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社員第一主義

1.『「日本でいちばん大切にしたい会社」がわかる100の指標』(坂本光司著 朝日新書)を読みました。  「1章 社員に関する指標」から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①これまで企業経営で最も大切な人(利害関係者)は、顧客とか株主(出資者)等と長らくいわれてきました。  さすがに最近では株主という人は少なくなりましたが、依然「顧客第一主義」を標榜する企業が圧倒的多数と思います。

②顧客や株主はもちろん大切ですが、筆者らの調査研究では、好不況で業績がほとんどぶれない「いい会社」の大半がより大切にしているのは「社員」でした。  そして「企業経営の目的は社員の幸せの追求・実現」として「社員第一主義」で「大家族的」な経営が貫かれているのです。  

③所属する一人一人の社員が幸せをかみしめることのできる「いい会社」であるならば、たとえ環境が激変し、業績が悪化したとしても、企業が最も大切にすべき社員へのリストラ等をやるはずはないし、社員の組織満足度の証明である転職的離職率は5%以下、より理想は、限りなくゼロに近い状態にあると思います。

④また、社員に心身ともに負担をかける残業時間が日常的に40時間も50時間以上もあるという経営も、社員の健康や幸せを真に願った経営とは到底思えません。  もとよりサービス残業などは、もってのほかです。  

⑤ちなみに離職率の低い会社・残業時間の少ない会社の業績が高く、一方、離職率の高い会社・残業時間の多い会社の業績は低いという傾向があります。』


2.①カミさんの母親は現在101歳(1921年生まれ)で、10年以上前からある老人ホームにお世話になっています。

②その老人ホーム運営会社の社長と5年ほど前にお目にかかりました。  その際に「私の会社では社員がいかに楽しく働けるかを最重要に考えています。  そのことが、ひいては入所者の皆さんへのより良いケアにつながるのだと思います。」と話されていたのが印象的でした。

③100歳の誕生日もやっていただきましたが、スタッフの皆さんの温かい心遣いにはカミさんともども感動しました。  その時いただいた義母の手形の入った額は自宅にいつも飾ってあります。

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財界人物我観

福沢諭吉の婿養子で、実業家の福沢桃介が書いた『財界人物我観』(図書出版社)を読みました。  巻末の『「財界人物我観」跋(ばつ・・・あとがき)』から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『(1)青年諸君!  (三菱財閥の祖)岩崎弥太郎、(安田財閥の祖)安田善次郎論を読んで、いたずらに、その富の大なるに驚き、自ら不及の嘆声を発するなかれ。  (中略)  心掛け次第・勉強次第で、普通の人間ならば、容易に成功の登竜門に入ることができるのだ。


(2)さて、その心掛けというのは・・・・・・

1.倹約たるべきこと。・・・要は、金銭はもちろん、物を浪費せざるにある。  金を愛するがゆえに金が集まるのだ。  せっかく、一の金ができたのにこれをパッパ追い出せば、他の金がこれを見て、あの人の所に行ってもすぐ追い出されるから行くのはやめる、となる。

2.計数を基礎とすること。・・・ばくぜんとやった事業商売は、あるいは「チャンス」にぶつかって、一時は花の咲くこともあろうが、結局は失敗に終わるものだ。  反対に、数字に立脚したものは、一時は難局に立つことがあっても、必ず成功する。

3.幸運を祈るべきこと。・・・①いかに焦っても、もがいても、運が伴わなければ成功するものではない。   ところで、この運はどうしてつかめるか。  答えは極めて簡単だ。  (家業の酒造業と、海運業で巨富を築いた)辰馬吉左衛門のように方位学を研究するか、神仏を信仰するにある。  (中略)  

②神仏を礼拝せざる家庭、無宗教の国家で繁栄した例がない。  青年諸君、決して神仏を軽べつするなかれ。  方位に逆らうなかれ。  これ私の熱心に忠告して止まざるところだ。

4.富をなすの要素は利に利を積むにあり。・・・①  (前略)  サラリーマンでも小商人でも、倹約してその余った金をもって株なり、土地なりに投資し、この利に利を積んで富をつくる道を忘れてはならぬ。  

②だが、不幸にして我が国の将来は株式や土地に投資して、これまで通りの利殖を上げうるや否やは、大いに疑問だ。  私は、むしろ読者諸兄に、今後いかにすれば有利に積利しうるかを聞きたいと思う。


(3)①大胆とか、太っ腹とか、また利口とかは、断じて財界において成功する要素ではない。  否、むしろ害になる。  (破綻した鈴木商店の経営者)鈴木直吉が失敗した原因は種々あろうがあろうが、彼の大胆太っ腹が原因をなしたのだ。

②徳川家康が、ある時、陣に臨んで丸木橋にかかった時、馬から降りて馬の手綱を手に持って徒歩で渡った。  心なきものは、その臆病をあざ笑ったが、この臆病、この用心堅固こそ、後年家康をして天下を取らしめたのである。  

③人殺しを商売とする戦国時代においてすら大胆は無用だ。  いわんや、ソロバンを基礎とする平和な財界においておや。』

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明るい空気

『現代組織に活かす 海軍の「士官心得」』(上村嵐著 プレジデント社)を読みました。  「明るい空気を漂わせろ!」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①仕事に対する考えは人それぞれですが、できればなるべく楽しみながら、明るい雰囲気のもとでしたいものですね。

②楽しみながらとは不謹慎な、というお叱りを受けるかもしれませんが、なにもワイワイおしゃべりしながら仕事をするのではありません。  仕事には辛いこと、苦しいことがたくさんあります。  もし仕事が楽しんでできれば、こうした嫌な思いをしても我慢できるじゃないですか。  (中略)

③「仕事を楽しむ」ためにはいろいろな条件が考えられますが、まず一番なのが明るい雰囲気ではないでしょうか?  どんなに好きな仕事でも、クラ~イ職場ではやってられませんよね。  雰囲気ひとつで、職場はがらっと変わりますからね。

④この雰囲気という目に見えないものは、誰がつくり出すのかというと、やはり人間、しかもその職場のトップでしょう。  これは私の経験からいえるのですが、トップが明るい人だと、その職場も自然と明るく、エネルギッシュなものになります。  ところがトップが代わって陰気な人になりますと、これがあの明るかった職場かと驚くほどに様変わりします。  実にはっきりとしたものですね。  (中略)

⑤私は太平洋戦争が始まる前、潜水艦に乗っていました。  ご存知のように、潜水艦は戦艦などと違って艦自体はとても小さいものです。  ですからチームワークを非常に要求されるのですが、あいにく私は、あまり嬉しくない艦長とここでめぐりあってしまいました。  いま考えますと、けっして人間的に悪い人ではなかったのですが、とにもかくにもコマカイ人でした。  (中略)

⑥この艦長の下、日に日に乗員の士気は衰え、艦長の指示も形だけ守られるというような、最悪の雰囲気になっていきました。  ですから、この艦長の下から離れて転勤したときは、嬉しかったですねえ。  セイセイしましたよ。

⑦人の上に立つべき人は、せめて明るい職場にすることだけでも心がけてほしいものです。  明るければ、とりあえず救いがありますからね。』

支部内の常設道場の壁には、次のような「城西のチームカルチャー」を掲示しています。

「①どこよりも創意工夫する

②どこよりも練習する

③どこよりも楽しんでやる」

「世界中で一番きつい稽古を、世界中で一番楽しんでやる」というのが私の究極の理想です。

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