2016.09.21 Wed
歴史法則
『「覇権」で読み解けば世界史がわかる』(神野正史著 祥伝社)を読みました。 過去に覇権を握った、ローマ帝国・中華帝国・イスラーム帝国・大英帝国・アメリカ合衆国について考察しています。 文中、まとめ的に38の「歴史法則」が書かれています。 「歴史法則」の01から38までを列挙します。
『第1章 ローマ帝国
01・何事にもバランスが取れた体制・システムが安定と長寿の秘訣。 何かひとつの理念を「理想」としてそれに偏重した組織は、一面に強さを見せるが適応能力に弱く、短命に終わる。
02・バランスを失ったとき、為政者に富や権利の再分配をする柔軟性があるかどうかが国家再建の分岐点となる。
03・組織の安定は対外的膨張を促す。
04・急激な変化は、組織を破壊する。
05・殷富(いんぷ・・・富み栄えること)は富の偏在を促し、富の偏在は秩序を破壊する。
06・自己修正能力を失った組織は崩壊に向かう。 しかし、その前に「変質」というもう一段階を経ることがある。
07・旧秩序の破壊者、新秩序の開拓者は葬られる。
08・たとえ「新秩序の開拓者」を葬ろうとも、「新秩序そのもの」を葬り去ることはけっしてできない。 別の者によって承継されるのみ。
09・人は絶望に追い込まれると妄想に救いを求めるため、国家が崩壊過程にある時は新興宗教が跋扈することが多い。 そしてそれが国を亡ぼす元凶となることも珍しくない。
10・領域の拡大が臨界点に達したとき、一気に崩壊が始まる。
第2章 中華帝国
11・大きな時代の転換期には「過渡期」が必要になる。
12・国庫が傾いたとき、その原因の問題解決を図ることなく、安易な増税に走る政府はほどなく亡びる。
13・限度を超えた増税は混乱を招くどころか、むしろ減収となり国家寿命を縮める。
14・法は万能ではない。 これを理解できず、万能なものとして国家運営を図れば混乱を招く。
15・ホンモノの悪党というのは善人ヅラしている。
16・その国の成立・発展の礎となったものが、その国の衰退・滅亡の原因となっていく。
17・歴史の流れに逆らう者はかならず歴史によって屠られる。
18・権力はかならず腐敗する。 これを防ぐ手立ては存在しない。
19・歴史は繰り返す。 延々と。
20・荒廃の時代、人口を増やすことが国を安全に向かわせるが、安定の時代になると、その増えすぎた人口が国を亡ぼす。
21・経済大国は軍事大国とならざるを得ないが、軍事費は財政を蝕む。
22・外交において、敵に弱腰を見せればたちまち骨までしゃぶられる。
23・混迷な時代には英雄が現れて、平和な時代へ導き、平和な時代には奸賊が現われて、混迷の時代へ導く。
第3章イスラーム帝国
24・次世代の光は辺境より現れる。
25・偉大な指導者によって打ち建てられた政権は、その指導者を失ったとき、崩壊の危機に陥る。
26・名君によって打ち建てられた政権は短命。 凡君によって打ち建てられた政権は長命。
27・内なる崩壊は外からの圧力によって止まる。
28・国内矛盾を対外膨張戦争で押さえ込んだ国は、つねに膨張しつづけることを余儀なくされる。
29・自国防衛を外民族に委ねるようになった国は亡びる。
30・平和が社会を腐敗させ、繁栄が混乱と衰退を招き寄せる。
31・どんなにすばらしい思想・教え・理念・制度もかならず古くなる。
第4章 大英帝国
32・利点と欠点はつねに表裏一体。
33・のちの崩壊の原因は、絶頂の只中で生まれる。
第5章 アメリカ合衆国
34・内乱や改革は、体内の癌を取り出す外科手術。 成功すれば健康を取り戻し、失敗すれば死ぬ。
35・歴史は「勝者」によって紡がれる。 勝者は自分の犯した悪逆非道のすべてを「敗者」に押し付ける。
36・すべての時代は、その時代ごとの「前提条件」に支えられて成立しているため、条件が変われば時代も変わらざるを得ない。
37・「国家の特性」が「その時代の特性」とピッタリと符合した国でなければ、その時代の覇者になることはできない。 したがって、時代が移り変わり、その性質が変化したとき、旧時代の覇者は新時代の特性と合わなくなるため、衰退せざるを得ない。
38・不敗は「権威」を育み、権威は支配を容易にする。 しかし、一度でも傷ついた権威は二度と元に戻ることはない。』
私の趣味の筆頭は「歴史(読書・テレビ鑑賞)」です。 「興味深く読んだ」という意味で、人生で三本の指に入る歴史書でした。
『第1章 ローマ帝国
01・何事にもバランスが取れた体制・システムが安定と長寿の秘訣。 何かひとつの理念を「理想」としてそれに偏重した組織は、一面に強さを見せるが適応能力に弱く、短命に終わる。
02・バランスを失ったとき、為政者に富や権利の再分配をする柔軟性があるかどうかが国家再建の分岐点となる。
03・組織の安定は対外的膨張を促す。
04・急激な変化は、組織を破壊する。
05・殷富(いんぷ・・・富み栄えること)は富の偏在を促し、富の偏在は秩序を破壊する。
06・自己修正能力を失った組織は崩壊に向かう。 しかし、その前に「変質」というもう一段階を経ることがある。
07・旧秩序の破壊者、新秩序の開拓者は葬られる。
08・たとえ「新秩序の開拓者」を葬ろうとも、「新秩序そのもの」を葬り去ることはけっしてできない。 別の者によって承継されるのみ。
09・人は絶望に追い込まれると妄想に救いを求めるため、国家が崩壊過程にある時は新興宗教が跋扈することが多い。 そしてそれが国を亡ぼす元凶となることも珍しくない。
10・領域の拡大が臨界点に達したとき、一気に崩壊が始まる。
第2章 中華帝国
11・大きな時代の転換期には「過渡期」が必要になる。
12・国庫が傾いたとき、その原因の問題解決を図ることなく、安易な増税に走る政府はほどなく亡びる。
13・限度を超えた増税は混乱を招くどころか、むしろ減収となり国家寿命を縮める。
14・法は万能ではない。 これを理解できず、万能なものとして国家運営を図れば混乱を招く。
15・ホンモノの悪党というのは善人ヅラしている。
16・その国の成立・発展の礎となったものが、その国の衰退・滅亡の原因となっていく。
17・歴史の流れに逆らう者はかならず歴史によって屠られる。
18・権力はかならず腐敗する。 これを防ぐ手立ては存在しない。
19・歴史は繰り返す。 延々と。
20・荒廃の時代、人口を増やすことが国を安全に向かわせるが、安定の時代になると、その増えすぎた人口が国を亡ぼす。
21・経済大国は軍事大国とならざるを得ないが、軍事費は財政を蝕む。
22・外交において、敵に弱腰を見せればたちまち骨までしゃぶられる。
23・混迷な時代には英雄が現れて、平和な時代へ導き、平和な時代には奸賊が現われて、混迷の時代へ導く。
第3章イスラーム帝国
24・次世代の光は辺境より現れる。
25・偉大な指導者によって打ち建てられた政権は、その指導者を失ったとき、崩壊の危機に陥る。
26・名君によって打ち建てられた政権は短命。 凡君によって打ち建てられた政権は長命。
27・内なる崩壊は外からの圧力によって止まる。
28・国内矛盾を対外膨張戦争で押さえ込んだ国は、つねに膨張しつづけることを余儀なくされる。
29・自国防衛を外民族に委ねるようになった国は亡びる。
30・平和が社会を腐敗させ、繁栄が混乱と衰退を招き寄せる。
31・どんなにすばらしい思想・教え・理念・制度もかならず古くなる。
第4章 大英帝国
32・利点と欠点はつねに表裏一体。
33・のちの崩壊の原因は、絶頂の只中で生まれる。
第5章 アメリカ合衆国
34・内乱や改革は、体内の癌を取り出す外科手術。 成功すれば健康を取り戻し、失敗すれば死ぬ。
35・歴史は「勝者」によって紡がれる。 勝者は自分の犯した悪逆非道のすべてを「敗者」に押し付ける。
36・すべての時代は、その時代ごとの「前提条件」に支えられて成立しているため、条件が変われば時代も変わらざるを得ない。
37・「国家の特性」が「その時代の特性」とピッタリと符合した国でなければ、その時代の覇者になることはできない。 したがって、時代が移り変わり、その性質が変化したとき、旧時代の覇者は新時代の特性と合わなくなるため、衰退せざるを得ない。
38・不敗は「権威」を育み、権威は支配を容易にする。 しかし、一度でも傷ついた権威は二度と元に戻ることはない。』
私の趣味の筆頭は「歴史(読書・テレビ鑑賞)」です。 「興味深く読んだ」という意味で、人生で三本の指に入る歴史書でした。