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言葉力

昨日までの北京出張中に『言葉力が人を動かす』(コマツ会長・坂根正弘著 東洋経済新報社刊)を読みました。  著者紹介によると『2001年社長就任直後、創業以来初の赤字に直面するが、構造改革を断行し、翌期にはV字回復を達成。』だそうです。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①よく「上は下を見るのに3年かかるが、下は上を見るのに3日もあれば十分だ」という。  それは部下が上司の一挙手一投足を注意深く見ているからにほかならない。  ということは、上司は絶対に言動が一致していなければならない。

②かなり思い切ったことをやらないと、この会社は変われない。  そのためにはみんなに現実を認識してもらわなければいけない。  そこで雇用に手をつけることを決断したのだ。  人間とは不思議なもので、「いよいよもって雇用が危ない」というところまで追い詰められないと、絶対に危機感が生まれない。

③社内に危機感を醸成するには、全員一律に希望退職を募る必要があった。  でないと一部の社員はほっと胸をなでおろして「自分は大丈夫だった。  ということは今のままでいいんだ」と思ってしまう。  コマツの復活は、全社員の力を結集させたからこそ可能だったのである。

④希望退職を募ると、会社には危機感が生まれる。  しかし、それと同時にどうしても社内が暗くなってしまう。  そこで私は希望退職を募る一方で、「ダントツプロジェクト」というプロジェクトを立ち上げた。  「会社は苦しいが、研究開発費は削らない。  そのかわり他社が真似できないダントツ商品をつくって、ナンバーワン企業になる」と宣言したのである。

⑤まずは事実を的確に把握すること。  誰もが当たり前だと思っている常識を「本当にそうか?」と問い直し、隠れている本質を見抜く。  そうやってきちんとファクト・ファインディング(事実把握)をして、本当のことがわかりさえすれば、その次に考えることは天才も鈍才も大差ない。

⑥「着眼大局」と同時に大事なのが、「着手小局」だ。  大局を目指すには、何から始めたらいいか。  これを小さな次元で具体的に、自分自身で示すのだ。  ただリーダーが小局においてみずから手を下すのは、一手か二手めまでに留めるべきだ。  三手めから先は「この後の展開は自分たちで考えろ」といって任せるべきである。  四手めも五手めも自分でやり始めたら、下は指示待ちになってしまうからだ。

⑦正しい情報を知った人は、それに合わせて自分のなすべきことを考えて、自発的に動き始める。  (中略)  したがって情報を隠すよりは、オープンにしたほうがいい。  正確な状況を共有する方が、みんなが自分で考え始めるから、成果が出るのである。

⑧「言う」を「成す」と書いて「誠」。  これは私がリーダーとして大事にしている言葉だ。  リーダーは言葉でメッセージを伝えることが大事だが、うまく伝えるだけではダメで、その伝えたことを自分が実行して見せなければ意味がない。  つまり有言実行だ。』

北京で初めて地下鉄に乗りました。  噂には聞いていましたが、大変です。  ちょうど夕方のラッシュアワー時間でした。  

日本だと、「地下鉄がホームについてドアが開くと、①ドア付近に立って乗っている人・・・降りる人のために一旦ホームに出る、②降りる人・・・ホームに出る、③乗る人・・・ホームで並んでいた列の順番に乗る(当然、ドア付近にいた①の人が一番最初に乗り込む)」となります。

これが北京では、「①ドア付近に立って乗っている人・・・(一旦降りると乗れない可能性があるので)降りようとしない、②降りる人・・・ドア付近にいる①の人が降りようとしないので、まずその人の背中を押して降りようとする、③乗る人・・・降りる人がホームに出る前にドアから一斉に入り込む(そもそも列に並んで順番を待つという感覚はないみたい)」となります。

結果として降りられない人、乗れない人が出る可能性があります。  でも、ちょっとしたウェイトトレーニングになりました(笑)。

明日・日曜日は西東京大会、火曜日から上海です。

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