2022.05.21 Sat
勇気
NHK・Eテレの『100分de名著』を毎週観ています。 今月取り上げられているのは古代ギリシャの哲学者・アリストテレスが書いた『ニコマコス倫理学』です。 第3回のテーマは『「徳」と「悪徳」』でした。 今月の『NHKテキスト』(山本芳久著 NHK出版)から抜粋し、番号を付けて紹介します。
『①人間の性格や人柄は習慣の積み重ねから生じてくるというのがアリストテレスの見解でした。 どのような人柄を形成すれば全体として幸福な人生を送ることができるかを考察する学問が「倫理学」であり、その中心にあるのが「徳」というものなのです。 徳のなかでも極めて重要なのが「賢慮」「勇気」「節制」「正義」の四つです。 (中略)
②アリストテレスによれば、徳というものは、生まれながらに備わっているものではありません。 というのも、生まれながらに備わっている性質というものは、固定的な在り方をしているものであり、習慣づけることによって変化させていくことができないからです。 (中略)
③アリストテレスは、徳に関する話として、「正しいことを行うことによって、われわれは正しい人になり、節制あることを行うことによって節制ある人になり、また勇気あることを行うことによって、勇気ある人になる」と述べています。 (中略)
④アリストテレスは、「徳」を身につけることは、様々な「技術」を身につけることと同じだと述べているのです。 (中略)
⑤勇気についても同様です。 戦場において勇敢な行動をすることに困難を感じ、常に逃げ出してしまうような人が、あるとき踏みとどまって戦うことができた。 すると、「これまで勇気を奮って戦うことはとても困難なことだと思っていたが、そうでもなかった」と気がつく。
⑥むしろそれまでは、いくら逃げても敵が迫ってくるような気がしてずっと怖かった。 でも堂々と立ち向かってみると、敵のほうが逃げていって怖くなかった。 「なんだ、こっちのほうが楽じゃないか」。 このようにして、勇敢な選択肢を素早く選び取ることができるようになり、その在り方に喜びを感じるようにもなる。
⑦このように、技術と徳は、身につける仕方についても、また身につけたときに素早さや喜びがともなうという点においても、大いに共通点があるとアリストテレスは述べています。 (中略)
⑧②で「徳は生まれつき備わっているものではない」という話をしました。 だからと言って私たちは自らの性格を自由自在に築き上げていくことができるかというと、必ずしもそうではありません。
⑨なぜならば、私たちが「自分の性格を何とかしたい」などと思い始めたときには、すでに相当な習慣づけがされているからです。 もっと勇敢になりたいと思う人は、つい尻込みすることが身についてしまっているからこそそう思うわけですよね。
⑩つまり、私たちはニュートラルな状態から出発できるわけではなく、気づいたときには「徳」と「悪徳」の組み合わせによる、ある種の傾向を身につけているわけです。
⑪アリストテレスが言ってるのは、その身につけてしまったものを引き受けたうえで、「いま、ここ」でどのように振る舞うかが大事だということです。
⑫それによって、少しづつではあるけれど決定的な仕方で、自らの人生に方向づけを与え直していく。 より現実的に、それぞれの人が直面している状況のなかで何ができるかを考えさせてくれる、柔軟性の高い捉え方だと言えます。』
「自分の今の在り方に気づくこと」→「気づいたら、なるべく早めに習慣化すること」が大事なんですね。
「勇気」を身につけるには、極真空手は最適です。 稽古・審査会・試合を通じて、「勇気ある自分」が習慣化されるからです。
『①人間の性格や人柄は習慣の積み重ねから生じてくるというのがアリストテレスの見解でした。 どのような人柄を形成すれば全体として幸福な人生を送ることができるかを考察する学問が「倫理学」であり、その中心にあるのが「徳」というものなのです。 徳のなかでも極めて重要なのが「賢慮」「勇気」「節制」「正義」の四つです。 (中略)
②アリストテレスによれば、徳というものは、生まれながらに備わっているものではありません。 というのも、生まれながらに備わっている性質というものは、固定的な在り方をしているものであり、習慣づけることによって変化させていくことができないからです。 (中略)
③アリストテレスは、徳に関する話として、「正しいことを行うことによって、われわれは正しい人になり、節制あることを行うことによって節制ある人になり、また勇気あることを行うことによって、勇気ある人になる」と述べています。 (中略)
④アリストテレスは、「徳」を身につけることは、様々な「技術」を身につけることと同じだと述べているのです。 (中略)
⑤勇気についても同様です。 戦場において勇敢な行動をすることに困難を感じ、常に逃げ出してしまうような人が、あるとき踏みとどまって戦うことができた。 すると、「これまで勇気を奮って戦うことはとても困難なことだと思っていたが、そうでもなかった」と気がつく。
⑥むしろそれまでは、いくら逃げても敵が迫ってくるような気がしてずっと怖かった。 でも堂々と立ち向かってみると、敵のほうが逃げていって怖くなかった。 「なんだ、こっちのほうが楽じゃないか」。 このようにして、勇敢な選択肢を素早く選び取ることができるようになり、その在り方に喜びを感じるようにもなる。
⑦このように、技術と徳は、身につける仕方についても、また身につけたときに素早さや喜びがともなうという点においても、大いに共通点があるとアリストテレスは述べています。 (中略)
⑧②で「徳は生まれつき備わっているものではない」という話をしました。 だからと言って私たちは自らの性格を自由自在に築き上げていくことができるかというと、必ずしもそうではありません。
⑨なぜならば、私たちが「自分の性格を何とかしたい」などと思い始めたときには、すでに相当な習慣づけがされているからです。 もっと勇敢になりたいと思う人は、つい尻込みすることが身についてしまっているからこそそう思うわけですよね。
⑩つまり、私たちはニュートラルな状態から出発できるわけではなく、気づいたときには「徳」と「悪徳」の組み合わせによる、ある種の傾向を身につけているわけです。
⑪アリストテレスが言ってるのは、その身につけてしまったものを引き受けたうえで、「いま、ここ」でどのように振る舞うかが大事だということです。
⑫それによって、少しづつではあるけれど決定的な仕方で、自らの人生に方向づけを与え直していく。 より現実的に、それぞれの人が直面している状況のなかで何ができるかを考えさせてくれる、柔軟性の高い捉え方だと言えます。』
「自分の今の在り方に気づくこと」→「気づいたら、なるべく早めに習慣化すること」が大事なんですね。
「勇気」を身につけるには、極真空手は最適です。 稽古・審査会・試合を通じて、「勇気ある自分」が習慣化されるからです。