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歴史法則

『「覇権」で読み解けば世界史がわかる』(神野正史著 祥伝社)を読みました。  過去に覇権を握った、ローマ帝国・中華帝国・イスラーム帝国・大英帝国・アメリカ合衆国について考察しています。  文中、まとめ的に38の「歴史法則」が書かれています。  「歴史法則」の01から38までを列挙します。

『第1章 ローマ帝国

01・何事にもバランスが取れた体制・システムが安定と長寿の秘訣。  何かひとつの理念を「理想」としてそれに偏重した組織は、一面に強さを見せるが適応能力に弱く、短命に終わる。

02・バランスを失ったとき、為政者に富や権利の再分配をする柔軟性があるかどうかが国家再建の分岐点となる。

03・組織の安定は対外的膨張を促す。

04・急激な変化は、組織を破壊する。

05・殷富(いんぷ・・・富み栄えること)は富の偏在を促し、富の偏在は秩序を破壊する。

06・自己修正能力を失った組織は崩壊に向かう。  しかし、その前に「変質」というもう一段階を経ることがある。

07・旧秩序の破壊者、新秩序の開拓者は葬られる。

08・たとえ「新秩序の開拓者」を葬ろうとも、「新秩序そのもの」を葬り去ることはけっしてできない。  別の者によって承継されるのみ。

09・人は絶望に追い込まれると妄想に救いを求めるため、国家が崩壊過程にある時は新興宗教が跋扈することが多い。  そしてそれが国を亡ぼす元凶となることも珍しくない。

10・領域の拡大が臨界点に達したとき、一気に崩壊が始まる。


第2章 中華帝国

11・大きな時代の転換期には「過渡期」が必要になる。

12・国庫が傾いたとき、その原因の問題解決を図ることなく、安易な増税に走る政府はほどなく亡びる。

13・限度を超えた増税は混乱を招くどころか、むしろ減収となり国家寿命を縮める。

14・法は万能ではない。  これを理解できず、万能なものとして国家運営を図れば混乱を招く。

15・ホンモノの悪党というのは善人ヅラしている。

16・その国の成立・発展の礎となったものが、その国の衰退・滅亡の原因となっていく。

17・歴史の流れに逆らう者はかならず歴史によって屠られる。

18・権力はかならず腐敗する。  これを防ぐ手立ては存在しない。

19・歴史は繰り返す。  延々と。

20・荒廃の時代、人口を増やすことが国を安全に向かわせるが、安定の時代になると、その増えすぎた人口が国を亡ぼす。

21・経済大国は軍事大国とならざるを得ないが、軍事費は財政を蝕む。

22・外交において、敵に弱腰を見せればたちまち骨までしゃぶられる。

23・混迷な時代には英雄が現れて、平和な時代へ導き、平和な時代には奸賊が現われて、混迷の時代へ導く。


第3章イスラーム帝国

24・次世代の光は辺境より現れる。

25・偉大な指導者によって打ち建てられた政権は、その指導者を失ったとき、崩壊の危機に陥る。

26・名君によって打ち建てられた政権は短命。  凡君によって打ち建てられた政権は長命。

27・内なる崩壊は外からの圧力によって止まる。

28・国内矛盾を対外膨張戦争で押さえ込んだ国は、つねに膨張しつづけることを余儀なくされる。

29・自国防衛を外民族に委ねるようになった国は亡びる。

30・平和が社会を腐敗させ、繁栄が混乱と衰退を招き寄せる。

31・どんなにすばらしい思想・教え・理念・制度もかならず古くなる。


第4章 大英帝国

32・利点と欠点はつねに表裏一体。

33・のちの崩壊の原因は、絶頂の只中で生まれる。


第5章 アメリカ合衆国

34・内乱や改革は、体内の癌を取り出す外科手術。  成功すれば健康を取り戻し、失敗すれば死ぬ。

35・歴史は「勝者」によって紡がれる。  勝者は自分の犯した悪逆非道のすべてを「敗者」に押し付ける。

36・すべての時代は、その時代ごとの「前提条件」に支えられて成立しているため、条件が変われば時代も変わらざるを得ない。

37・「国家の特性」が「その時代の特性」とピッタリと符合した国でなければ、その時代の覇者になることはできない。  したがって、時代が移り変わり、その性質が変化したとき、旧時代の覇者は新時代の特性と合わなくなるため、衰退せざるを得ない。

38・不敗は「権威」を育み、権威は支配を容易にする。  しかし、一度でも傷ついた権威は二度と元に戻ることはない。』


私の趣味の筆頭は「歴史(読書・テレビ鑑賞)」です。 「興味深く読んだ」という意味で、人生で三本の指に入る歴史書でした。

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わらしべ長者

『アメリカでは成功した人が公共施設に巨額の寄付をし、自分の名前を冠してもらうことがある。
 
ある大学でこけら落としが挙行され、図書館建設のために莫大な援助をした実業家が、大勢の学生を前にして、来賓として記念講演をした。
 
「みなさん、これから、いかにしてわたしが巨万の富を築き上げたかをお話ししたいと思います。
 
①十七歳のとき、道ばたでリンゴを一個拾いました。

②そこでそのリンゴをきれいに磨き上げて売りました。
 
③手に入れた金で新たにリンゴを二つ買いました。
 
④そしてまたその二つのリンゴを売って、手に入れた金で四つのリンゴを買いました。
 
⑤こうして二週間後にはリンゴを入れるかごも買うことができました。
 
⑥こんなふうに粒々辛苦して、半年後にはリンゴを運ぶための小さな車を買うことができました。
 
⑦そしてこの時です。
 
⑧わたしの祖父が突然この世を去り、数億ドルの遺産がわたしに転がり込んできたのです。」』
                                     
9月8日に配信されてきた本郷孔洋先生のメルマガからの引用です(笑) 


大分涼しくなってきました。  食欲の秋、読書の秋、行楽の秋、芸術の秋、の到来ですね。

チーム城西にとっては、そろそろ『追い込みの秋』です。  悔いを残さないよう、頑張りましょう。

カガ~、頼むよ~!  内輪ネタです(笑)

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極真空手50年の全技術

(1)①過去に空手関係では3冊の本を出版しました。  空手や試験勉強の上達のコツを書いた『やればできる!能力開発と目標達成』(1993年2月28日初版・日本実業出版社)、城西の組手技術を解説した『最強の極真空手 城西テクニック編』(1996年5月20日初版・スキージャーナル社)、黒澤浩樹(第16回全日本チャンピオン)との対談集『極真対論「勝負の諸相」』(1996年11月20日初版・スキージャーナル社)がそれです。  

②20年ぶりに『極真空手50年の全技術』(ベースボールマガジン社)という本を書きました。  私は第3回全日本大会から全て観ていますが、その後の45年間の技術発展の歴史を解説した内容となっています。  最近読んだ『教養としての日本哲学』(小川仁志著 PHP刊)の「はじめに」の中に「第1章は日本哲学の歴史について概要を学んでいただきます  何事も歴史という時間軸の中で整理するのがわかりやすいと思えるからです。」という文章がありました。  組手技術も、歴史という時間軸の中で整理するのが一番わかりやすいと思い、執筆しました。

③書店発売は9月15日です。  城西支部でも、若干の部数を特別価格で販売しますが、ベースボールマガジン社の新潟支社から、早くて16日の出荷となる予定なので、お渡しできるのは書店発売日よりは数日遅れると思います。  ご希望の方は、9月9日付けの指導員ブログを読んで下さい。


(2)指導員ブログと言えば、下高井戸道場の土曜日・一般部を指導している徳久無限の書いている『極真祭に出るまで』という記述を感心して読んでいます。  8月20日の極真祭の「35~39歳男子-75㎏級」で3位になった徳久先生が、大会出場を決めてからのトレーニング内容が書いてあります。

極真の試合には、次のようなステップで臨むべきです。

①現状把握・・・前回の試合で検証した自分の長所・短所、今回の試合の自分と同じカテゴリー出場選手全体の中における自分の相対的な実力レベル、強豪選手の長所・短所、試合までの期間、試合までに取れる稽古時間(仕事や学校があれば時間的な制約が出てくるので)

②仮説を立てる・・・①を正確に把握したことを前提として、試合までにどのようなトレーニング(技・パワー・スタミナ)をすれば、優勝・入賞できるのか。  試合直前の調整はどうするのか(試合当日には稽古疲れが取れていることが必要なので)。  どの相手とは、どのように戦えばよいのか、事前にイメージしておく。

③稽古量を積む・・・②で立てた仮説に基づいて、実際に稽古を重ねる。  空手というのは分かっただけではだめで、それを体に覚え込ませることが必要なので、ある程度の稽古量(技・パワー・スタミナ)が必要になる。  対戦者別のイメージに沿って、実際に体を動かしておく。

④実際の試合で検証する・・・実際に試合で戦って、自分の実力(技・パワー・スタミナ)を発揮する。  対戦相手との戦いにおいて、事前のイメージ通りの攻防でない場合には、試合中に戦い方を変化させることも必要。  

ある試合を目指して①~④のステップをこなした後は、次の試合に向けて新たな①~④のステップを踏むことになります。  ①~④のステップを正しく繰り返していけば、実力は必ず向上していきます。  もし、実力の伸びが見られないとしたら、①~④のどこかが正しく機能していないわけです。

徳久先生のブログを読むと、上記①~④について、きわめて科学的・合理的にステップを踏んでいることがよくわかります。  強くなるには、ただ体を動かして汗を流しているだけではダメです。  ある意味、体以上に頭を使うことが重要です。

今年の全日本大会に出場する選手たちにも、是非読んで参考にしてもらいたいと思います。


(3)①掌道鍼灸整骨院の菊澤政夫院長が『極真アーカイブス』というシリーズで、松井館長や城西OBの、過去の試合をアップしてくれています。  私は『newshodo-YouTube』というサイトで観ています。  

②落合道場で保管していた古いビデオの中には壊れていたものもあり、菊澤院長はわざわざ修理に出して、アップしてくれました。  危うく、過去の大事な映像が永遠に失われるところでした。  菊澤院長には本当に感謝しています。  

③新ルールで足掛けや捌きが有効になりました。  過去の試合では、それらが多用されています。  参考にして下さい。

(4)昨日は広島が25年ぶり7度目のリーグ優勝を果たしました。  城西支部も24年ぶり5度目の全日本大会優勝になればいいな~(笑)

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キャディとの約束

『明日をちょっぴりがんばれる48の物語』(西沢泰生著 青春文庫)を読みました。  第7話『無名のプロゴルファーがキャディと交わした約束』から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①フィジー出身のインド系プロゴルファー、ビジェイ・シン選手。  2004年に世界ランキング1位になり、その翌年には「世界ゴルフ殿堂入り」も果たしている、世界でも指折りの名選手です。

②しかし、このシン選手、プロデビューしたあと、はじめはまったく活躍ができず、世界のメジャー大会どころか、日本のプロゴルフツアーに参加しても、パッとした成績を残せませんでした。

③そんな彼が、世界の一流プレーヤーの仲間入りができた理由。  その理由について、シン選手自身はこう言っているのです。  「私が一流選手になれた理由は、キャディとある約束をしてそれを守ったから。  そのたった1つしか思い浮かばない」  いったい、その「キャディとのたった1つの約束」とは、どんなものだったのでしょう?

④プロゴルファーというのは、その日のプレーが終わっても、たいがいの選手はすぐにはシャワー室へ行かず、ゴルフ場内にある「パットの練習グリーン」へ行って、当日のプレーを思い返しながら「パットの練習」を繰り返してからグリーンをあとにするのだそうです。

⑤もちろん、シン選手も、よほどのことがないかぎり、他のプレーヤーに混じって、パットの練習をしてからゴルフ場をあとにしていました。  シン選手がキャディと交わした、「自分を一流プレーヤーへ成長させてくれた唯一の理由」となった約束とは、次のようなものでした。

⑥「いつも、その日の練習グリーンを最後に立ち去るプロゴルファーになる」

⑦そうです。  必ず、「最後の1人になるまで練習を続ける」というのが、キャディとの約束。  シン選手は、その約束を実直に守って、いつもいつも、最後の1人になるまでパットの練習をしていたら、いつの間にか、世界のトッププレーヤーになっていたというわけです。』

稽古というのは質と量の2つの面から成り立ちます。  城西の空手は、常に創意工夫することによって質を高めることに重点を置いています。

しかし、今週の朝練でも話しましたが、貯金のように、稽古の量(特にスタミナトレーニング)を積んでおくことも、トップに立つための絶対条件です。  対戦相手に、フィジカルの3要素(技・パワー・スタミナ)でまさり、なおかつ、稽古の質と量でまさっていれば、絶対に負けるわけがありません。

11月の全日本大会を考えると、涼しくなってくる9月の稽古量が勝負です。  みんな、たのむよ~(笑)

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