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本山博先生『人生の探求』

本山博先生と渡部昇一先生との対談集『霊の研究 人生の探求』(致知出版社)を読みました。  本山先生については2009年10月7・8日のブログでも、稲盛和夫さんとの対談集『人間の本質』(PHP研究所)を取り上げたことがあります。  抜粋して紹介します。

『1.渡部・・・霊的な成長とか霊的な修養をするためには、人の役に立つ、自分の仕事を成就させるというほかに、どういうことがありますか。

本山・・・夢中になることですね。  自分を忘れて仕事になりきれるような人でないと仕事はできないです。

渡部・・・そのときに、霊的な成長があるんですか。

本山・・・それで自分がなくなったらね。  神様は、自分に枠があったら枠の中でそれが成り立つように動いてくださるけれど、枠がなくなったらいつでも神様のところに行けるんです。  だから自分を忘れるほど夢中になれる人は、ものができる人ですよ。  
 
 そういう人は、信仰はなくても、神様が何かわからなくても、人間の存在の小ささというものに触れられる。  そうすると、自然に何かを信じるようになるんです。

 だから、何も「神様、神様」とお祈りすればいいわけではない。  御利益(ごりやく)信仰(・・・御利益を求めて信仰すること)というのは、自分を持ったまま神様と取引しているから、霊的な成長は起きないですね。


2.渡部・・・砂漠の中で瞑想なんかしている聖人もいたわけですね。  瞑想しているだけでそれを(人に)説かなければ、あまり人の役に立たないわけですが、そういう人の霊魂はどうなのでしょうか。

本山・・・瞑想して本当に自分が瞑想になりきって、神様のほうをいつも向いて自分をすべて神様に任せていれば、砂漠であろうとどこでも同じですよ。

渡部・・・人の役に立とうなんてことは考えなくていいわけですか。

本山・・・自然に人の役に立つようになっているのですよ。  というのはね、人の役に立つというのは、何かをして役に立つのではなくてもいいわけです。  たとえば、机は「わしがみんなを支えているぞ」とはいわないと思うけれども、役に立っているでしょう。

 そういうふうにすべてを神様に任せて自分の役割を淡々と果たしていけば、必ず霊的成長が起きているんです。  一生懸命に自分のするべきことをする。  いつも真剣に取り組んでいれば、それでいい。  そういう心がけで生きていけばいいですよ。  そうすればこの世界でも成長できるし、霊性も高まるんですよ。』

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第23回全関東大会

1.昨日は墨田区総合体育館で第23回全関東大会です。  城西からも多数の選手が出場しました。  入賞した選手について感じたことを書いてみます。  いつもの通り8面コートの同時進行だったので、各選手の試合をもれなく見るのは大変でした。  見逃した試合の結果を聞こうとセコンドに付いた先生に電話しても中々出てくれないし(笑)。  

①中水流梨央(小学3年生女子の部・優勝)・・・2大会続けて技ありを取られて負けていた城北の岩本選手と準決勝で当たり、今度は逆に技ありを取って勝ちました。  1回戦・2回戦も技あり2本を立て続けに取り、圧勝でした。  昨年末の秋季関東大会後のブログに「アグレッシブさのあまり背骨を中心とした体軸がブレる(わかりやすく言うと、頭が大きく動く)傾向があり、準決勝ではそこを相手につかれたようにも見えました。」と書きましたが、それも修正されていたようです。  そのブログでは防御面を指摘したわけですが、その修正は攻撃面でも活きてきました。  体の軸がぶれなくなったため、スムーズに(相手に悟られることなく)上段の技ありが取れたのだと思います。

②金子雄大(中学1年生男子-50㎏級・準優勝)・・・昨年は中学受験準備があり、久しぶりに雄大の試合を見ましたが、その試合巧者ぶりは健在でした。  雄大の一番の良さは技のつなぎがスムーズなことだと思います。  特に①突き、②他の蹴り、③フットワークによる体軸の移動、などから上段前蹴りにつなぐ流れの良さは最高です。  相手からすると気付かない(見えない)うちに蹴りをもらってしまうのだと思います。  現在の体重が36㎏で決勝では49㎏の相手にパワー負けした印象です。  体作りのために徐々に食事の量を増やすことが必要でしょう。

③岡部慎太郎(中学1年生男子+50㎏級・第3位)・・・体が大きい割には細かい動きもでき、突きも威力がありそうで、さらに蹴りも上下に振り分けが効くオールラウンドプレーヤーです。  将来的には久米川道場で直接指導を受けている鎌田翔平のような大型選手にもなれる可能性を持っています。  準決勝は若干スタミナが切れたのか、相手選手のうまさに呑み込まれた印象です。

④佐藤拓海(高校1年生男子+65㎏級・第3位)・・・6月末の内部試合の一般の部で優勝したのを見て、だいぶ力を付けてきたとの印象を持ちましたが、今回も同様でした。  特に上段への蹴りにキレがあります。  今後は突きの強化やウェイトトレーニングによって組手に力強さが出てくればと思います。  ただ一つだけ気になったのは準決勝の最後で試合をあきらめて投げてしまったように見えたことです。  大きな試合になればなるほど、勝ち進めば進むほど、実力差というのはそれほどあるものではありません。  だとすると、優勝するのに必要なのは苦しい局面をしのぐ「我慢」の精神です。

⑤中水流嘉臣(壮年35歳以上39歳以下男子-80㎏級・優勝)・・・父娘のダブル優勝となりました。  梨央同様に体幹の強さが特長です。  その体幹の強さを活かした突きと膝蹴りのラッシュは相当の威力を持っているように感じました。  決勝の相手は中水流さんより10センチほど背が高く、試合開始直後はやや押される場面も見受けられました。  ただ、速筋系の選手なのか後半スタミナが切れてきたようで、そこからは中水流さんのペースになりました。  昨秋の梨央同様、アグレッシブさのあまり背骨を中心とした体軸が若干ブレるのでそこを修正することと、コンビネーションや受け返しの技術をさらに緻密・正確なものにしていくことが必要です。

⑥高橋敏(壮年40歳以上44歳以下-80㎏級・準優勝)・・・昨年末の秋季関東大会とほぼ同様の講評になりますが、準決勝までは高橋さんのアグレッシブさや力強さが前面に出た良い内容だったと思います。  また決勝も昨秋同様に組手の緻密さの差が出てしまいました。  とはいえ、徐々に修正されてきてもいますので、次こそは優勝を目指してほしいと思います。

⑦塩田博之(壮年45歳以上男子-70㎏級・第3位)・・・準々決勝までは塩田さんらしい落ち着いた良い組手だったと思います。  塩田さんと旗手さん、菊池さんの準決勝がHコートで3試合続いたのですが、他のコートの試合を見ていて見逃してしまいました。  申し訳ありません。  勝手に塩田さんと旗手さんの決勝になったものと勘違いしており、山辺から二人とも負けたと聞いて正直ちょっとがっかりしました(笑)。  次回は是非塩田さんと旗手さんの決勝が見たいです。

⑧旗手浩(壮年45歳以上男子-70㎏級・第3位)・・・タイプは違いますが、塩田さん同様、組手に独特のセンスが感じられます。  難を言うなら、もう少し力強さが欲しいところです。  ウェイトトレーニングによる筋力強化が望まれます。

⑨菊池晃二(壮年45歳以上男子-80㎏級・第3位)・・・パワーを活かした組手で初戦を勝ち上がりました。  塩田さん・旗手さん同様準決勝を見逃しました。  でも今後安定的に優勝を狙うには、更なるパワーアップを図り自分の良さを生かすと同時に、受け返しなどの技術も磨いていくことが必要だと思います。

いずれにしても、入賞した皆さんおめでとうございます。  次回も、優勝した人は連覇を、優勝を逃した人は優勝を目指して工夫・精進してください。  時間的・紙面的に入賞者に対するコメントしかできませんが、残念ながら入賞を逃した人も次回の入賞を目指して稽古に励んでもらいたいと思います。  


2.空手道というのは文字通り「道」ですから長年にわたる修行の継続を経て心身ともに自分を鍛えていくものです。

昨晩お目にかかった今野充昭先生から頂いた著書に、空手道における『試合の重要性』について書かれた文章がありましたので、抜粋し、番号を付けて紹介します。  今野先生は、オランダで40年近く空手の指導に当たられている方で、昨日の懇親会ではヤン・カレンバッチ先生などオランダの先生方との通訳を務めていただきました。

『①勝つことを目標として、ある一定のルールのもとで互いに全力をかけて行なう練習方法が試合です。  空手を学んでいく上でも普段の練習では、決して学ぶことができない多くのものが試合の中には隠れています。

②試合は、空手の技やその使い方の進歩などを客観的に見つめ直すこともできて、その段階で備わっている空手のすべてを試してみるよい機会です。  そして、勝っても負けても、その後の空手に多くのものを、特に精神上の問題を、何より多く提示してくれるのが試合です。

③過度に緊張し過ぎたりすることなく、また、何気なく試合に参加するといった放漫に流されることなく、機会があれば、最初は小さな試合へ参加しながら、徐々にレベルの高い試合に出場し、精神を統一して、勝つことに執念を燃やすことが、空手の上達にとっては不可欠なことです。』

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マスク

1.ブラジル大会の時差ボケも取れ、ブラジル滞在中に増えた体重もやっと戻ってきました。  今日は16時から日韓国交正常化記念式典、明日は全関東大会、夜はオランダオリンピック委員会の方々などとの懇親会です。  オランダからは伝説の人であるカレンバッチ先生も来られるそうです。  


2.カミさんが通っている美容院で読んだ雑誌記事の写メを送ってきました。  ブログで何回か紹介している帯津良一先生の対談記事です(家庭画報7月号)。  抜粋して紹介します。

『帯津・・・そもそも私はマスクが大嫌いで。  特に医療者はマスクをしちゃいかんというのが私の持論なんです。

加賀美( 幸子アナウンサー)・・・え?  どういう意味でしょう。

帯津・・・マスクで自分を守ろうとするなど、プロ意識の欠如だ。  医療は格闘技なんだ。  常に闘う姿勢でいけ・・・。  以前うちの病院でそう話したら、内科の先生が「看護師や事務員が感染したら困る」というので「マスクなんかして闘えるか!」と反論すると、「先生、タイガーマスクは闘っています」と切り返され・・・大笑いしました。』


3.天気予報によると東京の最高気温は今日が35度、明日が33度となっています。  記念式典での演武、関東大会に参加される皆さん、暑さに負けず頑張ってください。

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ウサイン・ボルト自伝

7月5日にブラジル・サンパウロで行なわれたブラジル支部40周年記念のワールドカップ団体戦に行ってきました。  6月30日成田発・7月8日帰国です。  機中で『ウサイン・ボルト自伝』(集英社インターナショナル)を読みました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.(14歳で初出場したジャマイカのジュニア選手権であるチャンプス・400m走の記述から)

①ジャーメインは前回の優勝者であり、レースの主導権を握っていることは百も承知だったが、タイム的には俺との間にたいした差がないのも事実だった。  つまりこのレースは、純粋なスピードというよりも、頭を使って勝つ必要があったのだ。

②そこまでの数カ月間、俺は戦術的なセンスを磨いていた。  サッカーの監督のように、レース前に戦略を練るようになっていたのだ。  (中略)  だから、レースではライバルたちの強みと弱みを分析したのだ。  

③予選の間に彼らのレースを観察し、走りのスタイルや戦法を理解しようと努めた。  どんな大会でも最初によくすることは、強敵と戦うために自分のやり方を変える必要があるかどうか考えることだった。  (中略)

④(一緒に戦略を練った親友NJのアドバイス)「ボルト、おまえがスタートをばっちり決めて先頭に立ち、最初のコーナーと200mまでの前半で激しくアタックすれば、奴は慌てるに違いない。  おまえの素早いスタートでジャーメインをパニックに陥れ、リズムを狂わすことができれば、奴は前半に飛ばし過ぎることになるはずだ。  それでお前の勝ちは決まりだ。  奴はテクニックを忘れるほど慌てて、おまえが悠々とテープを切るんだ」

⑤今回のチャンプスで、俺はNJの作戦をそのまま実行し、ドンピシャと当たった。


2.(2連覇を達成したロンドンオリンピック100m決勝の記述から)

①相手の心理状態を読む。  俺はこの術を学んでいた。  (中略)  ほんの0コンマ数秒で、相手の恐怖や、不安、そしてストレスの表情を読み取ることができる。  たいていの場合、それは目に表れる。  しかし、ときには招集所でのふるまい、もしくは、スタートラインでの準備の仕方から判断することもある。

②100m決勝のトラックに向かって歩いていったとき、俺は他のレーンにいる選手たちの様子を素早く確認してみた。  (中略)  俺は自分の左、そして右側をチェックした。

③みんなスタートポジションにつこうとしていた・・・ガトリン、タイソン、アサファ、そしてブレーク・・・プレッシャーに押しつぶされそうな者、そうでない者とが見てとれた。

④タイソンとガトリンは大丈夫そうだった。  (中略)  不安を抱えているのはジャマイカの選手たちのようだ。  アサファはちょっとばかりナーバスになっていた・・・いつもと同じように。

⑤ブレークは明らかにストレスを感じているようで、一緒に練習している俺にとっては合点のいかないことだった。  ミックスゾーンで見せていた自身は消え去っていた。』

単純なフィジカル勝負に見える短距離走でも心理戦が大切なんですね。

成田からアブダビまで12時間、乗り継ぎで4時間待機、アブダビからサンパウロまで15時間、片道計31時間の長旅でした。  フランシスコ・フィリョがK1に出ていた時代に、磯部師範は1年間で8回来日したことがあるそうです。  いずれにしても、郷田師範はじめ一緒に行った皆さんお疲れ様でした。

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