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ディズニーランドのミッション

1.『史上最強のCEO』(ジェームズ・スキャナー著 フローラル出版)を読みました。  「企業のミッション(使命)という3部作」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。  

『①私たちは誰か?

ディズニーランドでは、スタッフをキャストと呼んでおり、バックヤードから園内に出てくる扉には〝On Stage〟と記されている表札がかかっています。  つまり、自分たちは女優と俳優であり、ディズニーランドで働くということは、ステージの上に立つことであるのです。

②彼ら(顧客)は誰か?

ディズニーランドでは相手がゲスト。  自分の家に呼ばれた招待客のことです。  (中略)  自分の家となれば、大事にするのではないでしょうか?  自分のゲスト・招待客であれば、サービスにあたる姿勢が変わるのではないでしょうか?

③私たちはなぜ関係をもっているのか?

ディズニーランドでは、何をしても、それはお客様にとって、エンターテインメントにならなければ、意味がありません。  歩道の掃除をしている人も、エンターテインメント性がなければなりません。  行列も、エンターテインメント性がなければなりません。  食事も、エンターテインメント性がなければなりません。』


2.「これで奇跡が起こる」の項からも抜粋し、番号を付けて紹介します。

『こうしたミッションを確立し、毎日の業務の中心とし、従業員の教育と評価の土台に据え置くようにすれば、奇跡が起こります。  従業員の一人ひとりが創業者の心を汲み取り、経営者なみ、あるいはそれ以上の判断を、毎日の業務の中で自ら行うことができるようになるのです。  (中略)

すでにこの世にいない、東京ディズニーランドの仕掛け人で友達の堀貞一郎から聞いた話です。

「①ある若い夫婦がいました。  結婚したときから、子供と一緒にディズニーランドに行きたいという夢を抱いていました。  やがて最初の子供が生まれました。  しかし、とても悲しいことに、生まれた直後にその子供が亡くなってしまいました。  さらに切ないことに、医師が言うには、もう子供を授かることができないということでした。

②その赤ちゃんの1年後の命日に、このご夫婦は、その子供と一緒に遊ぶつもりで、ディズニーランドに行くことを決めました。  当日にディズニーランドに出かけ、赤ちゃんが好きそうな乗り物に乗ったり、パレードを見たり、そして、昼食のとき、レストランに入り、自分たちの食事を注文し、子供のために、お子様ランチを注文しました。

③しかし、そこで問題が起こりました。  そのお子様ランチというものは、12歳以下の子供が同伴しているときにだけ提供する決まりがあったのです。  レストランのキャストが丁寧にお断りをすると、その若い夫婦は事情を説明しました。

④カウンターの女性はその話を聞いて、答えました。  〝わかりました。  それではご用意させていただきます。〟  そして、食事を用意し、カウンターの向こうから表に出て来て、また、夫婦に言いました。

⑤〝それでは、3名様をテーブルまでご案内いたします〟」』

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ザ・スコアラー

今回は、プロ野球・巨人軍のスコアラーを22年間にわたって務められた三井康浩さんが書かれた『ザ・スコアラー』(角川新書)からです。  三井さんは2009年のWBC(ワールド・ベースボ-ル・クラシック)第2回大会では、日本代表チームのチーフスコアラーとして世界一に貢献しました。  その大会の決勝戦に関する記述から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①3月23日の決勝戦。  この大会で5度目の戦いとなった韓国代表とのロサンゼルスのドジャースタジアムでの決勝戦です。

②この試合を前に、私は具体的な指示を出すことをやめました。  なぜなら、これまで4度も戦ってきた韓国の選手たちの特徴は、完全に選手の頭のなかに入っていたからです。  ここにきての付け焼き刃の入れ知恵よりも、日本代表メンバーが大会を通じて見せてきたことを信じるべきだと思えたのです。

③選手が自分たちの頭で考え、グランドでヒントを見出し、攻略に結び付ける・・・スコアラーが出してきた指示は、あくまできっかけでいいのです。  実際にボールを投げ、打つ選手たち自身が自律的に正解を導き出していくことこそ、理想形なのですから。  (中略)

④日本代表チームは既に「なにかにたどり着けた」という感覚もあったのです。  わたしたちスコアラーが届ける、データという必要最小限の〝無形の力〟を、選手たちが〝有形の力〟として増幅させて戦う。  そんな理想へと。

⑤試合は予想通り、緊迫したシーソーゲームとなりました。  日本代表は1点をリードして最終回を迎えましたが、ダルビッシュ有が四球で走者を溜めた後、韓国代表の李机浩にレフト前へと運ばれ同点とされます。  (中略)

⑥そして10回表、3対3。  2死で一塁に岩村、三塁には内川。  マウンドには、韓国代表のクローザーを務めていた当時ヤクルトの林昌勇がいます。

⑦この決定的な場面で、打席には世界最高峰の打者であるイチローが向かおうとしていました。  イチローはこの大会、誰も見たことのないような不振にあえいでいました。  準決勝までの8試合で38打数8安打、打点3、本塁打0。  打率はなんと、2割1分1厘。  ただ、この決勝戦に限ってはここまで3安打を記録しており、最後の最後に彼らしさが戻ってきていました。

⑧もう、イチローのバットに託すしかありません。  しかし、打席に向かう直前、思わぬことが起こります。  大会を通じ、自分からなにかを聞いてくることなどなかったイチローが、ここでわたしに問いを投げかけてきたのです。

「この打席。  僕はなにを狙えばいいですか?」

⑨「えっ!  ここで聞いてくるのかよ・・・」。  心のなかでわたしはそう思いました。  本音をいえば、困惑しました。  でも、本当に大事な局面で選手に頼ってもらえたわけですし、ましてやイチローからの問いです。  スコアラーをしている身としては、なによりもうれしいことでした。

⑩もちろんそこで感動に浸っているわけにはいきません。  わたしはスコアラーとして、打つべき球を答えなければならない。  これまで通り、強く、短く、伝えました。

「シンカーだけ狙っていこう」  (中略)

⑪そして、8球目を迎えます。  捕手が構えたアウトコースよりわずかに内側に、そしてわずかに高く入ったボールにイチローが反応します。  鋭く出したバットがボールをとらえ、打球はセンターに飛んでいきます。

⑫歓声と悲鳴が交錯するなか、内川と岩村が揃って生還し5対3。  日本代表は、この一打で世界一を手中に収めました。

⑬イチローがとらえたボールはシンカーでした。』

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アイゼンハワー

『史上最大の決断』(野中郁次郎・荻野進介著 ダイヤモンド社)を読みました。  第二次世界大戦時、ナチス・ドイツ占領下にあった、フランス・ノルマンディーへの上陸作戦について書かれています。  連合国軍最高司令官のアイゼンハワー(のちの第34代アメリカ大統領)に関する記述から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①アイゼンハワーとは一体、どんな人物であっただろうか。  (アイゼンハワー本人の著書)『ヨーロッパ十字軍 最高司令官の大戦手記』にこんなエピソードがある。

②1945年3月23日、ノルマンディー上陸から9か月後、なおも抵抗するドイツ軍の息の根を止めるべく、ライン渡河作戦が敢行された日のことであった。

③アイゼンハワーは1人の兵士が意気消沈して歩いているのに出くわし、「どうした。  気分でも悪いのかね」と声をかけたところ、兵士はこう答えた。  「何かよくわからないのですが、妙に気になるのです。  2週間ほど前に負傷して入院してしまい、昨日退院したばかりで、自信を持ちきれないのです」

④それに対するアイゼンハワーの返答はこうであった。  「いや、私もいま君とそっくりの気持ちなんだ。  私も気になっている。  しかし、われわれは長い間かけて今夜の攻撃を準備してきたんだし、それにドイツ軍を粉砕するだけの飛行機も大砲も空輸部隊も全部揃っているんだ。  一緒にこうやって岸まで歩いているうちに、ことによるとわれわれも自信が持てるようになってくるかもしれない・・・・・・」

⑤この言葉を聞いた兵士は突然、こう言った。  「よくわかりました。  なんだか自信が出てきました」

⑥アイゼンハワーは地の文でもう一度、繰り返す。  〈私にも彼の気持ちがよく判るのであった〉

⑦大事な戦いを前に気落ちして悩んでいる兵士を怒鳴りつけるどころか、「自分も同じ気持ちだ」と打ち明ける率直さ、これが最高司令官の取る行動だろうか。  恐らく、その兵士も突然話しかけてきた身分の高そうな将校が最高司令官アイゼンハワーだとは気づかなかっただろう。

⑧アイゼンハワーという男は、一言で言えば「人たらし」であった。  謙虚で誠実、天真爛漫とさえ言う人もいて、およそ軍人らしくなかった。  もちろん軍人には不可欠の勇気と実行力も備え、楽天家でもあった。  先のエピソードでもわかるように、他人の立場をたちどころに理解する本能的能力を備えていた。  ことに彼の笑顔は、のちに「アイク・スマイル」と呼ばれ、一野戦車に匹敵するとまで言われた。  (中略)

⑨こうした最高司令官の態度にイギリス人将兵も好感を抱いた。  ある兵士は留守宅への手紙の中で、「最高司令官は、質素でかざり気のない服を着て、勲章もつけていない。  物腰は静かだが、自信と親愛感に満ち溢れた立派な指揮官だ」と書いた。』

私が理想とするリーダーのあり方です。  

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