2008.10.14 Tue
有馬頼底老師
1.『無の道を生きるー禅の辻説法』(有馬頼底著 集英社新書)を読みました。 臨済宗・相国寺(しょうこくじ)派・七代管長の有馬老師は、1933年東京生まれで、金閣寺・銀閣寺の住職や、京都仏教会理事長を務められています。
2.本書に書かれている、有馬老師の生い立ちを、番号を付けて紹介します。
『①私が生まれた有馬家というのは、かの有馬温泉や、競馬の有馬記念ともゆかりのある、大名家・有馬家の分家にあたり、父は男爵、母の実家は、さかのぼれば徳川家康の生みの親につらなる家系、という子爵の家でした。
②私は、学習院の幼稚園の2年目に、思いがけず、皇太子様(つまり今上天皇です)の遊び相手に選ばれ、初等科へと進学します。 ところが、初等科2年の秋に、両親がついに離婚することになりました。 私達3兄弟は、ひとまず九州・久留米にある、有馬家ゆかりの家に預けられ、身の振り方が協議されたのです。 (中略)
③ある日、伯父に、「お前は将来、何になりたい?」と聞かれ、そのころちょうど、一休さんの絵本を読んでいた私は、「一休さんのような人になりたいです」と答えてしまった。 そこで、私は初代久留米藩主・豊氏(とようじ)が、有馬家の菩提寺として建立した寺に、預けられることになったのです。』
3.本書の、『がんとも仲良しになる』の項から、抜粋し、番号を付けて紹介します。
『①あるとき、知り合いがお見えになって、ひどく元気がなかった。 どこか調子でも悪いのかと尋ねると、自分は肝臓がんで、もうじきあきませんのや、とおっしゃった。 こういうとき、下手に大丈夫ですよ、きっと治りますよ、なんていうのは、一番よくない。 (中略)
②ですから私は、「そうか、なら、病気と仲良うしいや」とその方に申し上げた。 するとその方は、私のその一言で、何かが吹っ切れたみたいで、「分かりました!」と帰っていかれました。 次にお見えになったら、えらい元気になっていて、前回会ったときとは別人のようです。 (中略)
③そのうちに、私が大腸ポリープを切除するために入院していると、その方がお見舞いに来てくださった。 (中略) 帰りがけに「管長さん、早く元気になっておくれやっしゃ」 「そやな、あんたも気張ろうな」。 そんな言葉を交わして別れて、それからもう1月しないうちに、なくなったんです。 (中略) 後で、奥様に聞いたら、「にっこり笑って死なはりました」そうです。
④だから、なんでもそう。 気持ちの持ちようです。 心の問題。 今ある現実をどう受け止めるか、です。 落ちこんでいるなら、落ちこんでいる今の自分と、仲良くする。 そうしたらもう、あとは上がってくるしかないわけです。』
4.あるご縁で、何度か、有馬老師に座禅の指導をしていただいたことがありました。 夏の夜明け前の座禅の最中に、眠くなってしまい、老師に「動くな!」と一喝されたことを思い出します(恥)。
2.本書に書かれている、有馬老師の生い立ちを、番号を付けて紹介します。
『①私が生まれた有馬家というのは、かの有馬温泉や、競馬の有馬記念ともゆかりのある、大名家・有馬家の分家にあたり、父は男爵、母の実家は、さかのぼれば徳川家康の生みの親につらなる家系、という子爵の家でした。
②私は、学習院の幼稚園の2年目に、思いがけず、皇太子様(つまり今上天皇です)の遊び相手に選ばれ、初等科へと進学します。 ところが、初等科2年の秋に、両親がついに離婚することになりました。 私達3兄弟は、ひとまず九州・久留米にある、有馬家ゆかりの家に預けられ、身の振り方が協議されたのです。 (中略)
③ある日、伯父に、「お前は将来、何になりたい?」と聞かれ、そのころちょうど、一休さんの絵本を読んでいた私は、「一休さんのような人になりたいです」と答えてしまった。 そこで、私は初代久留米藩主・豊氏(とようじ)が、有馬家の菩提寺として建立した寺に、預けられることになったのです。』
3.本書の、『がんとも仲良しになる』の項から、抜粋し、番号を付けて紹介します。
『①あるとき、知り合いがお見えになって、ひどく元気がなかった。 どこか調子でも悪いのかと尋ねると、自分は肝臓がんで、もうじきあきませんのや、とおっしゃった。 こういうとき、下手に大丈夫ですよ、きっと治りますよ、なんていうのは、一番よくない。 (中略)
②ですから私は、「そうか、なら、病気と仲良うしいや」とその方に申し上げた。 するとその方は、私のその一言で、何かが吹っ切れたみたいで、「分かりました!」と帰っていかれました。 次にお見えになったら、えらい元気になっていて、前回会ったときとは別人のようです。 (中略)
③そのうちに、私が大腸ポリープを切除するために入院していると、その方がお見舞いに来てくださった。 (中略) 帰りがけに「管長さん、早く元気になっておくれやっしゃ」 「そやな、あんたも気張ろうな」。 そんな言葉を交わして別れて、それからもう1月しないうちに、なくなったんです。 (中略) 後で、奥様に聞いたら、「にっこり笑って死なはりました」そうです。
④だから、なんでもそう。 気持ちの持ちようです。 心の問題。 今ある現実をどう受け止めるか、です。 落ちこんでいるなら、落ちこんでいる今の自分と、仲良くする。 そうしたらもう、あとは上がってくるしかないわけです。』
4.あるご縁で、何度か、有馬老師に座禅の指導をしていただいたことがありました。 夏の夜明け前の座禅の最中に、眠くなってしまい、老師に「動くな!」と一喝されたことを思い出します(恥)。