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2018年06月 | ARCHIVE-SELECT | 2018年08月

2018 東日本大会

1.昨日は台風の中、東日本大会です。 多面コートの場合、今までは私が全コートの入賞者コメントを書いていました。  今回からは各セコンドの指導員がコメントを書く方法に変更です。  全コートの試合を追っかけなければならなかった私の疲労軽減と、セコンドの分析力アップが図れて、一石二鳥ですね(笑)


2.私が観た本部席前のB・Cコートの入賞者について感想を書いてみます。

①小木戸 瑛斗(高校1年生男子−65kg級 第3位)・・・以前に比べ組手に重厚感が出てきたように思います。  準決勝で、優勝した飯塚翼選手に判定負けしました。  さほど差は感じられませんでしたが、飯塚選手の方が組手にメリハリがありました。  時々かけてくるラッシュ攻撃に若干押された印象です。  次回は雪辱できるよう、研究を重ねていく必要があります。

②金子 雄大(高校1年生男子−65kg級 準優勝)・・・準決勝までの2試合は雄大らしい技の切れが随所に見られました。  決勝でライン際でもつれ合ったとき、雄大の膝の上に飯塚選手が乗っかるようにして、二人同時に倒れ込みました。  膝を負傷したので、今後のことを考え、セコンドの森善十朗に言って棄権させました。  瑛斗同様、次回の雪辱に期待します。  

③合屋 佑斗(一般新人戦の部 第3位)・・・突きと下段廻し蹴りを中心とした堅実な組手をします。  準決勝の黒川雅弘との試合は、勝負に対する執念の差が出たように見えました。  ちょっとした差ではありますが、結果的には勝者と敗者という大きな差になるわけです。  月並みですが、最後まであきらめないことが、勝負には必要です。

④黒川 雅弘(一般新人戦の部 準優勝)・・・合屋と同じく、突きと下段廻し蹴りを中心とした組手です。  3回戦の因徹也との試合も準決勝同様、粘り勝ちしました。  極真の試合で最も大切な精神的なスタミナ(粘り・執念)を持っています。  技もパワーもこれからもっと磨き上げる必要がありますが、メンタル面では大きな可能性を感じました。  

⑤松村 亮(一般新人戦の部 優勝)・・・178cm・81kgと体が大きく、また突きと下段廻し蹴りだけでなく上段への蹴りもスムーズに出せるので、今後の活躍が楽しみです。  最近は少年部上がりの選手が多いですが、以前は高校卒業後上京して入門する人がほとんどでした。  第15回全日本大会で優勝した大西靖人もその一人です。  要は意識の持ち方次第です。  在学中に黒帯を取って、全日本大会でも活躍したい、と自分が決めなければ、新人戦で活躍する選手で終わってしまいます。  昔からよく話すのですが、エベレストに登る人は、最初に「エベレストに登るんだ」という決意があるわけです。  散歩のついでに裏山に登る人はいますが、散歩のついでにエベレストに登る人はいません。


3.以下はB・C以外のコートの入賞者です。

①諸岡 幸乃(小学3年生女子の部 準優勝)

②小野 そら(小学5年生女子+35kg級 第3位)

③福永 悠萊(中学女子−45kg級 第3位)

④上江洲 志穂(壮年女子35歳以上の部 準優勝)

⑤林 秉天(壮年45歳~49歳−70kg級 優勝)


 選手・セコンド・応援の皆さん、お疲れ様でした。  次は8月の極真祭ですね。










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いい子をやめれば幸せになれる

 私の孫弟子で、精神科医の山下悠毅から贈られた著書『いい子をやめれば幸せになれる』(弘文堂)を読みました。  「おわりに」の中で次のように書いてあります。

『本書では、あなたの生きづらさの正体が「自己肯定感の不足」にあること、そしてその自己肯定感を高めるためには「あなたの信念を書き換える」必要があることを説明し、そのための方法を5つのステップに分けて紹介しました。』

 本書から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.①私たちが行動をする理由の背景にある「信じている」事がらや価値観のことを、本書では「信念」と呼ぶことにします。

②もし現在あなたが「生きにくい」と感じているのであるならば、まずはあなたの信念を見つめてみることが必要なのです。  もちろん、私は現在のあなたの信念を「間違っている」と指摘したいわけではありません。  なぜなら「間違っている信念」など1つもないからです。  ここで私が言いたいことは、「信念は1つではない」ということです。

2.「心が変われば行動が変わる  行動が変われば習慣が変わる  習慣が変われば人格が変わる  人格が変われば人生が変わる」  これは心理学者ウィリアム・ジェームズの言葉ですが、ここでいう「心」とは本書における「信念」のことです。

3.①そもそも自己肯定感とはどういったものなのでしょうか。  「職場で営業成績トップを達成し、社長賞をもらった」 「学生時代、ミスコンでグランプリに輝いた」 「有名大学を卒業し、MBAの資格も持っている」  一般的にはこうした人たちは自信にあふれ、自己肯定感も高いと思われがちです。

②しかし、現実にはこうした人たちの中にも自己肯定感が不足している人が少なからずいるのです。  なぜなら自己肯定感とは、自分の長所や成果を誇りに思う気持ちではなく、素のまま・ありのままの自分に対して「私は私のままで大丈夫」 「I am OK」と思える気持ちのことだからです。

4.①「恋」という感情の正体は「~だから好き」と言い換えることができるのです。  「バリバリ仕事ができるから好き」 「自分が心細いときに支えてくれるから好き」 「見た目がタイプだから好き」  このように、恋には必ず「~だから」といった理由が伴うのです。

②「愛」という感情の正体は「~だけど好き」と言い換えることができるのです。  「正直、稼ぎはあまり良くないけど好き」 「見た目は全然タイプじゃないけど好き」 「趣味はまったく合わないけど好き」  このように、相手の条件や自分へのメリットではなく、それどころかデメリットがあるにもかかわらず相手を「好き」と感じられるのが「愛」なのです。

③そして、なぜ「恋愛」であって「愛恋」とは呼ばないのでしょう。  それはすべての恋愛が「~だから好き」という理由を伴なった「恋」から始まり、やがて「~だけど好き」という無条件の「愛」へと変化していく、このことを昔から人は知っていたからだと思うのです。

5.①本書の目的は、あなたの自己肯定感を回復させることであり、それは一言で言うと「自分を愛する」ということです。

②私が診察室でこの話をすると、「自分には愛すべきところなどない」 「こんな私を愛するなんて無理だと思う」と否定する方がいます。  しかし、こうした発言には矛盾があるのです。  なぜなら、愛の正体とは「~だけど好き」だからです。

③自分を好きになるために勉強や仕事を頑張る、自分磨きをする、友人を増やす、こうした努力をする方はたくさんいます。 書籍やネット上にも、「自分の長所を探しましょう」 「女子力を磨きましょう」といった情報が溢れています。

④しかし、これもまた「~だから好き」といった、自分自身への「条件付きの愛」にすぎず、自分を愛することには繋がらないのです。

6.①(前略)「自分がお金持ちであること」や「優秀な学歴や経歴であること」を自慢したところで、人はそれについて「すごい」と思うことはあっても、必ずしも「この人のような生き方をしたい」とは思わないからです。

②自己肯定感が不足していると、人は誰かに自慢をすることで「自分を好きになろう」とすることがあります。

③この傾向はとくに男性に多く見られ、「尊敬してもらえるはずだ」という信念のもと、高価な車や時計、華やかな学歴や職業、多くの異性や有名人との交友などをひけらかします。

④その結果、「誰からも尊敬されない」 「お金目当ての人ばかり集まってくる」という事態になってしまうのです。  そして、「尊敬されたい」という想いはさらに強まり、行動もさらにエスカレートしていきます。

⑤精神分析医コフートはこうしたマイナスのスパイラルに陥る人を「悲劇の人」と呼んでいます。』

 上記6.に当てはまる人を何人か知っています(笑)

 素晴らしい内容なので、一読をお薦めします。




  

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緊張その6

 7月1日に紹介した『いい緊張は能力を2倍にする』(樺沢紫苑著 文響社)の第3章以降から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.「ゾーン」に入る方法

①「ほどよい緊張」と「楽しい」は両立します。  そして、この状態は「ゾーン」と呼ばれます。  (中略)

②脳科学的に言うと、ゾーンはノルアドレナリン、セロトニン、ドーパミンの3つの脳内物質がバランス良く存在した状態と考えられます。  ノルアドレナリンによって集中力と身体能力がピークに達します。  セロトニンがそれらを完全にコントロールします。  さらにそこに、ドーパミンの「楽しい」という気分が加わります。  (中略)

③ドーパミンを出すためには、「この瞬間を楽しもう!」 「お客さんを楽しませよう」と楽しみにフォーカスすることが必要です。  「ああ緊張してきた。  どうしよう」と言うのをやめて、「この緊張を楽しもう」と言葉に出して言うのもいいでしょう。

④あるいは、「ワクワクする!」と言葉に出すのも効果的です。  なぜならば、ワクワクするときに分泌される物質がドーパミンだからです。  (中略)

⑤ハーバード・ビジネス・スクールのブルックス教授が興味深い研究をしています。  (中略)  過緊張する場面で、その前に「ワクワクする!」と言うだけで、まるで魔法でもかけられたようにパフォーマンスが高まるのです!  多くの人は、過緊張してくると、「落ち着こう!落ち着こう!」とつぶやくと思いますが、「落ち着こう!」は逆効果。  さらに、「不安だ!」というつぶやきは最悪です。

⑥また、「ない」とか「しない」とか、否定語で締めくくってはいけません。  ポジティブな言葉を発すると脳はポジティブに向かい、ネガティブな言葉や「否定語」を使うと、脳はネガティブな方に偏ります。


2.セロトニンを活性化する

①緊張の本質は、ノルアドレナリンです。  ノルアドレナリンが過剰に分泌されることで、過緊張になります。  (中略)  セロトニンは過剰になったノルアドレナリンをちょうどいい具合に調整してくれる。  つまり、セロトニンが適切に働く状態を作っておくだけで、過緊張は勝手にコントロールされるのです。

②(前略)セロトニンは笑顔を作るだけで分泌されます。  なぜかというと、セロトニンは表情筋(顔の表情を作る筋肉)をコントロールしているからです。  逆も真なりで、「自然な笑顔」を作るだけでセロトニンの分泌を誘発することができるのです。

③(前略)セロトニンはトリプトファンというアミノ酸がなければ、生成できないので、まずトリプトファンを摂取することが重要です。  (中略)  さらに、トリプトファンが脳内に移行するためには「糖質」が必要となります。  (中略)  セロトニン合成には、ビタミンB6が必須です。  トリプトファン、糖質、ビタミンB6の全てが含まれる食材があります。  それは、バナナです。  セロトニン生成の観点から見ると、最も推奨される食材は、バナナということになります。


3.「情報」=「安心」の法則

①相手の実力は何一つ変化するわけではないのに、「敵」「相手」に対しての情報量をたくさん持っているだけで、人間は安心することができます。  情報を分析することにより、大脳新皮質が偏桃体の作り出す「過緊張」や「恐怖感」を封じ込めることができるからです。

②敵について調べる。  敵の情報をできるだけ集める。  それだけで、過緊張を大きくやわらげることが可能です。


4.感謝する

①過緊張しないためのマインドチェンジ術。  「最も重要な方法を一つだけ言え」と言われたなら、それは、「感謝」することです。  心から感謝すれば、過緊張などおこりえない。  それは、脳科学的な必然です。  

②感謝することによって、セロトニン、ドーパミン、エンドルフィン、オキシトン。  4つの脳内物質が出ることが知られています。

③セロトニンはノルアドレナリンの「ブレーキ」です。  ドーパミンは「楽しい」の源になる幸福物質。  エンドルフィンは、脳内麻薬とも呼ばれ、ドーパミンよりもさらに強い幸福物質。  オキシトンは「癒し」「リラックス」の物質です。  (中略)

④4つの脳内物質の中でも「感謝」と関連して、特に注目すべき脳内物質がエンドルフィンです。  エンドルフィンは他の人に感謝したとき、そして、他の人から感謝されたときにも出ると言われています。  (中略)

⑤ドーパミンも「楽しい」「幸せ」という気分を引き起こす幸福物質ですが、ドーパミンとエンドルフィンが同時に分泌されると、エンドルフィンはドーパミンの幸福感を10~20倍にも増強します。

⑥また、エンドルフィンが出ると痛みを感じなくなります。  エンドルフィンが最強の幸福物質といえるのです。  (中略)

⑦例えば、私は講演の最初に、「本日はお忙しい中、お集まりいただき、本当にありがとうございます」といった挨拶からはじめます。  本当に気持ちを込めて、感謝の気持ちをいっぱい込めて、心から「ありがとうございます」と言う。  そうすると不思議なことに、過緊張がとれていくのです。  (中略)  

⑧心の底から真に感謝できれば、「過緊張」は必ず緩和されるのです。』

 ブログを書き終わって保存するとき、なぜか全文消してしまい、再度書き直しました。  これから朝食ですが、バナナを食べてセロトニンを活性化し、心の平静を取り戻したいと思います(笑) 

 なお、本書中に次の記述がありました。

『トリプトファンは摂取後、速やかに吸収され、すぐにセロトニンの原料として動員されるので、トリプトファンを摂取するタイミングとしては、「朝」が望ましいと思います。』

 心の平静はいいのですが、右手の中指と左手の人差し指の先がちょっと痛いです。  私は左右の一本指でキーボードを叩きます。  短時間で二回分はね~(笑)

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遊び心

 FIFAワールドカップ決勝トーナメント1回戦で日本が惜敗したベルギーが、ブラジルを破ってベスト4に進出しました。  普段サッカーをあまり見ない私も、4年に1度のワールドカップだけは「にわかサッカーファン」に変身です(笑)  ワールドカップやサッカーに関連した記事2つから抜粋し、番号を付けて紹介します。

1.『本田、8強へ「遊び心」と“頼れるおっさん”』(7月1日 ベルギー戦・前日のニュースサイト「スポーツ報知」より)

『①勝てば日本史上初の8強入りとなる大一番。  MF本田圭佑(32)は16強で終わった10年南ア大会の経験を踏まえ、「遊び心」を持つよう訴えた。  FIFAランク3位の強豪に全力を尽くすだけでなく、駆け引きなどサッカーを楽しむ必要性を説いた。  (中略)

②過去2回の決勝T1回戦は僅差で敗れた。  本田も8年前、パラグアイと0―0でPK戦に突入し、敗退した。  「一生懸命頑張ることだけではない。  楽しみながらというか、『遊び心』を持ちながら未知のチャレンジが次の試合では求められる」。  若い選手にも遊び心の必要性を伝えるという。

③サッカーを楽しむ。  強豪との勝負を楽しむ。  想定外のフィジカル、技術を体感することになる1対1の局面では、どう攻略するかを楽しむ。  猪突(ちょとつ)猛進ではない。  視野を広く、心に余裕を持つことで、相手を観察でき、弱点を突く可能性は広がるという意味だろう。  「だいたい終わってから『遊び心がなかったな』と後悔してきたことが多々ある」。  南ア大会で足りなかったものを海外挑戦10年の経験から見つけた。

④心強いのは、各ポジションに経験と実績十分なベテランがいることだ。  (中略)  「精神的なところで明らかに違う。それは10年(南ア大会)を経験した選手が何人もいるということが明らかにビッグアドバンテージ」。  GK川島、DF長友、MF長谷部、FW岡崎。  今大会、存在感を発揮している面々だ。  精神面での“余力”も遊び心と柔軟性、即興性につながる。  (中略)  遊び心とともに、憎たらしいほど落ち着いてプレー出来れば日本悲願の8強入りの可能性は出てくる。』

 6月14日のブログ(「NBAファイナルに思う」)で次のように書きました。

「つらい稽古も、ハードな試合も、ステフィン・カリーのように楽しそうに飄々と乗り越えていきたいものですね。」

 上記②で本田選手が言うように、稽古も試合も一生懸命頑張ることは大前提ですが、あまり熱くなり過ぎずに、その苦しさや辛さを楽しんでしまうような心の在り方を、「遊び心」と言うのだと思います。


2.『サッカー なぜ観てしまうのか』(7月4日 朝日新聞夕刊)

『①芥川賞作家、津村記久子さんの新刊『ディス・イズ・ザ・デイ』(朝日新聞出版)は、プロサッカー2部リーグを観戦する人たちの悲喜こもごもを描く物語だ。  全国各地を拠点とする架空の22チームと、それぞれのチームを応援する人たちが、シーズン最後の試合に臨むまでを連作短編のかたちで紡ぐ。  (中略)

②小説の登場人物たちは、なぜ自分がサッカーを観るのか自問自答する。  〈そもそもどうして人間は、サッカーチームなんていうものを好きになるのか〉。  実際のサポーターのなかには「チームと苦楽をともにしたい、勝負に一喜一憂したい」と語る人もいる。

③津村さんは「お金を払うからには良い思いだけしたい、楽して何かの上澄みだけほしいと、コストパフォーマンスのことばっかり考えてる人がいる。  でも、物事の浮沈の過程を楽しめないことは面白くないですよ」と話す。

④サッカーに限らず、スポーツチームを応援することは、勝ったり負けたりを受け入れることでもある。  「効率とかは度外視で、何かの当事者になってみるところから始める人たちの豊かさが、スポーツを観ることにはあって。  そこに楽しさがあるんです」』

 ベルギー戦は深夜3時前に起きてテレビ観戦です。  日本が2点先取したときは目頭が熱くなりました。  でも、結果は3点取られて逆転負けです。  グループリーグの3試合を含め、短期間の出来事ではありましたが、上記③の「物事の浮沈の過程を楽しむ」、④の「勝ったり負けたりを受け入れる」体験ができました。

 「物事の浮沈の過程を楽しむ」・「勝ったり負けたりを受け入れる」ということで言えば、空手の試合に対する関わり方もまったく一緒だと思います。  その中で、選手は選手として、セコンドはセコンドとして、サポーターはサポーターとして、楽しみ・学ぶことができます。

 侍ジャパンが終わったので、次はチーム城西ですね(笑)

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緊張その5

 3月10日~31日まで4回続けて「緊張」をテーマに取り上げました。  今回は第5弾です。  精神科医の樺沢紫苑さんが書かれた『いい緊張は能力を2倍にする』(文響社)から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.「緊張」は味方・・・「はじめに」および「第1章 まずは「緊張」を避けずに正体を知る」より

①オリンピックの決勝戦で、世界新記録がバンバン出ます。  なぜでしょう? それは、オリンピックという「緊張」の舞台が、追い風となって、選手は最高のパフォーマンスを発揮するからこそ、世界新記録が、続出するのです。  (中略)

②緊張というのは、「味方」です。  「向かい風」ではなく、「追い風」なのです。  緊張する時に分泌されるノルアドレナリンという物質は、私たちの脳や身体のパフォーマンスを瞬時に極限まで高めてくれる物質なので、それを上手に使うことさえできれば、「緊張を味方にして最高のパフォーマンスを発揮する」ことは全く不可能ではありません。  というか、誰にでも可能です。

③(錦織圭選手・岡崎慎司選手・イチロー選手のコメントは省略)つまり、世界で活躍する超一流アスリートたちの緊張のイメージについてまとめると、「毎回、緊張する・緊張するのが当たり前・緊張は必要なもの」ということ。  (中略)  緊張が苦手な人は、「緊張は敵」と考え、世界的なアスリートは「緊張を味方」と考える。


2.深呼吸・・・「第2章 緊張を味方にする第1戦略 副交感神経を優位にする」より

①交感神経と副交感神経を併せて「自律神経」と呼ばれます。  (中略)  交感神経が優位になると、心拍数、血圧、呼吸数、体温が上がり、筋肉は緊張します。  (中略)

②この中で、自分の意思でコントロールできるのは、どれでしょう?  イスに座った状態で、心拍数を160にアップさせたり、体温を1度上昇させることができる人はいません。  しかし、「呼吸」だけは自分でコントロールできます。  (中略)  また、筋肉の緊張は、「ストレッチする」「マッサージをする」など、外的な働きかけによって、簡単にほぐすことができます。  (中略)

③呼吸に関する重要な法則があります。  それは、副交感神経は息を吐いているときに活発になり、逆に交感神経は息を吸っているときに活発になることです。  (中略)

④一番重要なのは、「全て息を吐ききる」ということ。  全て息を吐ききった瞬間に副交感神経にスイッチが入るといいます。

⑤具体的にどのように深呼吸をしていけばいいのか。  1分間で3回の深呼吸をする「1分3回深呼吸」をやってみましょう。  5秒で鼻から息を吸う・10秒かけて口から息を吐く・さらに5秒かけて、肺にある空気を全て吐ききる。  1サイクル20秒ですから、3回繰り返すとちょうど60秒、1分になります。  

⑥たった1分でも過緊張を鎮める効果は絶大です。  もし、まだ緊張が鎮まらないようであれば、2分、3分と続けてください。  (中略)

⑦(腹式呼吸で)息を吸うときに「息を吸おう」と意識すると交感神経が優位になってしまいます。  息を吸うのではなく、「息が流れ込む」感じです。  (中略)

⑧慣れてくると「呼気」の時間が長くとれるようになると思います。  そうしたら、呼気の時間を20秒、25秒と延長していきましょう。』

 残りは後日紹介します。

 ちなみに私の緊張緩和法は、40年以上続けている「立禅」です。  腹式呼吸で行いますが、呼吸自体にはあまり意識を向けません。  でも「呼吸を利用して副交感神経を優位にする」という観点からは、2.の深呼吸と原理は一緒です。  

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