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苦しみを楽しむ覚悟で

(1)NHKBS1『奇跡のレッスン・・・世界の最強コーチと子どもたち』の再放送を観ました。  

今回の「最強コーチ」は、イタリアのレナート・カノーバさん(74歳)で、ケニアを拠点に陸上・長距離選手を指導しているそうです。  教え子たちがオリンピック等で48個のメダルを獲得し、「マラソン界の魔術師」と呼ばれる伝説的な指導者です。  

番組は、レナートさんが東京の公立中学の駅伝チームを1週間指導する内容で、前編と後編が放映されました。  番組内でのレナートさんの語録を抜粋し、番号を付けて紹介します。  

『1.前編・・・タイトル「走れ!苦しみの向こうへ」

①(トレーニングで)苦しむ準備ができていれば、苦しみに耐えられる。

②自分が向き合うことになる苦しみを楽しむ覚悟を決めるんだ。

③苦しみに向き合えば、自分の力を知ることができる。  それに打ち勝つことで強くなることができる。  だから、自分から苦しみを求めよう。  結果はその後についてくる。


2.後編・・・タイトル「苦しみを楽しむ覚悟で走れ」

①トレーニングは苦しいが、苦しみが大きいほど大きな達成感が得られる。

②君が走るのが好きなら、レースを試験だと思わないで欲しい。  自分を表現できる喜びと考えて。

③速くなりたければ、速く走らなければならない。  速いスピードの練習はとてもつらいものだ。  でも、その苦しさに慣れることができれば、苦しみと共に前に進めるようになる。


3.(200m走+ジョギング)×10本のインターバルトレーニングについてのコメント

このトレーニングの狙いは体内に生理的な変化を引き起こし、心肺機能を高めることにある。  心臓を大きくし、送り出す血液の量を増やす。  これは武器になる。  全身にたくさんの酸素やエネルギーを送れるようになり、持久力が上がる。』


(2)駅伝の第一走者として順位を上げられず、レース後に落ち込んでいるチームキャプテンに、レナートさんがかけた言葉にもしびれました。

『君がうまく走れなかった責任は私にある。  君を一区に選んだのは私だ。  君が一番強いランナーだから任せた。  その考えは今も変わらないよ。』

もしかすると、「しびれました」って死語かも(笑)



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ストレッチとラジオ体操、特異性の原理

1.登山家・スキーヤーの三浦豪太さんが毎週土曜日の日経新聞夕刊に「探検学校」というエッセイを書かれており、私のブログでも何度か紹介したことがあります。  8月25日のタイトルは『体操とビル登り』です。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①夏山シーズンになって、注目している体操がある。  登山の運動生理学の権威である鹿屋体育大学の山本正嘉教授が考えた、登山のための「山登りずむ」体操だ。  

②軽快なリズムに乗りながら登山をデフォルメした動きをこなす体操で、3分くらい続けると軽く汗ばむ。  最初はラジオ体操のつもりで面白半分にやっていたが、しっかりやると意外に難しい。

③片足でバランスをとりながら上半身を動かす。  リズムの変化や大きな動きがある。  ストレッチをしながら、体のバランスを保つポジションが求められる。  1つの動きに必ず複数の要素が絡むのだ。

④2カ月前に体力測定のため父の三浦雄一郎と僕が鹿屋体育大を訪れた際、「山登りずむ」について山本先生にいろいろと尋ねてみた。  先生がこの体操を考案するにあたって着目したのが、デュアルタスクと呼ばれる複数の動きを組み合わせた複雑な運動。  これによって、実践的な運動神経系を活性化することができるという。

⑤一般に、準備運動と称してひろく行われている筋肉を伸ばすことだけを目的としたストレッチは、けがの防止にほとんど役に立たないことがいくつかの研究から明らかになっている。  それよりも筋肉を動かし、血流の流れをよくし、筋肉をつかさどる神経を活性化するほうがよほど効果があるという。  

⑥「山登りずむ」はもちろん、従来の朝のラジオ体操も、単なるストレッチと比べてよほど実践的な準備運動だといえる。』

④の「デュアルタスクと呼ばれる複数の動きを組み合わせた複雑な運動。  これによって、実践的な運動神経系を活性化することができるという。」は私も意拳などの稽古を通して実感しています。

また、⑥の「従来の朝のラジオ体操も、単なるストレッチと比べてよほど実践的な準備運動だといえる。」には驚きました。  

トレーニング理論も日進月歩なので勉強しつづけなければなりませんね。

ちなみに、「山登りずむ」体操は「登山体操 山登りずむ」で検索すると動画を見ることができます。  参考にして下さい。


2.同じく9月8日のタイトルは『特異性の原理』です。  抜粋し、番号を付けて紹介します。
 
『(1)①(前略)僕はこの3カ月間、トライアスロンレース「HAYAMAN」に出場する息子のトレーニングにもつき合った。  9日に葉山で開催されるこのレースは、逗子の大人も子供も参加する地域の一大イベントだ。  

②水泳、パドルボード(サーフボードを両手でこぐ)、ランで構成されている。  走るだけなら伴走したり教えたりできても、泳ぎやパドルは僕の専門外。  

③その不足は、息子の通っている「トビウオクラブ」のコーチがほかの子供たちとの合同練習のなかで補ってくれた。  一緒に練習してみると、水泳と慣れないパドルで息が上がったあとに走るのは思ったより辛い。


(2)①トレーニングには過負荷、特異性、可逆性の3原理というものがある。  

②普段の身体活動よりもきつい負荷を加えなければ効果を得られない。  これが過負荷の原理である。

③トレーニングはその種類によって効果が異なり、鍛えた部位や動作にのみ効果があらわれる。  これが特異性の原理。

④トレーニングで得た効果はトレーニングをやめると失われる。  これが可逆性の原理。  


(3)①今回、僕は2つ目の「特異性」を強く実感した。

②水泳、パドル、長距離走はすべて登山と同じ持久系の運動だが、いずれも体力があればこなせるというものではなく、それぞれに特異性がある。  使う筋肉、技術、何よりも考え方に違いがあり、一筋縄ではいかない。  

③マラソンが速くても、高所登山ではゆっくり登るお年寄りに追い越される。  山では機敏に動ける僕が、泳ぎでは小学生に抜かれてしまう。  

④登山のために他のスポーツで鍛えるのもいいが、山に強くなるには小さな山でも登り続けることだ。  それが無理なら、荷物を持ってビルの階段を上り下りすることをお勧めする。』

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速筋と遅筋 その2

7月9日のブログのタイトルは『速筋と遅筋』でした。  今回は『背すじは伸ばすな!』(山下久明著 光文社新書)から『速筋と遅筋』について抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①筋肉の凝りや痛みは、筋肉を休めれば回復しますが、休んでもらっては困る筋肉もあります。  それが内臓筋です。  例えば、心臓や肺を動かす筋肉がそれにあたります。  (中略)

②一方、手足を動かす筋肉は、運動神経の支配を受けていますので、あなたの意志で動かすことができます。  これを骨格筋といいます。

③肺を動かす筋肉も自律神経がコントロールしている内臓筋ですが、こちらは意志によって動かすことができます。  たとえば「深呼吸をしよう」と思えば、いつでもできますよね。  肺は内臓筋でありながら骨格筋としての性格も併せ持っているので、運動神経からのコントロールが効くのです。

④このように、内臓筋と骨格筋の両方の性格を持つ筋肉が体には存在していて、姿勢を支える筋肉もそうしたたぐいの筋肉なのです。

⑤内臓筋が凝って硬くなるようでは困ります。  まさに生死に関わりますから、凝りが戻るまで休ませるわけにもいきません。  ですから、何としても疲れにくい筋肉にする必要があります。

⑥では、どうすればよいのでしょう。  一つには血流を良くしておいて、(凝りの原因となる)乳酸をどんどん洗い流すという手が考えられます。  たとえば心臓の筋肉なら、常に血液が出入りしているので、それが可能かもしれません。  

⑦でも、最初から乳酸の生成を抑えられるなら、それに越したことはありません。  乳酸は、糖類(主にブドウ糖)から手っ取り早くエネルギーを取り出すときに出てくる副産物ですが、脂肪酸からエネルギーを取り出せば、乳酸はできません。

⑧脂肪酸とは要するに脂肪のことで、体は余ったエネルギーを細胞の中に脂肪酸として蓄えています。  この脂肪酸を利用している筋肉は、乳酸が発生して凝って硬くなってしまうことがありません。  ただし、脂肪酸からエネルギーを取り出すには時間がかかりますので、早い動きに対応できないのです。  こうした筋肉を遅筋と呼んでいます。

⑨一方、糖類をエネルギー源として素早い動きができる筋肉を速筋と呼んでいます。

⑩遅筋と速筋は、それぞれ独立して存在しているわけではありません。  特別な筋肉を除けば、一つの筋肉の中に遅筋と速筋が混ざりあっているのです。  内臓筋には遅筋が多いほうが有利ですが、手足を動かす筋肉には、速筋が多いほうが速い動きに対応できますので有利です。  

⑪この遅筋と速筋の配合比率は、筋肉によって最初から異なり、それぞれの使用目的もあらかじめ想定されていることになります。  そのため、間違った筋肉を姿勢維持のために使うようなことをすれば、筋肉痛や凝りが起きても不思議はないのです。』

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