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生き延びるために大切なこと

1.世のなかの複雑な現象を、分かりやすく解説する本が好きで、よく読みます。  私が若いころの執筆者であれば、邱永漢・渡部昇一・米長邦雄・堺屋太一などの各氏で、このブログでも何回か紹介しました。  でも、残念ながら、皆さんお亡くなりになっています。


2.最近よく読むのは、哲学者・武道家の内田樹先生の本で、直近では1月14日のブログでも取り上げました。  今回は『サル化する世界』(文藝春秋)の「生き延びるために一番大切なこと」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①人はやりたいことをやっているときに最もパフォーマンスが高くなります。

②難局に遭遇して、そこで適切な選択をするためには、他者の過去の成功事例を模倣することではなく、自分自身の臨機応変の判断力を高めた方がいい。  そして、自分の判断力が高まるのは、「好きなことをしているとき」なんです。

③「自分は本当は何をしたいのか?」をいつも考えている人は「これはやりたくない」ということに対する感度が上がります。  そして、生物が「これはやりたくない」と直感することというのは、たいてい「その個体の生命力を減殺させるもの」なのです。

④自分の生きる力を高めるものだけを選択し、自分の生きる力を損なうものを回避する、そういうプリミティブな能力を高めることがこの前代未聞の局面を生き延びるために一番大切なことだと僕は思います。』


3.本書中の他の項でも「生き延びるために大切なこと」が書かれていますので、これも番号を付けて紹介します。

『①生き延びるため一番大切なのは、ネットワークです。  (中略)

②生き延びるために必要なもう一つは、いかに〝愉快に、機嫌よく〟生き延びるか、です。  不機嫌では想像力も知性も働きません。

③悲観的にならない、怒らない、恨まない。  そういうネガティブな心の動きはすべて判断力を狂わせます。

④危機的状況下では判断力の正確さが命です。  にこにこ機嫌よくしていないと危機は生き延びられません。  眉間に皺寄せて、世を呪ったり、人の悪口を言ったりしながら下した決断はすべて間違います。  すべて。  ほんとうにそうなんです。

⑤不機嫌なとき、悲しいとき、怒っているときには絶対に重大な決断を下してはいけない。  これは先賢の大切な教えです。』


会員の皆さんの「好きなこと」が極真空手で、〝愉快に、機嫌よく〟稽古されているなら、最高です。





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機を見る力、座を見る力

哲学者・武道家(合気道7段)の内田樹先生が書かれた『そのうちなんとかなるだろう』(マガジンハウス)を読みました。  『第2章 場当たり人生、いよいよ始まる』の中の「機を見る力、座を見る力」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①「いるべきときに、いるべきところにいて、なすべきことをなす」ということが武道のめざすところです。  でも、それは自分の「いるべきとき」 「いるべきところ」 「なすべきこと」は何だろうときょろきょろすることではありません。

②そこが難しい。  それは自分で選ぶものではないからです。

③流れに任せて、ご縁をたどって生きていたら、気がついたら「いるべきところ」にいて、適切な機会に過(あやま)たず「なすべきこと」を果たしている。  そのことに事後的に気がつく。

④武道をしっかりと修行していると、そのような順序の逆転が起きる。  必要なものは、探さなくても目の前にある。

⑤喩(たと)えて言えば、大きな川に出て、さてどうやって渡ろうかなと思案していると、そこに渡し船が通りかかって、船頭さんが「乗らんかね」と声をかけてくれる。  そして、川を渡り終わると、船はすっと消えてゆく。

⑥そういうことが人生の節目節目で連続して起こる。  それが「武運」というものであって、それに恵まれるようになるために武道の修行をするのだ、と(合気道の師である)多田先生に教わりました。』

このブログでも、過去に何回か内田先生の著書を紹介しています。  

これまで私は、内田先生は東大を出たエリート研究者だと思っていました。 

しかし本書には、「都立日比谷高等学校を2年で中退→大学入学資格検定に合格→一浪して東京大学教養学部文科III類に入学→東大・大学院入試に3回落ちる→東京都立大(現・首都大学東京)・大学院に進む」などのエピソードが書かれています。

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量は質を凌ぐ

『ひとりで生きる』(伊集院静著 講談社)を読みました。  「人間の基本」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①人間が、一人でやれることには限界がある。  たとえどんなに優秀な人の能力でもだ。

②では皆で力を合わせてやれば、何でもできるかというと、これも違う。  これには大前提があって、まずは一人一人の能力を高めることが必要なのである。

③どうやれば能力が高められるか?  これは、基本、他人と同じ学び方をしないで、その人独自の学び方を、どのくらいの時期に獲得するか、という点が大切になる。

④早ければ早いほどイイが、早過ぎると、精神、情緒がともなわない場合が多く、・・・私は優秀な人間である。  と勘違いするし、傲慢になる。

⑤勘違いと傲慢は、その人の成長をたちまち止まらせる。  天才と言われて、その気になったら終わるのと同じである。

⑥謙遜になれと言っているのではない。  勘違いとか傲慢なぞ、思う暇もないほど励まないと、人並み以上の能力は身に付かないし、未知の領域にあるものを発見したり、創造したりする作業、行為は、おそらくそういうものなのだろうと思う。

⑦一番イイのは、他人の何十倍もやり続けていることに気付かないことだ。  それが当たり前と思って、いや思うことすらないのがイイ。

⑧私は自分の能力を、この程度だと、三十歳半ばで知ったが、遊べば遊ぶほど、自分の程度に抗って生きるのも面白かろうと思うようになり、五十歳半ばから他人の倍、次に三倍と働きだした。  〝量は質を凌ぐ〟 〝バカは倍やるしかない〟 これを信じることにした。

⑨まだ失敗続きだが、瓢箪とて、やたらと振っていれば妙な駒が出るかもしれない。  ヘェヘヘヘ。 

⑩なぜそうしたか?  〝ひとりで生きる〟ことが人間のまず基本らしいということが経験でわかったからである。

⑪孤独とは違う。  まずはひとりで生きる力と精神を養うことが、大人の男になる大前提だとわかったからだ。』

別の項で著者は 「毎月、四百枚から六百枚(四百字詰)の原稿を書いている」 「ボールペンのインクが二晩でなくなる」と書かれています。

7月21日のブログで紹介した、北方謙三先生のインタビューでも「月に千枚書いても文章は乱れなくなった」とありました。

〝量は質を凌ぐ〟  チーム城西もこれだな~(笑)

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