2022.08.21 Sun
山下泰裕さんの勝負哲学
1.8月10日、NHKの『レジェンドの目撃者』は特別編として、柔道ロス五輪金メダリストの山下泰裕さんを取り上げていました。 番組の中で山下さんが話していた勝負哲学を、番号を付けて紹介します。
『①(私の勝負哲学は)勝負に“絶対”はない。 お前が思っているほど相手は弱くないぞ。 お前が思っているほど相手は強くないぞ。
②最後の最後まで決して安心するな。 最後の最後まで決して諦めるな。 最後まで勝負は分からない。』
2. 1.②について、山下さんは「勝負というものがいかに過酷で厳しいか、そして、予想外のことが起きうるか。 絶対王者と言われた方が敗れて涙を流すとか、そういう姿をいくつも見ていますから。」と話されていました。
山下さんは、全日本選手権9連覇、引退から逆算して203連勝(引き分け含む)、また対外国人選手には生涯無敗(116勝無敗3引き分け)という大記録を打ち立てた、取りこぼしのない盤石の王者でした。
3.肉離れを起こした絶体絶命の状況の中で山下さんが優勝したロス五輪も大変感動的でした。 1984年8月なので、私はリアルタイムで観ていますが、知らない方のためにWikipediaで検索・抜粋し、番号を付けて紹介します。
『①2回戦で西ドイツのアルトゥール・シュナーベルと対戦した際、軸足の右ふくらはぎに肉離れを起こしてしまった。 山下は左に組むため、右足・軸足の肉離れで大変に不利な状況に立たされた。 2回戦は送り襟絞めで勝利を収め、試合後控え室に引き返すまでの間、山下は肉離れを決して悟られまいと平然に振舞って普通に歩いたつもりが、誰にもわかってしまうほど明らかに足を引きずっていた。
②山下は一旦は落ち込むが、次の試合時刻が迫ってくる中開き直り、“足を引きずってもいいから相手を見据えて胸を張っていけ”と自身に言い聞かせ準決勝に臨む。 準決勝の相手はフランスのデル・コロンボだった。 過去の対戦から組みし易い相手と山下は考えていたが、開始30秒で大外刈りによる効果を取られてしまう。 直後は動揺したものの直ぐに我に返り、激しく自身を鼓舞、守りに入ったコロンボを大内刈りと横四方固めの合わせ技で逆転した。
③エジプトのモハメド・ラシュワンとの決勝戦前、山下の頭には『金メダルを取り表彰台の中央で観客に満面の笑みで応える山下』と『タオルを被って号泣してうつむく山下』の両方のイメージが交互に浮かんだ。 師匠の佐藤は「投げられても一本取られなければいい、寝技に持ち込んで勝つ方法もある」と冷静にアドバイスする。
④一方山下も、同じ控え室で気合を入れて調整をしている試合直前のラシュワンに対し、意図してにっこり微笑みかけた。 目が合い、笑顔で応じたラシュワンの緊張が解けた様を見て、山下は勝機を感じていた。
⑤ラシュワンのコーチは「初めの一分間は我慢して攻めないように」とラシュワンに指示したが、ラシュワンはそのアドバイスを忘れたかのように強気で攻め始める。 冷静な山下はラシュワンの攻めに無意識に反応、ラシュワンが体勢を崩した瞬間を捉えて押さえ込みに持っていき、横四方固め。 全て一本勝ちでの金メダル獲得である。』
4.27・28日のセミコン・型・西日本大会、9月10日の東日本大会と試合が続きます。
チーム城西の選手には1.の山下泰裕さんの勝負哲学の中から
『お前が思っているほど相手は強くないぞ。 最後の最後まで決して諦めるな。 最後まで勝負は分からない。』
ということを伝えたいと思います。
『①(私の勝負哲学は)勝負に“絶対”はない。 お前が思っているほど相手は弱くないぞ。 お前が思っているほど相手は強くないぞ。
②最後の最後まで決して安心するな。 最後の最後まで決して諦めるな。 最後まで勝負は分からない。』
2. 1.②について、山下さんは「勝負というものがいかに過酷で厳しいか、そして、予想外のことが起きうるか。 絶対王者と言われた方が敗れて涙を流すとか、そういう姿をいくつも見ていますから。」と話されていました。
山下さんは、全日本選手権9連覇、引退から逆算して203連勝(引き分け含む)、また対外国人選手には生涯無敗(116勝無敗3引き分け)という大記録を打ち立てた、取りこぼしのない盤石の王者でした。
3.肉離れを起こした絶体絶命の状況の中で山下さんが優勝したロス五輪も大変感動的でした。 1984年8月なので、私はリアルタイムで観ていますが、知らない方のためにWikipediaで検索・抜粋し、番号を付けて紹介します。
『①2回戦で西ドイツのアルトゥール・シュナーベルと対戦した際、軸足の右ふくらはぎに肉離れを起こしてしまった。 山下は左に組むため、右足・軸足の肉離れで大変に不利な状況に立たされた。 2回戦は送り襟絞めで勝利を収め、試合後控え室に引き返すまでの間、山下は肉離れを決して悟られまいと平然に振舞って普通に歩いたつもりが、誰にもわかってしまうほど明らかに足を引きずっていた。
②山下は一旦は落ち込むが、次の試合時刻が迫ってくる中開き直り、“足を引きずってもいいから相手を見据えて胸を張っていけ”と自身に言い聞かせ準決勝に臨む。 準決勝の相手はフランスのデル・コロンボだった。 過去の対戦から組みし易い相手と山下は考えていたが、開始30秒で大外刈りによる効果を取られてしまう。 直後は動揺したものの直ぐに我に返り、激しく自身を鼓舞、守りに入ったコロンボを大内刈りと横四方固めの合わせ技で逆転した。
③エジプトのモハメド・ラシュワンとの決勝戦前、山下の頭には『金メダルを取り表彰台の中央で観客に満面の笑みで応える山下』と『タオルを被って号泣してうつむく山下』の両方のイメージが交互に浮かんだ。 師匠の佐藤は「投げられても一本取られなければいい、寝技に持ち込んで勝つ方法もある」と冷静にアドバイスする。
④一方山下も、同じ控え室で気合を入れて調整をしている試合直前のラシュワンに対し、意図してにっこり微笑みかけた。 目が合い、笑顔で応じたラシュワンの緊張が解けた様を見て、山下は勝機を感じていた。
⑤ラシュワンのコーチは「初めの一分間は我慢して攻めないように」とラシュワンに指示したが、ラシュワンはそのアドバイスを忘れたかのように強気で攻め始める。 冷静な山下はラシュワンの攻めに無意識に反応、ラシュワンが体勢を崩した瞬間を捉えて押さえ込みに持っていき、横四方固め。 全て一本勝ちでの金メダル獲得である。』
4.27・28日のセミコン・型・西日本大会、9月10日の東日本大会と試合が続きます。
チーム城西の選手には1.の山下泰裕さんの勝負哲学の中から
『お前が思っているほど相手は強くないぞ。 最後の最後まで決して諦めるな。 最後まで勝負は分からない。』
ということを伝えたいと思います。