2012.04.17 Tue
自然治癒力
『大往生したけりゃ医療とかかわるな』(中村仁一著 幻冬舎新書)を読みました。 抜粋し、番号を付けて紹介します。
『1.①原因療法があるため受診したほうがいい病気は、そんなに多くはありません。 病気を治す力の中心をなすものは、本人の自然治癒力です。
②かって、四半世紀以上も前にアメリカ合衆国の権威ある学術専門誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」の編集長、インゲルハイム氏が「病気の80%は医者にかかる必要がない、かかった方がいいのが10%強、かかったために悪い結果になったのが10%弱」といいました。 これは現在も変わらないものと思われます。
※私(山田)の周りにも「もし病院に行かなければもっと長生きされたのに」と思い当たる方がいます。 「病院に行かない、薬・サプリメントを飲まない」が私の信条です。
2.私の好きな学説に、「治療の根本は、自然治癒力を助長し、強化することにある」という「治療の四原則」があります。
①自然治癒の過程を妨げぬこと・・・細菌やウィルスの感染時の発熱は、敵の力を弱めて早く治そうとする人体の反応と考えるべきものです。 ですから、解熱剤を使って無闇に熱を下げるのは利敵行為になり、かえって治りが遅れると考えなくてはいけません。
②自然治癒を妨げているものを除くこと・・・これは、銃弾や棘のような異物が内部に深く入り込んだり、大きな膿の塊があって、なかなか破れない場合などです。 こんな場合、自然治癒力を充分に発揮させるためには、異物の除去や、切開して排膿するという作業が必要ということです。
③自然治癒力が衰えている時は、それを復活すること・・・栄養不良状態で結核を発病した場合など、いくら高価な抗結核薬を使ってもよくなりません。 自然治癒力が発動するためには、まず栄養状態の改善が必要ということです。
④自然治癒力が過剰である時には、それを適度に弱めること・・・アレルギー反応など、生体の治癒力が過剰に働く場合には、その力を少し抑えた方がいいという意味です。
※「自然治癒力を高める」は私のテーマで、立禅の効果・目的の一つでもあります。
3.「事前指示書」とは、昏睡や意識レベルが低下した時、ぼけて正常な判断ができなくなった時に、どこまでの医療を受けたいのか、意識清明で意思表示可能な時に、前もって希望を認めておく書面のことです。』
本書終章に中村先生が2006年9月17日付けで書かれた「事前指示書」が例示されているので紹介します。
『「医療死」より「自然死」が好みのため、意識不明や正常な判断力が失われた場合、左記を希望する。
①できる限り救急車は呼ばないこと
※救急車に乗れば、できる限りの医療措置を施してくれという無言の意思表示になるので、できる限り呼ばないように希望しました。 ただし、家族が「保護責任者遺棄致死の罪」で取り調べを受けないように、趣旨をよく理解してくれる家庭医を確保しておかなくてはなりません。・・・本書203ページより抜粋
②脳の実質に損傷ありと予想される場合は、開頭手術は辞退すること
③原因のいかんを問わず一度心臓が停止すれば蘇生術は施さないこと
④人工透析はしないこと
⑤経口摂取が不能になれば寿命が尽きたと考え、経管栄養、中心静脈栄養、末梢静脈輸液は行わないこと
⑥不幸にも人工呼吸器が装着された場合、改善の見込みがなければその時点で取り外して差し仕えないこと』
4年前、父が歩行中の転倒事故による頭部打撲が原因で亡くなりました。 享年83歳です。 ①救急車で運ばれる、②開頭手術が実施される、③一度心肺停止したが蘇生術により蘇生する、④人工透析の実施、⑤点滴の実施、⑥人工呼吸器の装着が行われました。 結局、3日後に腎不全で死亡します。 本書を読み、父の最後の3日間を思い出し、ちょっと考えさせられました。
『1.①原因療法があるため受診したほうがいい病気は、そんなに多くはありません。 病気を治す力の中心をなすものは、本人の自然治癒力です。
②かって、四半世紀以上も前にアメリカ合衆国の権威ある学術専門誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」の編集長、インゲルハイム氏が「病気の80%は医者にかかる必要がない、かかった方がいいのが10%強、かかったために悪い結果になったのが10%弱」といいました。 これは現在も変わらないものと思われます。
※私(山田)の周りにも「もし病院に行かなければもっと長生きされたのに」と思い当たる方がいます。 「病院に行かない、薬・サプリメントを飲まない」が私の信条です。
2.私の好きな学説に、「治療の根本は、自然治癒力を助長し、強化することにある」という「治療の四原則」があります。
①自然治癒の過程を妨げぬこと・・・細菌やウィルスの感染時の発熱は、敵の力を弱めて早く治そうとする人体の反応と考えるべきものです。 ですから、解熱剤を使って無闇に熱を下げるのは利敵行為になり、かえって治りが遅れると考えなくてはいけません。
②自然治癒を妨げているものを除くこと・・・これは、銃弾や棘のような異物が内部に深く入り込んだり、大きな膿の塊があって、なかなか破れない場合などです。 こんな場合、自然治癒力を充分に発揮させるためには、異物の除去や、切開して排膿するという作業が必要ということです。
③自然治癒力が衰えている時は、それを復活すること・・・栄養不良状態で結核を発病した場合など、いくら高価な抗結核薬を使ってもよくなりません。 自然治癒力が発動するためには、まず栄養状態の改善が必要ということです。
④自然治癒力が過剰である時には、それを適度に弱めること・・・アレルギー反応など、生体の治癒力が過剰に働く場合には、その力を少し抑えた方がいいという意味です。
※「自然治癒力を高める」は私のテーマで、立禅の効果・目的の一つでもあります。
3.「事前指示書」とは、昏睡や意識レベルが低下した時、ぼけて正常な判断ができなくなった時に、どこまでの医療を受けたいのか、意識清明で意思表示可能な時に、前もって希望を認めておく書面のことです。』
本書終章に中村先生が2006年9月17日付けで書かれた「事前指示書」が例示されているので紹介します。
『「医療死」より「自然死」が好みのため、意識不明や正常な判断力が失われた場合、左記を希望する。
①できる限り救急車は呼ばないこと
※救急車に乗れば、できる限りの医療措置を施してくれという無言の意思表示になるので、できる限り呼ばないように希望しました。 ただし、家族が「保護責任者遺棄致死の罪」で取り調べを受けないように、趣旨をよく理解してくれる家庭医を確保しておかなくてはなりません。・・・本書203ページより抜粋
②脳の実質に損傷ありと予想される場合は、開頭手術は辞退すること
③原因のいかんを問わず一度心臓が停止すれば蘇生術は施さないこと
④人工透析はしないこと
⑤経口摂取が不能になれば寿命が尽きたと考え、経管栄養、中心静脈栄養、末梢静脈輸液は行わないこと
⑥不幸にも人工呼吸器が装着された場合、改善の見込みがなければその時点で取り外して差し仕えないこと』
4年前、父が歩行中の転倒事故による頭部打撲が原因で亡くなりました。 享年83歳です。 ①救急車で運ばれる、②開頭手術が実施される、③一度心肺停止したが蘇生術により蘇生する、④人工透析の実施、⑤点滴の実施、⑥人工呼吸器の装着が行われました。 結局、3日後に腎不全で死亡します。 本書を読み、父の最後の3日間を思い出し、ちょっと考えさせられました。