治療 ドクター歴48年のベテラン医師が告発する薬漬け医療の闇』(松本光正著 KADOKAWA)
・『日本史のツボ』(本郷和人著 文春新書)・・・5月26日ブログ
・『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著 マガジンハウス)
・『成功ではなく、幸福について語ろう』(岸見一郎著 幻冬舎)・・・6月10日ブログ
・『残酷すぎる成功法則 9割間違える「その常識」を科学する』(エリック・バーカー著 飛鳥新社)
・『夜船閑話 白隠禅師法語全集4』(白隠慧鶴著 禅文化研究所)
・『死ぬまでボケない1分間“脳活”法』(帯津良一・鳴海周平著 ワニブックスPLUS新書)
・『いい緊張は能力を2倍にする』(樺沢紫苑著 文響社)・・・7月1日・15日ブログ
・『20歳の自分に受けさせたい文章講義』(古賀史健著 星海社新書)
・『テレ東のつくり方』(大久保直和著 日経プレミアシリーズ)
・『家康その一言〜精神科医がその心の軌跡を辿る〜』(南條幸弘著 しずおかの文化新書)・・・9月30日ブログ
・『いい子をやめれば幸せになれる』(山下悠毅著 弘文堂)※孫弟子で精神科医の山下悠毅から贈られました。・・・7月22日ブログ
・『作家がガンになって試みたこと』(高橋三千綱著 岩波書店)
・『落合博満 バッティングの理屈』(落合博満著 ダイヤモンド社)・・・8月10日ブログ
・『蒙古襲来と神風 - 中世の対外戦争の真実』(服部英雄著 中公新書)・・・9月2日ブログ
・『昭和の怪物 七つの謎』(保阪正康著 講談社現代新書)
・『J-マインドフルネス入門』(山田秀世著 星和書店)
・『神経質礼賛―精神科医からの応援歌』(南條幸弘著 白揚社)・・・10月7日ブログ
・『楽天家は運を呼ぶ』(高橋三千綱著 岩波書店)
・『論理的思考力を鍛える33の思考実験』(北村良子著 彩図社)
・『「自分」を浄化する坐禅入門』(小池龍之介著 PHP研究所)
・『運の技術 AI時代を生きる僕たちに必要なたった1つの武器』(角田陽一郎著 あさ出版)
・『密教的生活のすすめ』(正木晃著 幻冬舎新書)
・『自分が高齢になるということ』(和田秀樹著 WIDE SHINSHO)
・『日本のドン 血と弾丸の抗争』(大下英治著 さくら舎)
・『かみさまは小学5年生』(すみれ著 サンマーク出版)
・『話術』(徳川夢声著 新潮文庫)
・『自民党秘史 過ぎ去りし政治家の面影』(岡崎守恭著 講談社現代新書)
・『末期がんでも元気に生きる』(石弘光著 ブックマン社)
・『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』(若林正恭著 KADOKAWA)
・『経済学者たちの日米開戦:秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く』(牧野邦昭著 新潮選書)
・『創造する知・武道』(坪井香譲著 BABジャパン)
・『気の身体術―メビウス気流法』(坪井香譲著 工作舎)
・『がん医療の闇を拓く』(近藤國彦著 KKロングセラーズ)
・『認知症は自分で防げる!治せる! (脳は何歳でも若返る!医師・大学教授23人が伝授)』(マキノ出版)
・『天災から日本史を読みなおす - 先人に学ぶ防災』(磯田道史著 中公新書)・・・未読
・『信長の原理』(垣根涼介著 角川書店)・・・12月23日ブログ
・『「死」とは何か? イェール大学で23年連続の人気講義』(シェリー・ケーガン著 文響社)・・・未読
・『がんが消える食事の8原則』(済陽高穂著 かんき出版)
・『マクロビオティック ほんまもんの健康法』(松岡四郎著 つげ書房新社)
・『荒ぶる魂』(嶋津義忠著 PHP文芸文庫) ・・・11月11日ブログ
・『がんは治療困難な特別な病気ではありません!』(真柄俊一著 イースト・プレス)
・『才能の正体』(坪田信貴著 幻冬舎)・・・12月9日ブログ
・『深淵の色は 佐川幸義伝』(津本陽著 実業之日本社)
・『決断=実行』(落合博満著 ダイヤモンド社)・・・12月17日ブログ
・『終生 知的生活の方法~生涯、現役のままでいるために』(渡部昇一著 扶桑社新書) ・・・11月17日ブログ
・『日本人の9割がやっている残念な習慣』(ホームライフ取材班編 青春新書PLAY BOOKS)
・『食は現代医療を超えた 食事を変えれば、がんも心臓病も治せる』(真柄俊一著 現代書林)
・『冥界からの電話』(佐藤愛子著 新潮社)
・『「さみしさ」の研究』(ビートたけし著 小学館新書)
・『最強のポジティブチーム』(ジョン・ゴードン著 日経BP社)
・『中国人のこころ 「ことば」からみる思考と感覚』(小野秀樹著 集英社新書)
・『悲憤』(中野太郎著 講談社)・・・未読
・『大戦略論』(ジョン ルイス ギャディス著 早川書房)・・・未読
・『「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ』(鈴木博毅著 ダイヤモンド社)・・・未読
・『「超」入門 空気の研究 日本人の思考と行動を支配する27の見えない圧力』(鈴木博毅著 ダイヤモンド社 )
・『死ぬまで太らないカラダの作り方』(中田宏著 アスコム)※中田宏先生から頂きました。
・『絶滅の人類史』(更科功著 NHK出版新書)・・・未読

今年もお世話になりました。  
私にとっては、城西の創立40周年パーティーを始めとするさまざまな場面で、極真空手に長く携わってきた幸せを再確認した一年でした。
30年間の「平成」が終わります。
2019年が皆さんにとって素晴らしい年となりますよう、心からお祈り申し上げます。

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信長の原理

『信長の原理』(垣根涼介著 角川書店)を読みました。  今年下半期の直木賞候補作にも選ばれています。  各武将の人物描写の細かさが秀逸です。

1.織田信長の人物描写から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①確かに信長は、個人として見れば欠点だらけの若者だ。  短気で、無礼で、時には暴力衝動を抑え切れず、失態を犯した小者を平気で手打ちにしたりもする。  重臣に対しても、人を人とも思わない。  頭ごなしに物を言うような傲岸な態度もしばしばとる。

②が、戦の前の軍議となると、これが同一人物かと疑うほどにその態度は一変する。  武官たちの間で相反する戦術について議論が百出しても、ほとんど口を挟まずに、最後まで我慢強く聞いている。  (中略)  話の全体の方向が、万一にも間違っているかも知れない自分の意見に引き摺られることを、恐れているからだ。

③おそらくは無意識だろうが、大将とはどうあるべきかを骨の髄まで分かっている。  粘り強く色々な可能性や方向性を考えられるだけ揃えたうえで、その中から慎重に判断を下す。

④一方で、大局的な戦略・・・その戦自体をやるのかやらないのか、やるとしたらいつ始めるのかなど・・・は、誰にも相談せず、自分の中で長い時間をかけてじっくりと検討する。  それは、大将が己の責任において一人で決断することだからだ。  (中略)  そんな弾正忠家(・・・織田信長の家系)としての方向性を衆議にはかろうものなら、たちまち敵対している他家に漏れ、戦う前から相手に防衛の準備をさせてしまう。

⑤だから、一人で思い悩むことになる。  孤独の中で常に武門の重みを背負うことに耐え続ける。  悩み、苛立ち、躊躇しながらも、流動的な状況の中で、いくつかの選択肢の中のどれが最善なのかを、常に考え抜くことが習慣化している。  (中略)  だから結果として信長は、いつも憂鬱かつ不機嫌そうな顔をぶら下げているのだ。

⑥その執拗さ、神経の太さ、耐性の強さ。  武門の棟梁としては必須であるこの三つの資質を、信長はすべて併せ持っている。』


2.信長の弟である織田信勝の人物描写から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①幼少の頃から兄より自分が上だと思い上がり、二度まで謀反を起こされかかっても、信長はまだ心底ではあの弟のことが嫌いにはなれない。  むしろ、哀れに思う。

②あいつはただ、神輿の上で踊らされていただけだ。  母親や家臣たちに囃し立てられ、その時の気分で動いていただけだ。  そもそも、このおれに対する本質的な悪意などないのだ。

③しかし、およそ人の上に立つ者の資質で、愚かで軽率なことは、悪意よりもはるかに始末が悪い。  救いようがない。  悪意は、ある意味で怜悧さの表れでもある。  そして場面によっては、あるいはそんな自分を悟りさえすれば、その後は態度や考え方を改めることが出来る。

④だが、愚かさや軽率さは直らない。  いくらその場で猛省しても、また似たような過ちをしでかす。  懲りないからだ。  いったい自分のどこに欠陥があるのかを自覚できる怜悧さがない。  挙句、一生同じ過ちを繰り返す。  結果として周囲に大いなる災禍をもたらす。

⑤そういう意味で、およそ人の上に立つ人間としては徹底して無能、と言える。  (中略)  人は改心することはあっても、性根の資質は直らない。  一生持ち越していく。』

明日は内部試合です。  平成最後の年末もあとわずかですね。

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諦めた者が負け、諦めさせた者が勝ち残る

8月10日のブログで『落合博満 バッティングの理屈』(落合博満著 ダイヤモンド社)を取り上げました。  今回は同じく落合さんが書かれた『決断=実行』(ダイヤモンド社)です。

1.『「負けたくない」というプライドがもたらした優勝』の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①私には現役時代の経験も含めて、プロ野球人としての信念がある。  長いペナントレースでは、勝つこともあれば負けることもある。  その勝負事を最後に左右するものは何かと問われれば、「諦めた者が負け、諦めさせた者が勝ち残る」ということだと思っている。

②だからこそ、長い戦いの中で他のチームに「中日には勝てないよ」と思わせれば、私の勝ちになる。  反対に、他球団に何ゲーム離されようが、マジックナンバーが出ようが、自分たちが諦めた時点で勝負は決着してしまうのだ。  (中略)

③このように、連覇を達成できた要因はいくつかあると思うのだが、私が考える一番の理由は、監督と選手の信頼関係とか、監督を男にしようとする選手の意地といった浪花節的なものではない。  本当に練習を積んできた選手が、自分たちほど練習をしていない選手には負けたくないというプライドだったのだと感じている。

④私が指揮した8年間、中日が春季キャンプで消化する練習量が、12球団で圧倒的に多かったことはご存じの方も多いだろう。  それに加えて、ペナントレース中には一日の休日も与えなかった。』


2.『自分の技術を向上させるためには』の項からも抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①私はベンチに座りながら、(阪急の)加藤秀司さんの打席を食い入るように見つめていた。  左打ちと右打ちという違いこそあれ、ボールのとらえ方、運び方など学ぶべき要素が多かったと思う。  こうした観察は、3度の三冠王を手にし、ベテランになってからも続けていた。  (中略)

②では、最近はどうなのだろう。  例えば、先輩のバットスイングを参考にしたければ、目で見るだけでなく、録画してスローやコマ送りで再生したり、ここというポイントで静止画にしたりすることもできる。  私たちの時代とは比べものにならないくらい技術向上のヒントになる資料は溢れているのに、それを生かしている若手はどれくらいいるのか。

③なぜ、そんなことをボヤくのかといえば、働き盛りの選手の観察眼、あるいは技術を考える際の感性が今ひとつ磨かれていないと感じるからだ。  そうなった理由のひとつに、練習の効率化が挙げられる。  (中略)

④たとえば、キャンプの練習では初めのランニングこそ全員で走るものの、キャッチボールになれば投手と野手は分かれ、あとは投内連係など投手を含めた守備練習しか全員が揃う場面はないのではないか。  それは投手も野手も効率的に練習できるメリットがある反面、投手が野手の練習を見る、野手が投手の練習を見るという機会を大幅に減らしているというデメリットもある。

⑤体を動かして技術を磨くのが練習なら、先輩やレギュラーの動きをしっかり観察し、自分が採り入れるべきものはないかと考えるのも大切な練習だ。  その時間があまりに少ないと、他の選手の練習から学ぶという感性が養われない。』

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やれば伸びる

『才能の正体』(坪田信貴著 幻冬舎)を読みました。  坪田さんは映画化もされて大ベストセラーとなった『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の著者です。  『第1章「才能」とは何か?』から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①僕は、才能というものは誰にでもあって、それは〝正しい努力〟次第で手に入るものだと考えています。

②ところで、「自分はやればできる」「今は本気出していないだけ」と言う人がいますが、これはとんでもない「まやかしの言葉」です。  

③例えば、あなたが「何の競技でもいいから、今からオリンピックに出よう。  やればできるはずだ」と思ったとしましょう。  

④まず、どの競技ならできそうか、いろいろと競技を見ますよね。  スノーボードやスキー、スピードスケートは無理そうだけど、ストーンを滑らせてその前をホウキみたいので擦るだけのカーリングだったらできるかも、と思ったとします。  これが「認知」です。

⑤それで練習を始めますが、カーリングがとても難しい競技であることに気づきます。  すると「相当練習をしないと、いや練習をしても、そうそうオリンピック出場なんて無理だ」と思いますよね。  それでどうなるかというと、オリンピック出場を諦めて、カーリングの練習をやらなくなります。

⑥「やればできる」と思っている人は、オリンピック出場という「結果」に焦点を当てているため、それが望めないとわかった瞬間に「動機」がなくなり、練習をやらなくなります。  (中略)

⑦こうして見てくるとわかるように、「やればできる」という思考は「結果至上主義」なんです。  その結果が手に入らないとわかった瞬間に、やることそのものをやめてしまうのですから。

⑧これは、「できそうにないなら、やらない」と言っていることと表裏一体なのです。

⑨そんなわけで僕は、「やったら、いつか必ずできるよ」という意味の「やればできる」という言葉を使いません。  世の中には「できないこと」がたくさんある以上、大人が子どもに、または目上の人が部下に言いがちな「やればできる」という言葉は嘘になるからです。

⑩・・・こんなふうに言うと、気持ちを削がれてしまいますか?  でも大丈夫です。  使う言葉を変えていけばいいのです。

⑪こういうときに使うべき正しい言葉は「やれば伸びる」です。

⑫何事も、やらないよりもやった方が絶対にいいいのは間違いありません。  誰でも、何かを始めて、それを継続していければ、やった分だけ成長して、経験した分だけ経験値は増えて、必ず伸びていく。  能力が伸びれば、その「部分」が際立ってきて、「才能」になる可能性がある。

⑬使い古された言葉ですが、「継続は力なり」というのは本質的に真実なのです。  問題は、「自分にはできないと認知した段階」で丸ごと諦めてしまうことです。』

1993年に、空手の指導や国家試験受験の経験を踏まえて、日本実業出版社から本を出しました。  書名は『やればできる! 能力開発と目標達成』です。  『やれば伸びる!』とすべきだったかもしれません(笑)

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日本海海戦の「丁字戦法」

1.8月7日のブログで「歴史を物語として学ぶ危険性」を取り上げました。  

朝日新聞夕刊の連載『大和とヤマトをたどって』の第4回(11月16日)・第5回(11月20日)は日露戦争・日本海海戦の「丁字戦法」について書かれています。

「丁字戦法」についてコトバンクで検索すると次のように出てきました。

『日本海海戦で用いられた旧日本海軍の砲戦戦法。  縦陣で進む敵艦隊の頭を味方艦隊が縦陣で横切りつつ敵艦隊を射撃する戦法。  味方が舷側砲火によって多くの火砲をもって敵の先頭に集中攻撃しうるのに対し,敵は少数の砲でしか射撃できない。  丁字を描くことから,こう呼ばれた。 』

2.連載記事から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①東郷平八郎は実在の軍人ながら「物語の主人公」になったと言える。

②東郷を巡る「物語」の中心は、1905年5月にあった「日本海海戦」だ。  連合艦隊司令長官の東郷は、敵艦隊の眼前で「大胆不敵な180度ターン」を指示。  名参謀秋山真之(さねゆき)が考案した、敵艦隊の一部に味方の集中砲火を浴びせられる艦隊運動「丁字戦法」を実行してロシア艦隊を壊滅させ、日本を救ったとされる。  作家・司馬遼太郎は「坂の上の雲」で、海戦序盤の東郷の指揮を「ほとんど無謬(むびゅう)」とまで絶賛した。

②だが、近年の研究で明らかになったのは、日本海海戦の東郷を巡る「物語」と、現実の戦闘との乖離(かいり)だ。

③長年、各国の海軍史を研究してきた中川務(86)は日本海海戦時の日本、ロシア両艦隊の動きを分析し「東郷ターンで展開された戦況は、丁字戦法の理論とかけ離れた別個のもの」と結論づけた。

④ターンの直後、日ロ両艦隊は、日本側が圧倒的に有利となる「丁字」ではなく、双方が同じ向きに航行しつつ全力で砲火を交える「並航戦」へと移行。  東郷の華麗な指揮で敵を翻弄(ほんろう)したのではなく「力任せの殴り合い」になったのだ。  日本が勝利したのは、大砲の性能や射撃の精度がロシアを上回ったからだった。

⑤東郷が危険を冒して敵前ターンを行ったのは「丁字戦法のためではなく、味方に犠牲を強いてでも敵の頭を抑え、逃亡を防ぐことが目的だった」と中川はみる。  (中略)

⑥こうした現実から浮かび上がる東郷像は「神がかった英雄」ではなく、「なりふり構わず勝利をつかもうとする、しぶといリアリスト」の顔だ。  なぜ「物語の東郷」は、現実の東郷からかけ離れてしまったのか。

⑦実は、東郷を巡る物語には「原作者」がいた。  「文才提督」と言われた海軍中将小笠原長生(ながなり)だ。  小笠原は東郷と極めて近く、東郷の発言を外部に伝える役割をほぼ独占していた。

⑧日本海海戦から約1カ月後の1905年6月30日。  朝日新聞に「日本海海戦談」が掲載された。  記事では「当日東郷大将の執られたる戦法が丁字戦法」とされた。  この記事のベースとなったのが、大本営の広報担当だった海軍中佐・小笠原長生が、前日に東京都内で行った講演だった。  多くの研究者は、この記事が「日本海海戦の勝因は丁字戦法だったという物語」が広がる出発点になったとみる。

⑨一方、小笠原が事実上の編集長を務めた海軍の公式戦史には、日本海海戦の実戦で「丁字戦法を使った」という記述はない。  小笠原が実際には丁字戦法が用いられなかったことを知りつつ、「一般向けの受け入れられやすい説明」として丁字戦法に言及したことがうかがえる。

⑩防衛大学校名誉教授の田中宏巳(75)によれば、小笠原は文才に恵まれ、日清・日露戦争の公式戦史編集で中心的役割を果たした。  (中略)  (小笠原が書いた)大衆向け日本海海戦記「撃滅」はミリオンセラーとなり、その「主人公」東郷は国民的英雄となった。

⑪「撃滅」には次の一節がある。  「我が東郷大将の活眼に至ってはほとんど神の如(ごと)く、一度かうとにらんだが最後、必ずそれが的中して事実の上に現れ来たるから恐ろしい」。  現実の東郷は、日本海海戦に先立つ黄海海戦では、判断ミスで敵を逃しそうになるなど「無謬(むびゅう)の人」ではなかった。  小笠原がそれを知りつつ自らの筆力で「東郷の物語化」を図ったのは疑いない。

⑫田中は「太平洋戦争に参加した大多数の将兵は、日露戦争の時のような日本の勝利を確信していた。  小笠原が形成した東郷像は、その確信の原点にあった」とみる。

⑬私が「宇宙戦艦ヤマト」の艦長沖田十三に憧れたように、小笠原の作った東郷像に憧れ、長じて実際に戦場に赴いた若者は数知れない。  (中略)  人間は事実の羅列だけでは動かない。  人を動機づけるには「強い情動を引き起こす物語」こそが必要なのだ。』

日本海海戦は、極真の大会でいえば本戦・一本勝ちではなく、再延長・判定勝ちに近かったのかも知れません。

10年以上前、神奈川県横須賀市の三笠公園に展示されている『三笠』を見ました。  現在は記念館になっており、中央展示室のパノラマ模型では連合艦隊とバルチック艦隊の動きが再現されています。

その時は、「これが『丁字戦法』か~!」と感激したのですが。

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