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孫子に学ぶ

『孫子に学ぶ12章』(守屋洋著 角川SSC新書)を読みました。  第2章の『勝算無きは戦うなかれ』から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①中国の長い歴史を見ても、進むことだけを知って退くことを知らないリーダーは、途中で自滅している。  大きく勢力を拡大して天下を取ったリーダーは、いずれも見切り時が早いのだ。  誤解をおそれずにいえば、逃げ方のうまいリーダーが天下を取っているといってよい。

②一例をあげると、例えば『三国志』の曹操(そうそう)である。  (中略)  なによりもかれは、戦が強かった。  そういう能力に物をいわせて、10年足らずのあいだに、広大な中国一帯を支配下におさめている。  かれの戦のやり方は、『孫子(そんし)』の兵法にきわめて忠実であった。  (中略)

③しかし、曹操といえども常勝ではない。  生涯になんどか、かなり手痛い負け戦をしているのである。  (中略) かれの偉いところは、同じ負け方をしていないことだ。  多分、なぜ敗れたのか、敗因を徹底的に分析し、それを教訓として次の戦いに活かしたのであろう。

④さらに彼のすばらしいところは、撤退の見切り時が早かったことである。  対陣して、これはだめだと見きわめると、さっさと撤退して次の戦いに備えた。  (中略)

⑤日本の戦国武将のなかで、もっともよく『孫子』に学んだ1人が甲斐(かい)の武田信玄だといわれる。  その信玄がどこかで、『40歳になるまでは勝つ戦いを心がけよ。  だが、40歳をすぎたら負けない戦いを心がけよ』と、語っているという。

⑥当時の40歳はすでに老境である。  そんな歳になって失敗したら、巻き返しがむずかしくなる。  だから、40歳をすぎたら、失敗しないように慎重にやれということだ。  ちなみに、当時の40歳は今なら50歳といったところかもしれない。』

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