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旅順攻防

5月17日に中国・大連・旅順の203高地へ行ったことを5月24日のブログで書きました。  『週刊朝日』7月8日号の連載『週刊司馬遼太郎』のテーマは「旅順攻防と海戦前夜①」です。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①日露戦争(1904~1905年)は始まってしばらくすると膠着(こうちゃく)状態となるが、その最大の原因は旅順にあった。

②港には旅順艦隊がいる。  港外には、東郷平八郎が率いる日本の連合艦隊がいる。  旅順艦隊はなかなか港から出ようとしない。

③『坂の上の雲』では参謀の秋山真之が、陸軍の児玉源太郎参謀総長にいう。  「敵も利口です。   本国艦隊(バルチック艦隊)の回航されてくるのを港内にひっこんで待っている。  敵としてはもしそのときまで待てば日本艦隊に対して二倍の力になる。」

④旅順をおとさなければ、海軍も陸軍も滅亡し、日本が滅亡してしまうことになる。  「陸軍をもって要塞(203高地)を攻め、それを陥落させてしまえば、港内にいる艦隊は出てゆかざるをえません」  海軍の要請を受け、陸軍は第三軍を創設した。  司令官は乃木希典である。

⑤旅順要塞に乃木軍の第1回総攻撃が始まったのは1904年8月19日だった。  〈この実施によって強いられた日本兵の損害はわずか六日間の猛攻で死傷15,800人という巨大なものであり、しかも敵に与えた損害は軽微で、小塁ひとつぬけなかった〉  以後、こうした乃木軍の絶望的な戦いが始まるのである。』

2度目の総攻撃も失敗しますが、11月26日に3度目の総攻撃を開始します。  乃木将軍の次男・保典が戦死するなどしましたが、12月5日にようやく203高地の奪取に成功します。

歴史好きの私にはたまらない内容でした。  7月12日からまた大連です。

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本郷孔洋先生『ビジネスの眼』

辻・本郷税理士法人理事長の本郷孔洋先生にいつもメルマガ『ビジネスの眼』を送っていただいています。  6月16日配信分から抜粋し番号を付けて紹介します。


1.出世街道

①大企業の社長が、ある若手社員を社長室に招き入れた。

②「君は今まで前例のない出世を重ねて来た。  入社したのは三年前に警備員としてであった。  その一ヶ月後、販売員の店長に抜擢。  さらに半年後には広報部長、そして営業部長。  君はまことに全社員の鑑となって働いてくれた。  本日よりわが社は君を重役の一人に迎え、いずれは私の後任として活躍してもらうつもりだ。  何か言うことはあるかね?」

③「まったくありません」  「では、下がれ」

④「ハイありがとう、パパ!」  (週刊新潮大人のマンガより)


2. 受け売り

①偶然絶後

私の知っている人に、とても運のいい人がいます。  何をやってもうまくいく。  曰く、「偶然絶後」の人生だ。  座布団一枚。


②老舗旅館の再建で乗り込んだ人が、従業員の前で話したこと。

「あなた方はスマップだ!」  「エ?」  「ナカイがすべてだ」  これも座布団一枚。  キムタクファンは怒るけど(笑)


③ピンポンヒマなし(金田一春彦)  それはそうだ(笑)


本郷先生のおかげで今日のブログは軽いタッチになりました。


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(75)第28回ウェイト制大会・失意泰然

1.「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

①私は試合を「普段の稽古が間違っていなかったか、検証する機会」と位置づけています。

②「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉があります。  肥前平戸(今の長崎県平戸市)の藩主・松浦静山が書いた剣術書『剣談』に書かれています。  「運よく勝つことはあっても、原因が何もなくて負けることはあり得ない」という意味です。

③勝ち負けにこだわることはもちろん大切です。  しかし同様に、試合を通して自分自身の稽古の在り方を検証し、実力向上や次の機会の勝利につなげることが重要です。


2.「失意泰然」

また試合は人間性を磨く場でもあります。  私の座右の銘の一つが「得意澹然・失意泰然」です。  中国・明末の崔後渠(さいこうきょ)という人が言った『六然訓(りくぜんくん)』の中にあります。  『安岡正篤珠玉の言葉』(神渡良平著 講談社+α新書)から抜粋し、番号を付けて紹介します。

①自処超然(じしょちょうぜん)・・・自分自身に関しては、一向にものに囚われず、恬淡(てんたん・・・無欲であっさりしていること)としている。

②処人藹然(しょじんあいぜん)・・・藹然とは、おだやかでなごやかなさまをいう。  人に接するときは、相手の気持ちが和らぎ、おだやかになるよう心がける。

③有事斬然(ゆうじざんぜん)・・・いったん事がおきれば、グズグズしないで、束ねたものをマサカリで切るように一気呵成(いっきかせい・・・大急ぎで仕上げること)にやる。

④無事澄然(ぶじちょうぜん)・・・事がない場合は、静かな湖面のように澄み切っている。

⑤得意澹然(とくいたんぜん)・・・澹というのは、水がゆったりと揺れ動くさまをいう。  得意絶頂の時こそ、逆に静かであっさりとしていることが緊要(きんよう・・・非常に大切なこと)だ。

⑥失意泰然(しついたいぜん)・・・失意の時にはうろたえ、呆然(ぼうぜん・・・気抜けしたようにぼんやりするさま)となるのが人間の常だが、だからこそ逆に泰然(・・・落ち着いていて物事に動じないさま)と構え、大所高所から眺めてみる。  


3.「負けっぷりがいい」

①「調子のよいときは、傲慢になってしまいがちなので、気をつけなくては」というのが得意澹然です。

②「失意のときこそ泰然自若としている。  菜っ葉に塩をかけたように、くしゅんとならないように」というのが失意泰然です。

③座右の銘にしているぐらいですから、私もその領域を目指しているのであって、現実的にはまだまだです。  むしろ得意傲然(ごうぜん・・・偉そうに人を見下すさま)・失意悄然(しょうぜん・・・心にかかることがあって元気がないさま)としていることが多いです(恥)。

④勝負に徹して試合をするべきです。  しかし、いったん結果が出たら、今度は負けっぷりをよくしたいものです。  私の長年の研究課題である『運気』の観点からも重要です。


先週末、大阪で第28回ウェイト制大会があったので書いてみました。  

カモシダとナリタおめでと~。
 

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米長邦雄先生『逆境のときは笑う』

1.『生き方の流儀』(渡部昇一・米長邦雄著 致知出版社刊)を読みました。  両先生の対談本は『人間における運の研究』(1994年2月発売 致知出版社刊)以来です。  『逆境に処しては笑うべし』の項の米長先生が話されている部分から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①逆境はしょっちゅうです。  勝負の世界ですからね。  負ければ即逆境です。  (中略)  逆境のときは笑うことなんです。  これは非常に大事ですよ。

②勝負に負かされるは、人に悪口を書かれるは、今まで親しくしていた人まで手のひらを返すようになるは、という状態ですからね。  癪(しゃく)に障(さわ)るじゃないですか。

③そういうときに怒ったり、ひがんだり、腐ったりするのが人間の常だと思います。  でも、そうすると余計だめになってしまう。  だから、笑うんです。  (中略)

④寄席(よせ)に行って落語を聞いてもいいし、水戸黄門を見てもいい。  スランプのときは本業から1回離れることだといいましたが、これは逆境のときも同じです。

⑤逆境のときに、まじめに本業をやった人はだめになります。  だから、本業から1回離れて、無心になって笑うことです。

⑥逆に好調なときは、笑いを抑える。  勝って兜の緒を締めよ、ですね。  私の場合は、調子がいいときには欠点を直したりしています。  「ここは自分の至らないところだ」とね。  勝っているときはゆとりがあるから直せるんです。

⑦ですから、勝ったときに笑わず、負けたときに笑う。  これが非常に大事ですね。』


2.両先生の対談は東日本大震災が発生した3月11日にホテルニューオータニの37階で行われたそうです。  渡部先生が書かれた『まえがき』から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①結局、われわれはホテルの避難指示の館内放送を無視して対談を続けることにした。  37階の非常階段を降りて行って――エレベーターは止まっている――何をするかもわからない。  火も出ているわけでもないのに、降りて行ってもまた昇ってくるだけのくたびれもうけになるだけだと思ったからである。

②ときに余震もあったが、対談は極めて愉快に進行した。  ホテルの調理場が動かなくなりルーム・サービスを頼むことができないので、スタッフの誰かがどこからか弁当を買ってきてくれたのを夕食にしたが、それもいい雰囲気であった。  37階の階段を昇り降りしてくれた人は大変だったと思うが。』

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