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2012年07月 | ARCHIVE-SELECT | 2012年09月

桜庭和志さん『頭を使う』

桜庭和志さんが書かれた『考えずに、頭を使う』(PHP新書)を読みました。  

『1998年に総合格闘技イベントPRIDEに参戦。  当時、日本人ではだれも勝つことができなかったグレイシー一族を次々と撃破したことから「グレイシーハンター」の異名をとった。  また、創造性豊かな技を繰り出して闘うファイトスタイルから「IQレスラー」の名で親しまれている。』(著者略歴より)

本書から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.ナチュラル・リフレックス

①プロになってからのことですが、「ほかのファイターがもっていないレスリング用の力をもっている」と指摘されたことがあります。  そう言ってくれたのは、ビル・ロビンソン。  かってアントニオ猪木さんや、ジャイアント馬場さんとも名勝負を繰り広げた往年のスターです。

②このぼくがもっているもので、ぼくよりもパワーや実績のある選手がもっていないもの・・・それは「ナチュラル・リフレックス」(自然な反応力)なのだとロビンソンさんは言った。

③ナチュラル・リフレックス。  リラックスしていながら、やるべきことを、やるべきときに、自然とやることができること。  考えてやるのでなく、反射的に、自然に身体が反応して、自動的にやっているというような反射能力のこと。だそうです。

④ナチュラルでいる才能とでも言うのでしょうか。  動きもナチュラル、頭の働きもナチュラル。  だれのコピーもしないけれども、自分がしなければならないことを、きっちりとこなす。  しかもそのモチベーションが、自分の内側から湧き出ている。

⑤「そういうことは、どんなに優秀なコーチでも教える事はできないんだよ。  自分の内側から出てくる才能だからね」  ロビンソンさんはそう言っていました。


2.呼吸とタイミング

①抑え込んでいるとき、相手と密着しているときなら、相手の呼吸でもタイミングは計れます。  最良のタイミングは、相手が息を吐ききった瞬間。  

②人はだれでも、息を吐いているときは力を入れることができますが、吸いながらは難しい。  そこで、相手が息を吐ききったとき、これから吸わざるをえないときに力をこめて、抑え込みをねらう。

③締め技も同じです。  相手の呼吸を聞いて仕掛けにいく。


3.ファンタジスタ

①総合格闘技の「ファンタジスタ」と呼ばれることがあります。  ファンタジスタって、創造性にあふれていて、誰も予想ができないレベルでの芸術的なテクニックを駆使して、「見る者すべてを魅了するようなスーパープレーヤー」のことでしょう?

②ぼくは違います。  ぼくの技は本来、だれも予想できないものではなく、練習してできるようになった「想像できるもの」ですから。

③毎日の練習でふと、あの技がかからなかったらどうしようか、と思いをめぐらせることがあります。  そこで、身体のつくりとか仕組みを一つひとつたどりながら、いろいろと動きを想像してみる。

④想像するうちに、ピタリとはまる動きが浮かんできます。  動きが浮かんだら、練習で試してみる。  試してみて、しっかりかかるようであれば、技の候補として自分のなかにエントリーさせる・・・。  そう、想像できるものなんです。

⑤ただ、ぼくには卓越したパワーもスピードもないから、単発の技ではかからない。  だから相手の意識を散らすために、別の動きを採り入れることには工夫を凝らしています。  ときにそれが、想像を超えた驚きの動きになるのでしょう。』

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小出義雄さん

ロンドン・オリンピックのマラソン競技、日本は残念ながらメダルゼロでした。  かって、金メダリストの高橋尚子さんや銀・銅メダリストの有森裕子さんを育てた小出義雄さんの『君の眠っている力を引き出す35の言葉』(すばる舎)を読みました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.〝諦めたらそこで終わりだぞ。「もう限界」と思うその一歩先を踏み出してみろ。〟

①練習好きで「もういい加減やめておけよ」と言っても走り続けているあのQちゃん(高橋尚子)ですら、かって1日だけ、弱音を吐いたときがあった。  前日に40キロメートルを走らせ、その日は2600メートルの高地で、1600メートルを全力で10本という超ハードメニューだった。

②Qちゃんは、「監督、ちょっと身体が疲れているんですが・・・」とさり気なくアピールしてきた。  それでも僕は、休むのを許さなかった。  笑いながら「はいはい、やるよ」と軽くいなして走らせた。

③彼女も「もうやるしかないな」と腹をくくった様子で猛練習に耐えたよ。  その辛さを乗り越えたところに、オリンピックの金メダルが待っていたんだ。

④人間には体力的に限界がある。  でも、その限界にチャレンジして乗り越えたとき、さらに成長するものなんだ。

⑤選手たちが「もう走れません」と弱音を吐いたとき、僕は、「諦めたらそこで終わりだぞ。  限界と思うその一歩先を踏み出してみろ!」と励ましている。


2.〝試合をやる前から、勝敗はすでに決まっている。〟

①(前略)  厳しいトレーニングを「やらされている」という受け身の感覚でやっているから、どうしても身につかないのだ。  だから練習前の選手たちにはいつもこう言っている。

②「いいか、練習は誰のためにやるものでもない、自分のためにやるものだ。  優勝したいと思うなら、精一杯やってみたらどうだ?」

③「やるだけのことはやったという自信があれば、勝ったも同然だ。  試合をやる前から、勝敗はすでに決まっているんだぞ」

④僕は「最高の練習ができた」、「やるべきことは全部やった」と自分でも満足できるほどの練習を積ませ、選手に自信を持たせることこそ監督の役目だと思っている。


3.〝人はダマすより、ダマされるほうが幸せだ。〟

①高校の教師をはじめとして、いろいろな組織に属してきたが、順風満帆にやってこれたとはとても言いがたい。  うまくやっていると、周りから妬みやひがみとかも生まれてきて、僕を陥(おとしい)れてやろうとする輩(やから)も出てくる。

②そんなとき、僕は、「腹を切ったときでも、真っ白でいたい」と考えて、真っ正直に生きてきたつもりだ。

③それで何ら後悔することはなく、満足のいく幸せな人生を歩んできたという強い自負がある。』


今日は午後から審査会です。

21~23日は大連、24~26日は京都(極真祭)、28~30日は北京と出張続きです。

幸せだな~。  強がりを言っているわけではありません(笑)。

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無駄の効用

無駄の効用(こうよう・・・ききめ。 効能)に関する最近の新聞記事から抜粋し、番号を付けて紹介します。

1.『ムリ・ムダ・ムラ』(8月11日付け日経新聞 五輪マラソン銀メダリスト・君原健二さんの「私の履歴書」)

『①どこの職場でもそうだと思うが、八幡製鉄では「三ムをなくせ」とよく言われた。  ムリ、ムダ、ムラをなくして、合理的に仕事をしましょうということだった。  

②(ムリについて・・・)マラソンもなるべくムダを省いて、ムリをせず、ムラのないイーブンペースで走ったほうがいい。  しかし、それはレース本番についてであって、練習では逆にムリをしておかないと強くならない。

③そもそも、練習で無理をしてみないと、自分にとって、どこから先が無理なのかがわからない。  どこまで走るとオーバーワークであり、どこまで加速したら、オーバーペースなのかがつかめない。

④(ムダについて・・・)本番では42.195キロを走ればいいのであって、それ以上は求められない。  しかし、練習では、ときにそれ以上の距離を走っておいたほうがいい。  そうすることによって、本番で余裕が生まれるからだ。  無駄に思えるかもしれないが、より長い距離を走っておいたほうがいい。

⑤当然のことだが、練習メニューによっては、レースより速いペースで走る。  そうすることで心肺機能に余裕ができるからだ。

⑥(ムラについて・・・)また、ムラのある練習、つまりスピードに変化をつけた練習も必要になってくる。

⑦練習においては、三ムをなくさないほうがいいということになる。』


2.『無駄なことをしてみよう』(8月13日付け朝日新聞 東大大学院教授・姜尚中(カン・サンジュン)さんの講演録)

『①大学の恩師で、経済史が専門の大塚久雄さんからも、私は貴重な教えをいただきました。  それは「無駄なことを学ばなければ、何が大切かは分からない」ということです。

②残念なことに今の学校での学びは、役に立つことと立たないことの間に線を引き「役に立つことに時間を費やしなさい」と、勧めています。

③成績優秀な子どもほど、小さい頃から親にもそう言われます。  無駄に手を出さない。  無駄な人と付き合わない。  無駄な本を読まない・・・。  そうやって、小さい頃からトレーニングされているのです。

④しかし、そんな学び方は、そろそろ限界にきていると考えます。』

私も大学時代に父親から「空手なんかやっていて何になるんだ。 早く(国家試験の)勉強しろ。」と言われました。  父親には、勉強せずに空手漬けの私の毎日がムダなものに見えたのだと思います。

あの時、空手をやめなくて良かったな~(笑)。

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1.「伊勢-白山道」さんのブログ、7月25日分のタイトルは「影」でした。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①人間は、なぜ信仰をするのでしょうか?  自分の心の安定や、幸福を求めてでしょう。  そのためへの最善で最短な方法は、結局は自分の心を見詰めるしかないのです。  自分の心の中以外の外側に神仏を求めましても、それは自分自身の「外側に映る夕日の影」を見よう、捕まえようとすることと同じなのです。

②太陽に照らされて地面に映る自分の影を見てください。  影の輪郭は、なんとなく自分の姿に似ているものです。  しかし、その影は本当の自分ではありません。  影の前に立つ「今の見ている」存在こそが、本当の自分なのです。

③では、自分の手を見てください。  その手は自分の体の一部ですが、本当の自分はそこには居ません。  その手も100年もすれば、朽ちて消えていることでしょう。  本当の自分とは、見ている、思っている、感じている、怒っている、悲しんでいる、その心が本当の自分です。  つまり、本当の自分とは、形が無いのです。

④コノ世とは、本当は形を持たない真の自分が形を求めて、それを「着に来ている」のです。  (中略)  また、本当の自分は形が無いのに、コノ世では色んなモノを持とうとします。(金銭・異性・名誉・宝石・家・車・・・・)

⑤しかし、本当の自分には形がありませんので、それらのモノを「本当に」持つことが出来ません。  だから、自分が持ったと思った瞬間から満足は消えて行き、また次の別のモノを欲しがります。  心の安心は決して「来ない」のです。

⑥他人からは持っていると見える本人自身も満足していないのに、それを見ているだけの人間は、より欲しがって苦悩しています。  誰も、何も本当に持つことが出来ないことを知りましょう。  目の前のコップさえも、持つことが出来ないのが本当の自分なのです。  本当の自分自身は、心だということを思い出しましょう。

⑦自分の正体が「心だけ」ならば、今に思うことが最重要であり、それが全てなのです。  ここで上記の、「人間は、なぜ信仰をするのでしょうか?」という問が生きるのです。

⑧自分が良いことを思いたいから、信仰するのが本当の態度なのです。  「自分が」感謝したいから信仰をするのです。  持てない影(モノ)をつかむために信仰するのではありません。

⑨この影の法則を自分が理解した時、影(モノ・健康・金銭・欲・・・)のほうから自分に近づいて来る現象が起こります。  追いかければ離れて行き、自分が立ち止まって安心すれば大きな影が付いています。  コノ世は、なんと皮肉で面白い世界でしょうか。』


2.①私のブログの副題は「私の備忘録」です。  

②以前だと気になる文章に出会ったときは、メモしたり、切り抜いてスクラップしたりして、「備忘録(・・・忘れたときのための用意に、要点を書きとめておくノート。 メモ。)」としていました。  ただ量が多くなると、後から取りだすのが結構手間でした。  

③今はこうやってブログに書き写しておけば、「ブログ内検索」で簡単に取りだせます。  今日の文章も何となく気になったので、「備忘録」であるブログに書き写しました。


3.①昨日は山辺・善十朗と久しぶりに飲みました。  一昨日、翔平にも声をかけたのですが、何の手違いか、現れませんでした(笑)。

②大起は大阪に帰省中です。  昨日、大起から「(岸和田の)大西(靖人)先生の墓参りに行ってきました。」とメールがありました。

③前回(8月6日)のブログに合宿の出席回数を書きましたが、山辺から「自分も12回出席です。」とのクレームが入りました。  「最近は翌日に酒が残るようになりました。」なんて言ってたけど、昨日は何時まで飲んだんだろ~。

④山辺、こんなんで良かった?(笑)  




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(78)夏合宿に想う

1.①昨日・一昨日は夏合宿です。  おかげさまで、昨年より35名増の参加者となりました。  

②合宿に参加している皆さん、特に少年部が楽しそうにしているのを見ると、とてもうれしい気持ちになります。  自分たちが企画・運営していて言うのもなんですが(笑)、「私が小学生の頃にこんなイベントがあったら、きっと楽しかっただろうな~」などとも思います。


2.①大山総裁から認可され、東京城西支部を開設したのが1978年8月26日です。  1981年8月27日には東京都下(東京都の23区以外)の認可もいただき、東京都下・城西支部となりました。

③1994年4月26日に大山総裁が逝去され、松井館長体制となります。  1995年4月6日に体制が刷新され、東京都下・城西支部傘下の5つの分支部が支部に昇格します。  仕事の関係で直接指導から離れていた私は西関東本部長に任命され、東京都下・城西支部は自然消滅した形になりました。


3.①1998年6月22日、東中野で東京城西支部を阿曽芳樹師範代と共に再開しました。  合宿は翌年の1999年からですから、新生・城西支部としては今年で14回目の開催です。

②一昨年までは秩父・三峯神社で、昨年よりは山中湖で行っています。  全14回出席の皆勤賞は私と阿曽師範代、掌道の菊澤政夫院長の3人です。  本人に確認したら、西村直也二段は2000年から連続13回出席、井出真先生は10回出席です。


4.先週の中国・煙台出張中に『中国ビジネス必携』(菅野真一郎著 金融財政事情研究会刊)を読みました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①ところで私は、中国の今日の経済発展の根元的要因も「人材育成」すなわち「事業は人なり」の実践にあると考えています。

②1978年12月、中国共産党が現在の「改革・開放政策」を採択した時、(とう)小平氏は人材による富国、科学技術による祖国振興をうたった「人材強国戦略」政策を打ち立てました。  (中略)

③この人材戦略の特色は二つあります。  

④一つは効果が出るまで15年以上かかります。  世界的に中国のプレゼンスが大きくなったのは1990年代半ばで、改革・開放政策スタート後15~16年目からです。  16年というのは偶然ですが、人が小学校に入学し大学を卒業するまでの年数とほぼ一致します。

⑤二つは効果が出ると、教育制度が維持される限り長続きします。  高等教育を受けた人材が、毎年途切れることなく社会に排出するからです。』


5.①中国の改革・開放政策と東京城西支部が同じ1978年にスタートした(今年で34周年)ということは本書を読んで初めて知りました。  そしてなんと、城西支部の方が4ヶ月お兄さんだったとはビックリです(笑)。

②また、「人材戦略の効果が出るまで15年以上かかる」という文章はとても腹落ちしました。  よく「国家百年の計」と言いますが、「教育15年の計」があるのかも知れません。  来年で15年が経つ新生・城西支部も指導・教育の内容をより一層充実する必要があると思っています。  

③もちろん、ますます楽しい夏合宿も企画・提供するつもりです。  来年は200人を超えるといいな~(笑)。

④「15年後の自分はどうなっているんだろう?」  本書を読んで、そんな想いも浮かんできました。  

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