FC2ブログ

| PAGE-SELECT | NEXT

地面反力を使う

1.『ロジカル筋トレ』(清水忍著 幻冬舎新書)を読みました。  『バーベルを上げるときは「地面から力をもらう」』の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①「地面反力」というのは、地面を強く蹴ったり押し込んだりしたときの反動として「地面からもらい受ける力」のことを指す。  たとえば、スクワットは地面への踏み込み能力を向上させるためのトレーニングと私は考えているのだが、バーベルを持ってのスクワットで体を上げていくときに「もっと地面反力を使って上げろ!」と言ったりする。

②しっかりと地面反力をもらうには、しっかりと立って地面を強く踏み込まなくてはならない。  そのため、私は、体重70キロの人が100キロのバーベルを上げる場合、「100キロのバーベルを上げようとするよりも、自分の体重とバーベルの重量を足した170キロで地面を押し込め」といった指導をする。

③この感覚がつかめてくると、人は自然に「いちばん強く地面を押せるポジション」をとってスクワットするようになる。  また、フォームもおのずと整ってきて、「地面を強く押せる理に適ったフォーム」をとるようになっていく。  そうすると、170キロの力強さで地面をしっかりと押し込み、その地面反力を使って100キロのバーベルを上げられるようになっていくのである。

④このように、人は「地面をしっかりと押すこと」を意識していると、あれこれ教えられなくても本能的に合理的な動作をとるようになっていくものなのだ。  もちろんスクワットに限った話ではない。  他の筋トレメニューでも「足腰で地面を力強く押すこと」を意識していると、押すためのフォームがピシッと固まって、合理的かつ効率のいいトレーニングができるようになっていく。

⑤さらに、日々足腰で地面を踏み込むトレーニングを積んでいると、日常動作にも好影響が現れるようになる。  例を挙げれば、床から重い荷物を持ち上げる際、足で地面を踏み込むことによってスムーズに持ち上げられるようになったり、電車通勤の際、足を踏み込んで立っているために大きく揺れても体がグラつかなくなったり・・・・・・。  なかには、普段から地面を押すのを意識しながら歩いたり走ったりしていたら、いつの間にか足が速くなっていたという人もいる。

⑥おそらく、地面を押し込み、地面から力をもらうということは、人間が合理的な動作をするためのいちばんの基本なのだろう。  逆に言えば、わたしたち人間は「足腰で地面を押す」を習慣にすることによってこそ、合理的で効率のいい身体動作を取り戻していくことができるのではないだろうか。』


2.1.④の「他の筋トレメニュー」に関し、他の章で、ベンチプレスについて次のように書かれています。

『私がアスリートを指導するときには、よく「ベンチプレスは肩甲骨の『地面反力』を使え」という言い方をしている。  「肩甲骨の地面反力」を使ってベンチプレスを行なうと、大胸筋だけでなく上腕三頭筋・三角筋前部など複数の筋肉が最適なタイミングで使われ、それらの筋肉の連動性や力の伝達力を合理的に高めていくことができるのだ。』


3.「地面反力」については、意拳の創始者である王薌齋先生も言及されています。  孫立先生が書かれた『王薌齋伝』(ベースボールマガジン社)から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①練習にさいしては、また人体の外力と内部の動きのあいだにある対立と統一の法則を巧みに運用しなければならない。

②人体の外力には四種類ある。  ひとつは人体の力、つまり重力で、位置エネルギーが運動エネルギーに転化することで、「地球の中心と争う力」になる。

③地面が支える力とそれに対する反作用の力は、いわゆる「地面から離れて飛び立つ」力である。』

TOP↑

苦しみを楽しむ覚悟で

(1)NHKBS1『奇跡のレッスン・・・世界の最強コーチと子どもたち』の再放送を観ました。  

今回の「最強コーチ」は、イタリアのレナート・カノーバさん(74歳)で、ケニアを拠点に陸上・長距離選手を指導しているそうです。  教え子たちがオリンピック等で48個のメダルを獲得し、「マラソン界の魔術師」と呼ばれる伝説的な指導者です。  

番組は、レナートさんが東京の公立中学の駅伝チームを1週間指導する内容で、前編と後編が放映されました。  番組内でのレナートさんの語録を抜粋し、番号を付けて紹介します。  

『1.前編・・・タイトル「走れ!苦しみの向こうへ」

①(トレーニングで)苦しむ準備ができていれば、苦しみに耐えられる。

②自分が向き合うことになる苦しみを楽しむ覚悟を決めるんだ。

③苦しみに向き合えば、自分の力を知ることができる。  それに打ち勝つことで強くなることができる。  だから、自分から苦しみを求めよう。  結果はその後についてくる。


2.後編・・・タイトル「苦しみを楽しむ覚悟で走れ」

①トレーニングは苦しいが、苦しみが大きいほど大きな達成感が得られる。

②君が走るのが好きなら、レースを試験だと思わないで欲しい。  自分を表現できる喜びと考えて。

③速くなりたければ、速く走らなければならない。  速いスピードの練習はとてもつらいものだ。  でも、その苦しさに慣れることができれば、苦しみと共に前に進めるようになる。


3.(200m走+ジョギング)×10本のインターバルトレーニングについてのコメント

このトレーニングの狙いは体内に生理的な変化を引き起こし、心肺機能を高めることにある。  心臓を大きくし、送り出す血液の量を増やす。  これは武器になる。  全身にたくさんの酸素やエネルギーを送れるようになり、持久力が上がる。』


(2)駅伝の第一走者として順位を上げられず、レース後に落ち込んでいるチームキャプテンに、レナートさんがかけた言葉にもしびれました。

『君がうまく走れなかった責任は私にある。  君を一区に選んだのは私だ。  君が一番強いランナーだから任せた。  その考えは今も変わらないよ。』

もしかすると、「しびれました」って死語かも(笑)



TOP↑

ストレッチとラジオ体操、特異性の原理

1.登山家・スキーヤーの三浦豪太さんが毎週土曜日の日経新聞夕刊に「探検学校」というエッセイを書かれており、私のブログでも何度か紹介したことがあります。  8月25日のタイトルは『体操とビル登り』です。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①夏山シーズンになって、注目している体操がある。  登山の運動生理学の権威である鹿屋体育大学の山本正嘉教授が考えた、登山のための「山登りずむ」体操だ。  

②軽快なリズムに乗りながら登山をデフォルメした動きをこなす体操で、3分くらい続けると軽く汗ばむ。  最初はラジオ体操のつもりで面白半分にやっていたが、しっかりやると意外に難しい。

③片足でバランスをとりながら上半身を動かす。  リズムの変化や大きな動きがある。  ストレッチをしながら、体のバランスを保つポジションが求められる。  1つの動きに必ず複数の要素が絡むのだ。

④2カ月前に体力測定のため父の三浦雄一郎と僕が鹿屋体育大を訪れた際、「山登りずむ」について山本先生にいろいろと尋ねてみた。  先生がこの体操を考案するにあたって着目したのが、デュアルタスクと呼ばれる複数の動きを組み合わせた複雑な運動。  これによって、実践的な運動神経系を活性化することができるという。

⑤一般に、準備運動と称してひろく行われている筋肉を伸ばすことだけを目的としたストレッチは、けがの防止にほとんど役に立たないことがいくつかの研究から明らかになっている。  それよりも筋肉を動かし、血流の流れをよくし、筋肉をつかさどる神経を活性化するほうがよほど効果があるという。  

⑥「山登りずむ」はもちろん、従来の朝のラジオ体操も、単なるストレッチと比べてよほど実践的な準備運動だといえる。』

④の「デュアルタスクと呼ばれる複数の動きを組み合わせた複雑な運動。  これによって、実践的な運動神経系を活性化することができるという。」は私も意拳などの稽古を通して実感しています。

また、⑥の「従来の朝のラジオ体操も、単なるストレッチと比べてよほど実践的な準備運動だといえる。」には驚きました。  

トレーニング理論も日進月歩なので勉強しつづけなければなりませんね。

ちなみに、「山登りずむ」体操は「登山体操 山登りずむ」で検索すると動画を見ることができます。  参考にして下さい。


2.同じく9月8日のタイトルは『特異性の原理』です。  抜粋し、番号を付けて紹介します。
 
『(1)①(前略)僕はこの3カ月間、トライアスロンレース「HAYAMAN」に出場する息子のトレーニングにもつき合った。  9日に葉山で開催されるこのレースは、逗子の大人も子供も参加する地域の一大イベントだ。  

②水泳、パドルボード(サーフボードを両手でこぐ)、ランで構成されている。  走るだけなら伴走したり教えたりできても、泳ぎやパドルは僕の専門外。  

③その不足は、息子の通っている「トビウオクラブ」のコーチがほかの子供たちとの合同練習のなかで補ってくれた。  一緒に練習してみると、水泳と慣れないパドルで息が上がったあとに走るのは思ったより辛い。


(2)①トレーニングには過負荷、特異性、可逆性の3原理というものがある。  

②普段の身体活動よりもきつい負荷を加えなければ効果を得られない。  これが過負荷の原理である。

③トレーニングはその種類によって効果が異なり、鍛えた部位や動作にのみ効果があらわれる。  これが特異性の原理。

④トレーニングで得た効果はトレーニングをやめると失われる。  これが可逆性の原理。  


(3)①今回、僕は2つ目の「特異性」を強く実感した。

②水泳、パドル、長距離走はすべて登山と同じ持久系の運動だが、いずれも体力があればこなせるというものではなく、それぞれに特異性がある。  使う筋肉、技術、何よりも考え方に違いがあり、一筋縄ではいかない。  

③マラソンが速くても、高所登山ではゆっくり登るお年寄りに追い越される。  山では機敏に動ける僕が、泳ぎでは小学生に抜かれてしまう。  

④登山のために他のスポーツで鍛えるのもいいが、山に強くなるには小さな山でも登り続けることだ。  それが無理なら、荷物を持ってビルの階段を上り下りすることをお勧めする。』

TOP↑

| PAGE-SELECT | NEXT