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築城三年、落城三日

日本電産会長の永守重信さんが書かれた『運をつかむ』(幻冬舎新書)を読みました。  『努力を怠らないでいると「人」が「運」を運んでくる』の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.①「人との縁」は、すなわち「運」といってもいい。  新しい仕事も幸せな出会いも、みな縁が運んでくれる。  人の縁に恵まれている人は、運にも恵まれるものだ。

②縁は当然ながら、自然とわいてくるものではない。  待っているだけでは、縁はやってこない。  運が努力を重ねた上でやってくるように、縁が生まれるのにも、人と積極的に交わるなどの努力がいる。  そして、ひとたび人と縁ができれば、その「ご縁」は大切に扱うべきなのだ。

③縁を生み、それを長く続かせるには、まず第一に信頼を築くことである。  「築城三年、落城三日」といって、人の信頼は築き上げるのには3年かかるが、1回の過ちであっという間に失ってしまう。  当然のことだが、約束は必ず守るなど常に誠実であることがとても大事だ。

④そして、つき合いが途絶えないようにたまに連絡を取ったり、一緒に食事をしたり、つき合いが深ければたまに贈り物をしたりと、互いに忘れないよう気を遣う努力も欠かせない。

2.①よく考えれば、縁というものは、奇跡的な確率で生まれるものだ。  500万年という人類の歴史のなかで現代という時代にたまたま生まれ、何十億人という人間がいるなかで、一生に出会う人は、そのうちごくわずかである。  そんなことを想像すれば、縁とは実に尊いものだという気持ちになる。

②私の仕事人生も、さまざまな人との縁によって成り立っている。  親、家族、友人、学校の先生、社員、顧客、ビジネスパートナー・・・・・・実にたくさんの人たちとの出会いが、ここまで私を運んでくれた。  どの人との縁も、自分にとってかけがえのない財産だ。』

大山倍達総裁から認可をいただき、城西支部を開設してから44年がたちます。  その間、相当の数の道場生・選手と縁ができました。  開設当初の選手でいまだに年賀状のやりとりをしている人もいれば、そのあとまったく疎遠になった人もいます。  

離れたあとの在り方で、その人の人間性がわかることもありますね。  先日、師範代の山辺とそんな話をしたので、本書を紹介しました。

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個人練習の重要性

『内向型人間の時代』(スーザン・ケイン著 講談社)を読みました。  「3章 共同作業が創造性を殺すとき」から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.偉大な業績をあげる人は、いったいどのようにしてそれをなし遂げるのか。  心理学者のアンダース・エリクソンはチェスやテニスやクラシック・ピアノなど広範囲な領域でこの問いの答えを模索した。

2.①エリクソンが同僚らとともに実施した有名な実験がある。  まずベルリン音楽アカデミーの教授の協力を得て、バイオリン専攻の学生を三つのグループに分けた。

②第一のグループは、将来世界的なソリストになれるほどの実力を持つ学生たち。  第二のグループは、「すぐれている」という評価にとどまる学生たち。  第三のグループは、演奏者にはなれず、バイオリン教師をめざす学生たち。  そして、全員に時間の使い方について同じ質問をした。

③その結果、グループごとに驚くべき違いがあることが判明した。  三つのグループが音楽関連の活動にかける時間は同じで、週に50時間以上だった。  課題の練習にかける時間もほぼ同じだった。

④だが、上位二つのグループは音楽関連の時間の大半を個人練習にあてていた。  具体的には1週間に24.3時間、1日あたり3.5時間。  それに対して第三のグループが個人練習にあてる時間は、1週間に9.3時間、1日あたり1.3時間だけだった。

⑤第一のグループの学生たちは、個人練習をもっとも重要な活動と評価していた。  すぐれた音楽家たちは・・・たとえ集団で演奏する者であっても・・・個人練習が本当の練習であり、集団でのセッションは「楽しみ」だと表現する。

3.①エリクソンらは他の分野についても、ひとりで練習したり学習することが同じような効果をもたらすと発見した。

②たとえば、チェスの世界でも「ひとりで真剣に学ぶこと」がプロのチェスプレーヤーになるスキルを得るかどうかの指針になる。  (チェス選手の最高位のタイトル)グランドマスターは一般に、修業時代の10年間に5000時間という途方もない時間をひとりで指し手の研究をするために費やす・・・中級レベルのプレーヤーの約5倍にものぼる時間だ。

③ひとりで勉強する学生は、グループで勉強する学生よりも、長年のうちに多くを身につける。  チームスポーツのエリート選手もまた、驚くほど多くの時間を個人練習にあてている。』

自己流や我流による悪い癖をつけないために、良い指導者のもとでの集団練習は大切です。  しかし、上の2.⑤に書かれているように、世界のトップ選手になるためには個人練習の時間こそが最重要となります。

いつも選手稽古で話すのですが、トップ選手になるための最高の指導者は自分自身です。  「トレーニング方法の創意工夫や技術の創意工夫に関して個人的に時間を費やすこと」が頂点に立てるかどうかを決めているような気がします。

城西では過去に5人の全日本チャンピオンが出ましたが、私の指導を受けただけでチャンピオンになった者は一人もいません。

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社員第一主義

1.『「日本でいちばん大切にしたい会社」がわかる100の指標』(坂本光司著 朝日新書)を読みました。  「1章 社員に関する指標」から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①これまで企業経営で最も大切な人(利害関係者)は、顧客とか株主(出資者)等と長らくいわれてきました。  さすがに最近では株主という人は少なくなりましたが、依然「顧客第一主義」を標榜する企業が圧倒的多数と思います。

②顧客や株主はもちろん大切ですが、筆者らの調査研究では、好不況で業績がほとんどぶれない「いい会社」の大半がより大切にしているのは「社員」でした。  そして「企業経営の目的は社員の幸せの追求・実現」として「社員第一主義」で「大家族的」な経営が貫かれているのです。  

③所属する一人一人の社員が幸せをかみしめることのできる「いい会社」であるならば、たとえ環境が激変し、業績が悪化したとしても、企業が最も大切にすべき社員へのリストラ等をやるはずはないし、社員の組織満足度の証明である転職的離職率は5%以下、より理想は、限りなくゼロに近い状態にあると思います。

④また、社員に心身ともに負担をかける残業時間が日常的に40時間も50時間以上もあるという経営も、社員の健康や幸せを真に願った経営とは到底思えません。  もとよりサービス残業などは、もってのほかです。  

⑤ちなみに離職率の低い会社・残業時間の少ない会社の業績が高く、一方、離職率の高い会社・残業時間の多い会社の業績は低いという傾向があります。』


2.①カミさんの母親は現在101歳(1921年生まれ)で、10年以上前からある老人ホームにお世話になっています。

②その老人ホーム運営会社の社長と5年ほど前にお目にかかりました。  その際に「私の会社では社員がいかに楽しく働けるかを最重要に考えています。  そのことが、ひいては入所者の皆さんへのより良いケアにつながるのだと思います。」と話されていたのが印象的でした。

③100歳の誕生日もやっていただきましたが、スタッフの皆さんの温かい心遣いにはカミさんともども感動しました。  その時いただいた義母の手形の入った額は自宅にいつも飾ってあります。

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