2017.09.24 Sun
速筋と遅筋 その2
7月9日のブログのタイトルは『速筋と遅筋』でした。 今回は『背すじは伸ばすな!』(山下久明著 光文社新書)から『速筋と遅筋』について抜粋し、番号を付けて紹介します。
『①筋肉の凝りや痛みは、筋肉を休めれば回復しますが、休んでもらっては困る筋肉もあります。 それが内臓筋です。 例えば、心臓や肺を動かす筋肉がそれにあたります。 (中略)
②一方、手足を動かす筋肉は、運動神経の支配を受けていますので、あなたの意志で動かすことができます。 これを骨格筋といいます。
③肺を動かす筋肉も自律神経がコントロールしている内臓筋ですが、こちらは意志によって動かすことができます。 たとえば「深呼吸をしよう」と思えば、いつでもできますよね。 肺は内臓筋でありながら骨格筋としての性格も併せ持っているので、運動神経からのコントロールが効くのです。
④このように、内臓筋と骨格筋の両方の性格を持つ筋肉が体には存在していて、姿勢を支える筋肉もそうしたたぐいの筋肉なのです。
⑤内臓筋が凝って硬くなるようでは困ります。 まさに生死に関わりますから、凝りが戻るまで休ませるわけにもいきません。 ですから、何としても疲れにくい筋肉にする必要があります。
⑥では、どうすればよいのでしょう。 一つには血流を良くしておいて、(凝りの原因となる)乳酸をどんどん洗い流すという手が考えられます。 たとえば心臓の筋肉なら、常に血液が出入りしているので、それが可能かもしれません。
⑦でも、最初から乳酸の生成を抑えられるなら、それに越したことはありません。 乳酸は、糖類(主にブドウ糖)から手っ取り早くエネルギーを取り出すときに出てくる副産物ですが、脂肪酸からエネルギーを取り出せば、乳酸はできません。
⑧脂肪酸とは要するに脂肪のことで、体は余ったエネルギーを細胞の中に脂肪酸として蓄えています。 この脂肪酸を利用している筋肉は、乳酸が発生して凝って硬くなってしまうことがありません。 ただし、脂肪酸からエネルギーを取り出すには時間がかかりますので、早い動きに対応できないのです。 こうした筋肉を遅筋と呼んでいます。
⑨一方、糖類をエネルギー源として素早い動きができる筋肉を速筋と呼んでいます。
⑩遅筋と速筋は、それぞれ独立して存在しているわけではありません。 特別な筋肉を除けば、一つの筋肉の中に遅筋と速筋が混ざりあっているのです。 内臓筋には遅筋が多いほうが有利ですが、手足を動かす筋肉には、速筋が多いほうが速い動きに対応できますので有利です。
⑪この遅筋と速筋の配合比率は、筋肉によって最初から異なり、それぞれの使用目的もあらかじめ想定されていることになります。 そのため、間違った筋肉を姿勢維持のために使うようなことをすれば、筋肉痛や凝りが起きても不思議はないのです。』
『①筋肉の凝りや痛みは、筋肉を休めれば回復しますが、休んでもらっては困る筋肉もあります。 それが内臓筋です。 例えば、心臓や肺を動かす筋肉がそれにあたります。 (中略)
②一方、手足を動かす筋肉は、運動神経の支配を受けていますので、あなたの意志で動かすことができます。 これを骨格筋といいます。
③肺を動かす筋肉も自律神経がコントロールしている内臓筋ですが、こちらは意志によって動かすことができます。 たとえば「深呼吸をしよう」と思えば、いつでもできますよね。 肺は内臓筋でありながら骨格筋としての性格も併せ持っているので、運動神経からのコントロールが効くのです。
④このように、内臓筋と骨格筋の両方の性格を持つ筋肉が体には存在していて、姿勢を支える筋肉もそうしたたぐいの筋肉なのです。
⑤内臓筋が凝って硬くなるようでは困ります。 まさに生死に関わりますから、凝りが戻るまで休ませるわけにもいきません。 ですから、何としても疲れにくい筋肉にする必要があります。
⑥では、どうすればよいのでしょう。 一つには血流を良くしておいて、(凝りの原因となる)乳酸をどんどん洗い流すという手が考えられます。 たとえば心臓の筋肉なら、常に血液が出入りしているので、それが可能かもしれません。
⑦でも、最初から乳酸の生成を抑えられるなら、それに越したことはありません。 乳酸は、糖類(主にブドウ糖)から手っ取り早くエネルギーを取り出すときに出てくる副産物ですが、脂肪酸からエネルギーを取り出せば、乳酸はできません。
⑧脂肪酸とは要するに脂肪のことで、体は余ったエネルギーを細胞の中に脂肪酸として蓄えています。 この脂肪酸を利用している筋肉は、乳酸が発生して凝って硬くなってしまうことがありません。 ただし、脂肪酸からエネルギーを取り出すには時間がかかりますので、早い動きに対応できないのです。 こうした筋肉を遅筋と呼んでいます。
⑨一方、糖類をエネルギー源として素早い動きができる筋肉を速筋と呼んでいます。
⑩遅筋と速筋は、それぞれ独立して存在しているわけではありません。 特別な筋肉を除けば、一つの筋肉の中に遅筋と速筋が混ざりあっているのです。 内臓筋には遅筋が多いほうが有利ですが、手足を動かす筋肉には、速筋が多いほうが速い動きに対応できますので有利です。
⑪この遅筋と速筋の配合比率は、筋肉によって最初から異なり、それぞれの使用目的もあらかじめ想定されていることになります。 そのため、間違った筋肉を姿勢維持のために使うようなことをすれば、筋肉痛や凝りが起きても不思議はないのです。』