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正しいことを言うときは

2月12日のブログで『「正義を語るとツキが落ちる」というのは私の信条の一つです。』と書きました。  今日は『ほどよく距離を置きなさい』(湯川久子著 サンマーク出版)の「正しいことを言うときは、ほんの少しひかえめに」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。  著者は、90歳の今も現役で活躍されている弁護士です。

『①詩人の吉野弘さんの『祝婚歌』をご存知でしょうか。  夫婦円満の秘訣が詰まった詩なのですが、生きる指針のようにも思えて、私がとても大切にしている詩です。  なかでも、一番好きな節があります。

「正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい

正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと気付いているほうがいい」

②法律相談にいらっしゃる方の中には、弁護士に聞けば法律に基づいた《正しいこと》 《正しくないこと》が明らかになり、勝ち負けの判断をしてもらえると思っている方もいらっしゃいますが、人間関係のもつれにおいて、正しさの追求は、解決を生みません。

③なぜなら、人の心において、正しさは人の数だけ存在し、真実も、その正しさの定規によって、人それぞれ違って見えるからです。(中略)

④また、明らかに自分が正しくて、相手が間違っているということがあったとしても、相手を責め、糾弾しても、何の解決にもならないのです。

⑤ものごとのとらえ方は千差万別。  夫婦であろうと、親子であろうと、それを心に留めておくと、人間関係が少しやわらかくなる気がします。

正しさを追求していると、解決から離れていくことがある・・・「正しさ」こそ、人を傷つけやすいから』


明日は内部試合です。  

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第35回ウェイト制大会・2018国際親善大会

1.4月21・22日は東京体育館で第35回ウェイト制大会が行われました。  出場選手について、結果と感想を書いてみます。

①奥寺勇輝(軽量級)・・・4回戦延長判定負け。  昨年負けたアレクサンダー・アリストフ選手に、ほぼ同じ内容で負けました。  奥寺は技がキレるという素晴らしい長所を持っています。  今後は接近戦でのガチンコ勝負でも勝てるよう、打たれ強さの強化と、突きや下段廻し蹴りに関する筋力アップが課題です。

②亘和孝(軽量級)・・・3回戦延長判定負け。  和孝と同じく、接近戦を得意とするタイプのエブゲニー・グルコフ選手に延長戦で押し切られた印象です。  普段の稽古では足払いも器用にこなしていましたが、試合では出せませんでした。  4月から専任指導員になり稽古時間も今まで以上に取れるのですから、秋の体重無差別の全日本大会に向けて一層の創意工夫が必要です。

③中川拓人(中量級)・・・3回戦判定負け。  対戦した与座優貴選手とは経験の差が出ました。  突き蹴りの威力があるのでウェイトトレーニングでさらなる威力アップをはかること、突きと下段廻し蹴りだけでなく組手の幅をもう少し広げること、が望まれます。

④池田龍星(中量級)・・・1回戦で高橋壮汰選手に延長戦判定負け。  最後は押し切られましたが、内容的には遜色なかったと思います。  今年、大学進学を機に長野支部から移籍してきました。  チーム城西で稽古して技術・トレーニング方法・戦い方がこなれてくれば、トップ選手の仲間入りも見えてくると思います。  それだけの素材の良さを感じました。

⑤加賀健弘(中量級)・・・3回戦で高橋壮汰選手に反則負け(顔面殴打)。  今年は仕上がりも良かっただけに、ちょっと残念な結果に終わりました。  しかし、顔面への突きをコントロールできないということは、IKOフルコンタクトルールでは致命的です。  今後の全日本大会や世界大会で二度とそのようなことのないよう、肝に銘じなければいけません。  捲土重来を期待します。

⑥吉田篤司(中量級)・・・1回戦でミハイル・クリシン選手に判定負け。  昨年、函館支部から移籍してきました。  この1年間、中々結果が残せていませんが、私の見る限り、着実に実力が上がってきています。  ここで腐らずに精進を続ければ、必ずどこかで結果が出ますから、あきらめないことです。  一つだけアドバイスするとしたら、攻撃を始めたら審判が「止め!」というまで畳みかけるような「しつこさ」が欲しいです。

⑦竹岡拓哉(中量級)・・・第4位。  準決勝で樋口知春選手に上段廻し蹴りの技有りを取られ、判定負け。  眼窩底骨折の疑いで病院に行き、準決勝は棄権しました(結果、骨折ではありませんでした)。  試合開始直後の左の変則廻し蹴りをもらってしまいました。  アンドレイ・チルコフ選手に勝った試合を含め、調子は良かったと思います。  竹岡は、城西に移籍してきて以後の、今回も含めた6回のウェイト制大会で、優勝1回・準優勝3回・第4位が2回と安定した成績を残しています。  体重無差別の全日本大会の入賞まで、武者小路実篤先生の書ではありませんが、「もう一息」です。

⑧吉村基(重量級)・・・1回戦で、アレクサンドル・べドシビル選手に、上段廻し蹴りの技有りを取られ、判定負け。  180センチ・96キロの基が194センチ・115キロのべドシビル選手と戦いましたが、技有り以外は互角の内容だったと思います。  ただし、秋の全日本大会からは「場外」は「注意」になりますので、回り込みは必要です。  昨年の第34回ウェイト制大会に高校3年生で出場して以来、今年2月の埼玉県大会・優勝を含め、成長が著しいと思います。  特に、攻撃にメリハリがある点、蹴りの捌きが上手い点に非凡なものを感じます。  今後はウェイトトレーニングによる突き・蹴りの威力アップが、トップ選手になれるかどうかの鍵を握っています。


2.2018国際親善大会も同時開催されました。  ウェイト制大会が行われた第3コートにかかりきりだったのでほとんど試合を見ていません。  結果を列挙します。

①諸岡幸乃・・・8歳女子・第3位。

②小野そら・・・10歳女子・第3位。

③岡部慎太郎・・・15歳男子+65㎏・優勝。

④林優一・・・壮年35歳~39歳-70㎏・優勝。

⑤中水流嘉臣・・・壮年40歳~44歳-80㎏・優勝。

※岡部慎太郎の試合はたまたま何試合か見れましたので、コメントします。  一昨年の秋季関東大会・優勝、昨年の極真祭・準優勝、そして今回の国際大会・優勝と実績を積み上げてきました。  前半は上段への蹴りをもらわないように相手をよく見ながら攻防し、後半は徐々にペースを上げながらラッシュをかけるという戦い方が安定しています。  15歳にして175センチ・90キロと体格にも恵まれており、18歳の吉村基とともに、チーム城西のネクスト・ジェネレーションのけん引役となれるよう精進してもらいたいと思います。  


3.大会後、ウェイト制出場選手およびセコンドのメンバーと食事をしました。  食事後の山辺師範代とのメールのやり取りを紹介します。

①私が先に帰った後の山辺からのメール

「山田先生、本日もご馳走になりましてありがとうございました。  今ほど明月館を出まして、解散しました。  全日本に向けて皆んな心新たに頑張るそうですので、引き続きご指導お願い致しますm(__)m」

②私の返信メール

「竹岡からもメールが来たので、次のように送りました。

『私自身、反省点の多く見えた大会でした。  いくつか修正をするつもりです。  秋の全日本大会に向け、また稽古しましょう。』

このまま、やられっぱなしでは終われません(笑)」

③山辺からの返信メール

「おはようございます。  全く同感です。  やられっぱなしでは男がすたりますね(笑)  引き続き宜しくお願い致します!」


選手・セコンド・応援の皆さん、お疲れ様でした。  私も、前日の審判講習会・全国支部長会議、土日の大会・IKOセミコンタクトルール解説、昨日の大山倍達総裁二十四年祭、今朝のこのブログまですべてが終わり、ホッと一息ついています(笑)

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リアリズムを語る

1.『不死身の特攻兵』(鴻上尚史著 講談社現代新書)を読みました。  「精神主義の末路」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①こんなエピソードがあります。  東条英機首相が飛行学校を訪れ、学生にどうやって敵機を撃ち落とすかと質問し、学生たちは「高射砲でこう撃てば・・・」と答えたら、東条は、「違う。  精神で撃ち落とすんだ」と答えたのです。

②東条は首相であり、同時に陸軍大臣でした。  首相として、まして陸軍大臣としては、これは言うべき言葉ではありません。  敵機は「精神」では撃ち落とせないのです。

③けれど、「精神」で撃ち落とすと最高責任者が言ってしまったら、撃ち落とせない時、その理由は、高射砲の性能の限界でも、アメリカ機の高性能でもなく、「精神」になってしまいます。  高射砲が届かない高高度をB29が飛び、どうしても撃ち落とせない時、おまえの「精神」が弛んでいるからだと責める理由を与えてしまうのです。

④B29に届く高性能な高射砲ではなく、「精神」が求められたのです。  ここから、「命令した側」が特攻(の採用)までたどり着くのは、じつは早いと思います。  「精神」さえあれば、レーダー網を突破し、何百機というアメリカ機をかいくぐり、正規空母を撃沈できるのだ、という論法が出てくるのです。』

2.1.に続く「リーダーとしての器」の項からも抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①おそらく、「精神で撃ち落とす」と東条首相が答えた時、周りにいた多くの生徒も飛行学校関係者もハッとして感動したはずです。  そうだ、気持ちだ、気概だ、気迫だ、それがいちばん大切なことなのだと。

②けれど、「精神」を語るのは、リーダーとして一番安易な道です。  職場の上司も、学校の先生も、スポーツのコーチも、演劇の演出家も、ダメな人ほど、「心構え」しか語りません。  心構え、気迫、やる気はもちろん大切ですが、それしか語れないということは、リーダーとして中身がないのです。

③本当に優れたリーダーは、リアリズムを語ります。  現状分析、今必要な技術、敵の状態、対応策など、です。  今なにをなすべきか、何が必要かを、具体的に語れるのです。』

城西支部をスタートさせて数年後に、ある指導者と一緒にその門下生の試合を観ていました。  門下生は下段廻し蹴りで技有りを取られてしまいます。  すると、その指導者は「うちの生徒は根性がないから」と言いました。  隣で聞いていた私は、心の中で「あなたが(下段廻し蹴りに対する)スネ受けを教えてないだけでしょう」と思っていました。

自分自身の指導技術論(指導力の無さ)を、選手の根性論(根性がない)にすり替えてはいけませんね。  私も気をつけなくちゃ(笑)

来週末は、全日本ウェイト制大会と国際親善大会です。  

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「学ぶ」の語源

1.先週の日曜日は西東京のビギナーズカップでした。  午後の部の表彰式後、次のような話をしました。

『①4月21日・22日は東京体育館で国際親善大会が行われます。  世界中から各カテゴリーのトップ選手が参加しますので、ぜひ会場に足を運んで観戦して下さい。  

②「学ぶ」の語源は「真似ぶ」です。  上手な人の「真似」をするのが、技術上達の近道です。  国際親善大会には皆さんが「真似」をすべき選手がたくさん出場します。』


2.後から調べると、「学ぶ」の語源は必ずしも「真似ぶ」ではないようです。  ネットで見つけた『小松格の『日本史の謎』に迫る』というブログには以下のように書いてありました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①「学ぶ」の語源は、弟子が師を真似ることから、「まねぶ」であるというのが国語学の常識のようになっている。  なぜこのような説が生まれたのか。  

②「まなぶ」と「まねぶ」の音がたまたま似ていることから、著名な国語学者がそう断定したからであろう。  しかし、この説には何の根拠もない。』

「他の説もある」ということでしょう。  でも、『「学ぶ」の語源は「真似ぶ」です。』と言っても、間違いではないと思います。  


3.4月4日に配信されてきた弁護士の鳥飼重和先生のメルマガに、関連する記述がありました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①他人から学ぶことには、歴史から学ぶことも含まれる。  「学ぶことは、真似ること」という言葉もあるように、なりたい人の真似から新しい自分を創り出すこともある。
  
②ハリウッドの名優、ダスティン・ホフマンはその典型だ。  アカデミー賞の授賞式での、彼のスピーチを紹介しよう。
  
③「私は、ハンフリー・ボガードの熱烈なファンだった。  彼に憧れて俳優になろうと思い、煙草の吸い方から帽子のかぶり方、何から何までボガードの真似をしたよ。  つまり私は、ボガードを真似して真似して、ダスティン・ホフマンになったんだ」( 『人生はニャンとかなる』水野敬也・長沼直樹/著 文響社 )
  
④真似ることは、学ぶ人の個性をも引き出すようである。』

ハンフリー・ボガードって分かるかな~(笑)

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