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最近の新聞記事から

最近の新聞記事から抜粋し、番号を付けて紹介します。

1.日経新聞(3月30日夕刊)・・・『1日8000歩以上 週1~2日でも死亡リスク減少』

『①京都大の井上浩輔助教らのチームは30日までに、1日8千歩以上を週1~2日歩く人は、週3~7日歩く人と同程度死亡リスクが減少していたとの分析結果を発表した。  チームは「運動する時間が毎日取れなくても週末などに数日だけ運動すれば健康の維持が期待できる」としている。

②チームによると、1日当たりの平均歩数は男性が約6700歩、女性が約5800歩。  20歳以上の男女3千人余りを対象に、2005~06年に米国で実施された健康調査の歩行データなどを分析した。

③1日8千歩以上を週に1日も歩かない人と比べて、週1~2日歩く人は10年後の死亡率が14.9%低下。  週3~7日歩く人は16.5%の低下で、週1~2日歩く人と大きな差はなかった。

④1日8千歩以上歩くと死亡率が下がることはこれまでの研究で分かっていたが、週にどれくらいの頻度で実行すれば効果があるかよく分かっていなかったという。』

※同様の記事が同日の朝日新聞・夕刊にも載っており、次のような記述がありました。

『また、歩数を1日あたり6千~1万歩に変えた場合も調べた。  その結果、いずれの歩数でも、歩いた日数がゼロの人に比べて、1~2日歩くだけで死亡リスクは大きく下がったという。』

※※我田引水的に言えば、「空手の稽古日数がゼロの人に比べて、週に1~2日稽古するだけで死亡リスクは大きく下がる」はずだと思います (^^)/


2.朝日新聞(3月29日)・・・『何を失っているのか 人生で信じるものは「人」ではなかったか』(漫画家・いがらしみきおさんの寄稿)

『①(前略)どんな生き物にも奇跡は必ず2度起きる。  1度目は生まれた時で、2度目は死ぬ時である。

②生まれるということは、どこにも存在しなかったものが、はじめてこの世界に姿かたちを現すということであり、死ぬということは、あれほど生きて動いていたものが、ある瞬間からただの物体になってしまうということだ。

③これ以上の奇跡などないだろう。   その2度の奇跡の間にあるのが、我々の人生というもので、それは間違いなく「時間」なのだが、時間というものは科学的に証明されていないらしく、「時間は存在しない」とする科学者も多い。

④それでは、我々が生きて、刻々と感じているこの時間とはなんなのか。  それさえただの錯覚で、有史以来、気が遠くなるほど長く続いている物理的現象に過ぎないのか。』

昨年11月11日に初孫が生まれ、今年2月21日に101歳の義母が亡くなった私にとって、①の「どんな生き物にも奇跡は必ず2度起きる。  1度目は生まれた時で、2度目は死ぬ時である。」という文章が妙に腹落ちしたので紹介しました。






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脳をバランスよく使う

1.『忘れる能力 脳寿命をのばすにはどんどん忘れなさい』(岩立康男著 朝日新書)を読みました。  『第5章 脳寿命を延ばす・・・「忘れられる脳」の作り方』の中の「一番大事なのは、脳をバランス良く使うこと」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①脳を病弊させないために最も有効なのが、違うことをすることだ。  これは言い換えれば、「集中系と分散系をバランス良く使う」ということである。

②脳には大きく分けて2つのシステムがある。  それが「集中系」と「分散系」であり、それぞれの活性時には必ず他方を抑制し、休ませている。

③集中系というのは、「目的を持って何かの仕事に集中している」ときに活性化する部分で、主に前頭葉や頭頂葉の外側皮質がこれにあたる。  逆に、何かの仕事に集中しているときに抑制されている部分が分散系で、脳全体のバランスを抑制し、記憶の整理もつかさどる。

④両者は互いに抑制し合いながら作用するのであって、高度な連携作業によって脳のパフォーマンスを最大限引き出すような仕組みを取っている。  つまり、両者を交互にバランスよく活性化させていけば、それぞれに適度な休息を与えることにつながり、脳の健康寿命は延びていくのである。  (中略)

⑤これとは反対に、「同じこと」を続けていたら、すなわち「集中系」と「分散系」のどちらかしか使っていない状態が続いていたら、脳はどんどん病弊していく。  (中略)

⑥集中系の過剰な活性化は、その部位に劣化したタンパク質や活性酸素などの蓄積を招き、細胞死につながっていく。  さらにノルアドレナリンやドーパミンを分泌する細胞たちへの過剰な負担からその病弊をもたらし、これらの細胞死を招くことになり、やがて集中系の機能低下につながってしまう。

⑦脳の細胞が死んでいく「神経変性疾患」のうち、パーキンソン病やある種の認知症では、病前性格として「生真面目」「律儀」などの傾向が挙げられている。  こういった性格は周囲の人々から高く評価されるが、集中系が長い時間、過剰に活性化しやすいため、その弊害が起こってくると考えられる。  真面目な性格ゆえに、「きちんと仕上げるまで」「ひと区切りつくまで」と、一つの仕事に集中して作業を続けてしまう。

⑧そのため「疲れた」「飽きた」と仕事を一旦放り出して休んだり、違うことをして息抜きをしたりする、といったことができないわけだ。  これだと長い目で見れば、脳の働き方に、集中系の過剰活性化という偏りが生じてしまうだろう。』

2.著者がまとめた「集中系・分散系の活動リスト」は以下の通りです。

(1)集中系
・何か目的を持って課題をこなす
・読書
・好きなことに熱中する
・運動、エクササイズ
・好きな音楽を聴く
・文章を書く
・スマホでゲームに興じる

(2)分散系
・ぼーっと景色を眺める
・散歩
・過去の記憶を回想する
・入浴、シャワー
・睡眠(レム睡眠時)
・あまり頭を使わない単純作業
・SNSを流し読み

3.私自身、ぼーっとすることが苦手で集中系に偏ることが多いので、自戒を込めて紹介しました。


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運動脳

1.2021年1月31日のブログで『スマホ脳』(アンデシュ・ハンセン著 新潮社)を紹介しました。  今回は同じ著者による『運動脳』を紹介します。  2016年に刊行されてから、著者の母国スウェーデンで67万部以上が売れた(人口の6%超が買った)超ベストセラーです。


2.「はじめに」から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①腕を鍛えたければ脚ではなく腕のトレーニングをするのだから、脳も同じはず。  私たちはそう考えて、クロスワードパズルや記憶力のトレーニング、様々な脳トレ・メソッドで頭を鍛えようとする。

②しかし結論からいえば、効果はあまり期待できない。

③脳の機能を高めるには戦略的に運動するほうが、パズルや脳トレよりはるかに効果があることを、研究成果がはっきりと証明している。

④驚いたことに、脳は頭を働かせようとするより、身体を動かすことでこそ威力を発揮する器官らしいのだ。』


3.第1章「現代人はほとんど原始人」から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①何百万年もの間、私たちの祖先は、現代人よりもはるかに活発に動きまわっていた。

②理由は単純だ。  人類の歴史において、ほとんどの時代、身体を動かさなければ食料を手に入れることも、生き延びることもできなかったからだ。  そのため、私たちの身体は動くのに適したつくりになっている。

③脳も例外ではない。

④私たちの脳は100年経っても、(新石器時代から)1万2000年経っても、さほど大きく変化していない。

⑤生活習慣は一変し、その結果、もともと身体が適応していた生活からはますます遠ざかってしまったが、あなたや私の脳は、今もまだサバンナで暮らしている。  そして、私たちが活発に動くことに、脳は何より敏感に反応する。

⑥もはや食料を調達するために狩りに出かける必要はなく、インターネットで注文までできる時代だ。

⑦それでも、ほんの少し祖先の生活に近づけば・・・つまり身体をもっと動かせば、私たちの脳は、今よりもずっと効率よく動いてくれることだろう。』


4.第2章「脳から『ストレス』を取り払う」から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①ここ数年、ストレスや不安に悩まされて精神科を訪れる思春期の子どもたちは増えるいっぽうだ。  生物学的に見れば、この時期の子どもたちが不安に悩まされてしまうことは当然といえる。

②前頭葉や前頭前皮質など、ストレスを抑える脳の部位は、最後に完成する。  10代では、まだ発達途中の段階で、じつをいえば、25歳ぐらいになるまで完成しない。

③いっぽう扁桃体のようなストレスを生み出す部位は、17歳でほぼ完成する。

④不安を引き起こす部位は充分に発達していても、それを抑える部位が未熟となれば、思春期の子どもたちが感情の起伏が激しく、衝動的で、いつも何かしら悩みごとを抱えているのも無理はない。

⑤そして、こういった思春期の子どものストレスや不安に対しても、運動は絶大な効果をもたらす。』


5.第7章「『学力』を伸ばす」では、運動が子供たちの基礎的な学力・・・いわゆる「読み・書き・計算」の力を伸ばすことの実例が紹介されています。


6.運動、特に有酸素運動が脳の機能向上に及ぼす影響については、2021年9月26日のブログでも『脳を鍛えるには運動しかない!』(ジョン・J・レイティ著 NHK出版)を紹介しました。

そのときも書きましたが、空手の稽古は心肺機能のスタミナを養成する有酸素運動そのものですから、脳の機能向上(少年の学力向上、思春期の情緒安定、高齢者の認知症予防)に最適ですね。







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