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いのちを守る水分補給

10年に一度?の暑い日が続いています。  私自身、最近は熱中症に対してナーバスになっています。  そこで、『いのちを守る水分補給』(谷口栄喜著 評言社)を読みました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.①生まれたての赤ちゃんは体重の8割が体液で、年齢とともに体液量は減少して乳幼児では7割に、成人では6割に、高齢者では5割にまで、そして死を迎える頃には3割にまで低下していきます。  加齢によって下半身の筋肉量が減少することにともない、全身の体液量が減少すると考えてよいでしょう。  

②筋肉にはたくさんの体液が含まれています。 具体的には、全体液の約40%が筋肉内にあるといわれています。 特に、ヒトは骨盤から下半身に筋肉が多く、体液も同部位に多く分布しています。

③脂肪が多い肥満体型では、相対的に筋肉量が少なくなるので、体液量の割合は減少します。  つまり、肥満体型では、体液量が少ないために(熱中症の1つの症状・病態である)脱水症になりやすいのです。

④筋肉量が多いアスリート体型では、体液量は増加します。  したがって、アスリート体型では脱水症になりにくいのです。

2.成人を例に体液バランスの維持について考えてみましょう。  体重60キログラムの成人で1日に2000キロカロリーの食事をとるとしたら、
①食べ物からとる水分… 2000キロカロリー程度の食事で1000ミリリットル程度の水分が摂取できる。
②飲み物からとる水分…コップ1杯(150ミリリットル程度)の水分を1日に8回飲むことで1200ミリリットル程度の水分が摂取できる。
③代謝水… 2000キロカロリー程度の食事で300ミリリットル程度の代謝水(食べ物が体内で分解されるときに発生する水)が産生される。

3.①例えば、朝食を抜くだけで1日に必要な水分摂取量の3分の1くらいが不足してしまうのです。   朝食を抜く場合には、最低500ミリリットル程度の水分補給はしておくべきです。   

②特に夏期は運動をしていなくても汗をかきますから、朝食での水分は意識してとるようにしましょう。   果物や夏野菜を意識してとることも水分補給効果を高めます。

4.食事から水分補給をすることのメリットを挙げます。
①食事をとるだけで無意識のうちに水分補給ができる
② 食事からゆっくり体内に水分が吸収されるので尿意をもよおしにくい
③食事からとった水分はからだに保持されやすい
④おやつなどから、手軽に水分がとれる
⑤同時に、エネルギーと各種栄養素が摂取できる

5.①食事がしっかりとれていれば、食事中に含まれている電解質や糖分で十分に必要成分をまかなえます。

②経口補水液やスポーツドリンクにはたくさんの電解質や糖分が含まれているので、食事に加えて摂取すると塩分や糖分の過剰摂取をまねきます。  その結果、血糖値が上昇したり、塩分過多で血圧が上昇したりする危険性が増します。

③理想的な水分補給方法は、栄養価の高い食事を十分にとって、合間に水やお茶で水分補給することです。

6.①スポーツドリンクは基本的にスポーツ選手のために開発された飲料です。  そのため、糖質の含有量も多めなものが発売されています。  日常生活の中でむやみに摂取することはせず、スポーツで失われたエネルギー、電解質および栄養素を補うための飲料として摂取するようにしましょう。

②日常的に摂取すると、むし歯の原因になったり、血糖値が上昇して食欲の低下をまねき、食事摂取量が減ったりするおそれもあります。  日常生活の中で摂取するようなことは控えましょう。

7.①効果的な水分補給とは、摂取した水分ができるだけ体内に維持されていることです。   その極意は、「水分がからだに入ったことをからだに悟られないこと」。   その方法が、6オンス (180ml) 8回法です!

②例えば、コップ1杯200ミリリットル程度の水分なら、一気に摂取しても相当量の水分が体内に残ります。

③しかし、ペットボトル1本(500ミリリットル)程度の水分を一気に摂取すると尿意をもよおし、せっかく摂取した水分が体内には残らずに尿として排出されてしまいます。』

前回のブログで認知症予防のためには、筋肉、特に(太ももの前面の筋肉である)大腿四頭筋を鍛えることが重要だと書きました。  上記1.②を読むと、脱水症にならないためにも大腿四頭筋を鍛える必要がありますね。





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筋肉と認知症

先日、92歳になる母親の面会で老人ホームに行ってきました。  まだまだ元気なのですが、認知症が進みつつあるようです。  年末で70歳になる私も他人ごとではありません。  ということで、『70代、腸内細菌と筋肉で老いを超える』(江田証著 さくら舎)を読みました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.①(前略)うつ病やアルツハイマー病の患者ではこのBDNF(脳由来神経栄養因子)が減っており、BDNF を投与すると、動物実験ではうつ状態が改善します。

②筋肉運動をすると、BDNFが筋肉から出て、空間認知能力が高まるなど、 認知力が増大していきます。  特に高齢者が運動するとBDNFが上昇し、記憶をつかさどる海馬という脳の容積が増えることがわかっています。


2.①IL-6やBDNFといったマイオカイン(筋肉から出る作動因子)を増やすのには、温熱刺激が効果的なことがわかっています。  筋肉を温めたほうがマウスの骨格筋ではIL-6が増えますし、低温よりも高温で運動したほうがBDNFは増えます。

②ヒトでの研究では、35℃の温浴をしてもBDNPは増えませんが、42℃の温浴ではBDNFが増えました。  つまり、温泉に行くと体調が良くなるのは、温泉で体温が上がることでBDNFなどのマイオカインが筋肉から出るからなのです。


3.①「認知症のリスクは歩幅でわかる」ということをご存じでしょうか?  東京都健康長寿研究班の70歳以上の1149人を対象に行った10年間の追跡調査があります。

②広い歩幅で歩ける人が10年間に認知症になったリスクを1とすると、普通の歩幅で歩く人が認知症になったリスクは1.22倍、狭い歩幅で歩く人の認知症リスクは、3.39倍でした。

③女性に限れば、歩幅が狭い人の認知症リスクは、広い歩幅で歩く人のなんと5.76倍にもなりました。  女性が要介護になる主要な原因の一つは認知症です。

④つまり、歩幅を広くとることができ、かかとで地面を蹴って、バンバン歩ける人は筋肉の量が多い。  要するに、筋肉が多い人は、認知症にもなりづらいのです。

⑤これはなぜでしょうか?   運動すると、うつ(鬱)や脳の機能の改善がみられます。  そのメカニズムには、「マイオカイン」が関与しています。

⑥筋肉からは、マイオカインの1つ、BDNFが出ています。  認知症の患者さんでは、このBDNFの血中濃度が低くなっています。  実験で動物にBDNFを与えると、認知機能が改善します。  運動して筋肉を鍛えると、このBDNFが空間認知能力を高め、認知症にもなりづらくなるのです。


4.①サルコペニア(筋肉減少症)は速筋に起こりやすいことがわかっています。  速筋とはすばやく動くために必要な筋肉で、大腿四頭筋がその代表です。

②大腿四頭筋とは、両足の太ももの前面にある筋肉です。   筋肉減少症が始まると、まず太ももが痩せていきます。   足がほっそりするからいいように思われますが、ほっそりするだけでなく、足が上がらなくなってしまうのです。

③足が上がらなくなると、小刻みにソロソロと歩くようになります。  腰や背中はカーブし猫背になり、いわゆる「老けた歩き方」になっていくのです。

④この歩き方は、大変バランスが悪いため、 つまずきやすくなります。   転倒から骨折をし、長期入院したりすれば、その間に足以外の筋力も落ちて最終的に寝たきりになってしまうことも……。』

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腸と心の健康その2

前回に引き続き、今回も「腸と心の健康」についてです。  『結局、腸が9割』(川本徹著 アスコム)の「第3章 腸が変われば気分が明るく前向きになる」から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.①セロトニンと腸の関係は、腸活の最新トピックスとして話題になることも多いので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。  通称“幸せホルモン" と呼ばれているように、セロトニンは私たちが脳で「幸せだな~」と感じる時の材料になるホルモンのひとつです。

②セロトニンは、ポジティブで前向きな気持ちにさせる・気持ちを安定させる・体をスッキリ目覚めさせる、などの作用が強いので、セロトニンが少ないと、怒りやすい・イライラする・ボーっとするなど、精神が不安定な状態になります。  

③セロトニンは、腸の粘膜の中の「腸クロム親和性細胞」という部分で作られています。  この細胞は自律神経とつながっている細胞なので、自律神経系に直接作用して、セロトニンが脳や他の器官などへ運ばれていきます。  そして、脳の中でそのセロトニンが分泌されると、私たちは幸せや前向きな気分を感じ、精神が安定するのです。

④通常は必要な量が適度に分泌されていますが、ストレスが強くかかって大腸の状態が悪くなったりすると分泌量が減ったり、逆に体がセロトニンを多く必要とする時には、分泌量が増えるようなメカニズムになっています。

⑤便秘や下痢などでお腹の調子を崩した時のことを思い出してみてください。 イライラしやすかったり、悲観的に考えてしまったり、ボーっとしてやる気が起きないなど、メンタル面が不安定になりますよね。  これはただ腹部に不快感があるからというだけでなく、セロトニンの分泌量が減ることが関わっているのです。

⑥近年では、体の中の何と約8割! ほどのセロトニンが、腸で作られていることがわかってきています。  セロトニンを安定して作り続けるためにも、腸の健康は必須なのです。

2.①セロトニンが幸せな気分を作ってくれる、ということは、もしセロトニンの分泌量が減ってしまったらマズイことになりそうだ、と想像がつくと思います。

②近年、うつ症状を患う方が増加していますが、うつと腸の状態が関係しているということはまだあまり知られていません。  実は、うつ状態の人の腸の中を調べてみると、セロトニンの量が少ないということがわかってきています。

③現在うつ病で病院に行くと、ほとんどの場合がSSRIという、脳の中でセロトニンが減らないように働く薬を処方されます。  そのくらい、うつ病とセロトニンの関連はわかってきています。

3.①まだ研究段階ではありますが、さらに最近になって、腸の粘膜の中だけでなく、どうやら腸内細菌自体がセロトニンを作っていることもあるらしい、とわかってきています。

②ですから、いつも幸せな気分で過ごしたいと思ったら、考え方をポジティブにしよう、メンタルを強くしよう、と頑張るよりも、腸活で善玉菌を増やし、セロトニンを分泌させることが先決なのです。』

私も「セロトニンの約8割が腸で作られている」ということを、以前、菊澤院長に教えてもらいました。

明日は三峯神社で大山総裁二十九年慰霊祭です。  天気予報では雨となっています。  傘が必要ですね。









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