2008.10.16 Thu
孫子に学ぶ
『孫子に学ぶ12章』(守屋洋著 角川SSC新書)を読みました。 第2章の『勝算無きは戦うなかれ』から抜粋し、番号を付けて紹介します。
『①中国の長い歴史を見ても、進むことだけを知って退くことを知らないリーダーは、途中で自滅している。 大きく勢力を拡大して天下を取ったリーダーは、いずれも見切り時が早いのだ。 誤解をおそれずにいえば、逃げ方のうまいリーダーが天下を取っているといってよい。
②一例をあげると、例えば『三国志』の曹操(そうそう)である。 (中略) なによりもかれは、戦が強かった。 そういう能力に物をいわせて、10年足らずのあいだに、広大な中国一帯を支配下におさめている。 かれの戦のやり方は、『孫子(そんし)』の兵法にきわめて忠実であった。 (中略)
③しかし、曹操といえども常勝ではない。 生涯になんどか、かなり手痛い負け戦をしているのである。 (中略) かれの偉いところは、同じ負け方をしていないことだ。 多分、なぜ敗れたのか、敗因を徹底的に分析し、それを教訓として次の戦いに活かしたのであろう。
④さらに彼のすばらしいところは、撤退の見切り時が早かったことである。 対陣して、これはだめだと見きわめると、さっさと撤退して次の戦いに備えた。 (中略)
⑤日本の戦国武将のなかで、もっともよく『孫子』に学んだ1人が甲斐(かい)の武田信玄だといわれる。 その信玄がどこかで、『40歳になるまでは勝つ戦いを心がけよ。 だが、40歳をすぎたら負けない戦いを心がけよ』と、語っているという。
⑥当時の40歳はすでに老境である。 そんな歳になって失敗したら、巻き返しがむずかしくなる。 だから、40歳をすぎたら、失敗しないように慎重にやれということだ。 ちなみに、当時の40歳は今なら50歳といったところかもしれない。』
『①中国の長い歴史を見ても、進むことだけを知って退くことを知らないリーダーは、途中で自滅している。 大きく勢力を拡大して天下を取ったリーダーは、いずれも見切り時が早いのだ。 誤解をおそれずにいえば、逃げ方のうまいリーダーが天下を取っているといってよい。
②一例をあげると、例えば『三国志』の曹操(そうそう)である。 (中略) なによりもかれは、戦が強かった。 そういう能力に物をいわせて、10年足らずのあいだに、広大な中国一帯を支配下におさめている。 かれの戦のやり方は、『孫子(そんし)』の兵法にきわめて忠実であった。 (中略)
③しかし、曹操といえども常勝ではない。 生涯になんどか、かなり手痛い負け戦をしているのである。 (中略) かれの偉いところは、同じ負け方をしていないことだ。 多分、なぜ敗れたのか、敗因を徹底的に分析し、それを教訓として次の戦いに活かしたのであろう。
④さらに彼のすばらしいところは、撤退の見切り時が早かったことである。 対陣して、これはだめだと見きわめると、さっさと撤退して次の戦いに備えた。 (中略)
⑤日本の戦国武将のなかで、もっともよく『孫子』に学んだ1人が甲斐(かい)の武田信玄だといわれる。 その信玄がどこかで、『40歳になるまでは勝つ戦いを心がけよ。 だが、40歳をすぎたら負けない戦いを心がけよ』と、語っているという。
⑥当時の40歳はすでに老境である。 そんな歳になって失敗したら、巻き返しがむずかしくなる。 だから、40歳をすぎたら、失敗しないように慎重にやれということだ。 ちなみに、当時の40歳は今なら50歳といったところかもしれない。』