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やれば伸びる

『才能の正体』(坪田信貴著 幻冬舎)を読みました。  坪田さんは映画化もされて大ベストセラーとなった『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の著者です。  『第1章「才能」とは何か?』から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①僕は、才能というものは誰にでもあって、それは〝正しい努力〟次第で手に入るものだと考えています。

②ところで、「自分はやればできる」「今は本気出していないだけ」と言う人がいますが、これはとんでもない「まやかしの言葉」です。  

③例えば、あなたが「何の競技でもいいから、今からオリンピックに出よう。  やればできるはずだ」と思ったとしましょう。  

④まず、どの競技ならできそうか、いろいろと競技を見ますよね。  スノーボードやスキー、スピードスケートは無理そうだけど、ストーンを滑らせてその前をホウキみたいので擦るだけのカーリングだったらできるかも、と思ったとします。  これが「認知」です。

⑤それで練習を始めますが、カーリングがとても難しい競技であることに気づきます。  すると「相当練習をしないと、いや練習をしても、そうそうオリンピック出場なんて無理だ」と思いますよね。  それでどうなるかというと、オリンピック出場を諦めて、カーリングの練習をやらなくなります。

⑥「やればできる」と思っている人は、オリンピック出場という「結果」に焦点を当てているため、それが望めないとわかった瞬間に「動機」がなくなり、練習をやらなくなります。  (中略)

⑦こうして見てくるとわかるように、「やればできる」という思考は「結果至上主義」なんです。  その結果が手に入らないとわかった瞬間に、やることそのものをやめてしまうのですから。

⑧これは、「できそうにないなら、やらない」と言っていることと表裏一体なのです。

⑨そんなわけで僕は、「やったら、いつか必ずできるよ」という意味の「やればできる」という言葉を使いません。  世の中には「できないこと」がたくさんある以上、大人が子どもに、または目上の人が部下に言いがちな「やればできる」という言葉は嘘になるからです。

⑩・・・こんなふうに言うと、気持ちを削がれてしまいますか?  でも大丈夫です。  使う言葉を変えていけばいいのです。

⑪こういうときに使うべき正しい言葉は「やれば伸びる」です。

⑫何事も、やらないよりもやった方が絶対にいいいのは間違いありません。  誰でも、何かを始めて、それを継続していければ、やった分だけ成長して、経験した分だけ経験値は増えて、必ず伸びていく。  能力が伸びれば、その「部分」が際立ってきて、「才能」になる可能性がある。

⑬使い古された言葉ですが、「継続は力なり」というのは本質的に真実なのです。  問題は、「自分にはできないと認知した段階」で丸ごと諦めてしまうことです。』

1993年に、空手の指導や国家試験受験の経験を踏まえて、日本実業出版社から本を出しました。  書名は『やればできる! 能力開発と目標達成』です。  『やれば伸びる!』とすべきだったかもしれません(笑)

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日本海海戦の「丁字戦法」

1.8月7日のブログで「歴史を物語として学ぶ危険性」を取り上げました。  

朝日新聞夕刊の連載『大和とヤマトをたどって』の第4回(11月16日)・第5回(11月20日)は日露戦争・日本海海戦の「丁字戦法」について書かれています。

「丁字戦法」についてコトバンクで検索すると次のように出てきました。

『日本海海戦で用いられた旧日本海軍の砲戦戦法。  縦陣で進む敵艦隊の頭を味方艦隊が縦陣で横切りつつ敵艦隊を射撃する戦法。  味方が舷側砲火によって多くの火砲をもって敵の先頭に集中攻撃しうるのに対し,敵は少数の砲でしか射撃できない。  丁字を描くことから,こう呼ばれた。 』

2.連載記事から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①東郷平八郎は実在の軍人ながら「物語の主人公」になったと言える。

②東郷を巡る「物語」の中心は、1905年5月にあった「日本海海戦」だ。  連合艦隊司令長官の東郷は、敵艦隊の眼前で「大胆不敵な180度ターン」を指示。  名参謀秋山真之(さねゆき)が考案した、敵艦隊の一部に味方の集中砲火を浴びせられる艦隊運動「丁字戦法」を実行してロシア艦隊を壊滅させ、日本を救ったとされる。  作家・司馬遼太郎は「坂の上の雲」で、海戦序盤の東郷の指揮を「ほとんど無謬(むびゅう)」とまで絶賛した。

②だが、近年の研究で明らかになったのは、日本海海戦の東郷を巡る「物語」と、現実の戦闘との乖離(かいり)だ。

③長年、各国の海軍史を研究してきた中川務(86)は日本海海戦時の日本、ロシア両艦隊の動きを分析し「東郷ターンで展開された戦況は、丁字戦法の理論とかけ離れた別個のもの」と結論づけた。

④ターンの直後、日ロ両艦隊は、日本側が圧倒的に有利となる「丁字」ではなく、双方が同じ向きに航行しつつ全力で砲火を交える「並航戦」へと移行。  東郷の華麗な指揮で敵を翻弄(ほんろう)したのではなく「力任せの殴り合い」になったのだ。  日本が勝利したのは、大砲の性能や射撃の精度がロシアを上回ったからだった。

⑤東郷が危険を冒して敵前ターンを行ったのは「丁字戦法のためではなく、味方に犠牲を強いてでも敵の頭を抑え、逃亡を防ぐことが目的だった」と中川はみる。  (中略)

⑥こうした現実から浮かび上がる東郷像は「神がかった英雄」ではなく、「なりふり構わず勝利をつかもうとする、しぶといリアリスト」の顔だ。  なぜ「物語の東郷」は、現実の東郷からかけ離れてしまったのか。

⑦実は、東郷を巡る物語には「原作者」がいた。  「文才提督」と言われた海軍中将小笠原長生(ながなり)だ。  小笠原は東郷と極めて近く、東郷の発言を外部に伝える役割をほぼ独占していた。

⑧日本海海戦から約1カ月後の1905年6月30日。  朝日新聞に「日本海海戦談」が掲載された。  記事では「当日東郷大将の執られたる戦法が丁字戦法」とされた。  この記事のベースとなったのが、大本営の広報担当だった海軍中佐・小笠原長生が、前日に東京都内で行った講演だった。  多くの研究者は、この記事が「日本海海戦の勝因は丁字戦法だったという物語」が広がる出発点になったとみる。

⑨一方、小笠原が事実上の編集長を務めた海軍の公式戦史には、日本海海戦の実戦で「丁字戦法を使った」という記述はない。  小笠原が実際には丁字戦法が用いられなかったことを知りつつ、「一般向けの受け入れられやすい説明」として丁字戦法に言及したことがうかがえる。

⑩防衛大学校名誉教授の田中宏巳(75)によれば、小笠原は文才に恵まれ、日清・日露戦争の公式戦史編集で中心的役割を果たした。  (中略)  (小笠原が書いた)大衆向け日本海海戦記「撃滅」はミリオンセラーとなり、その「主人公」東郷は国民的英雄となった。

⑪「撃滅」には次の一節がある。  「我が東郷大将の活眼に至ってはほとんど神の如(ごと)く、一度かうとにらんだが最後、必ずそれが的中して事実の上に現れ来たるから恐ろしい」。  現実の東郷は、日本海海戦に先立つ黄海海戦では、判断ミスで敵を逃しそうになるなど「無謬(むびゅう)の人」ではなかった。  小笠原がそれを知りつつ自らの筆力で「東郷の物語化」を図ったのは疑いない。

⑫田中は「太平洋戦争に参加した大多数の将兵は、日露戦争の時のような日本の勝利を確信していた。  小笠原が形成した東郷像は、その確信の原点にあった」とみる。

⑬私が「宇宙戦艦ヤマト」の艦長沖田十三に憧れたように、小笠原の作った東郷像に憧れ、長じて実際に戦場に赴いた若者は数知れない。  (中略)  人間は事実の羅列だけでは動かない。  人を動機づけるには「強い情動を引き起こす物語」こそが必要なのだ。』

日本海海戦は、極真の大会でいえば本戦・一本勝ちではなく、再延長・判定勝ちに近かったのかも知れません。

10年以上前、神奈川県横須賀市の三笠公園に展示されている『三笠』を見ました。  現在は記念館になっており、中央展示室のパノラマ模型では連合艦隊とバルチック艦隊の動きが再現されています。

その時は、「これが『丁字戦法』か~!」と感激したのですが。

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第26回全関東大会

昨日は水戸で全関東大会でした。  以下は本部席前のB・Cコートの入賞者についてのコメントです。

①金子雄大(高校生男子-65㎏級・優勝)・・・雄大らしいメリハリのある組手で優勝しました。  特に、準々決勝(?)で相手選手に上段の技有りを取られてから、上段前蹴りの技有りを取り返した試合はさすがでした。  足払いの技術を磨いて、上下への振り分けができれば、さらなる技術アップが可能だと思います。  YouTubeで緑健児選手の「第1回千葉県大会2回戦」を観て参考にして下さい。

②酒井真由(一般女子-55㎏級・第3位)・・・ウェイトトレーニングの成果が徐々に出てきました。  ただ、突きで押し込まれる場面が少し見られたので、自分も強い突きを打つこと、(構えが高いので)もう少し腰を落とすこと、が必要です。

③因徹也(一般新人戦-70㎏級・優勝)・・・上段内廻し蹴りや足掛け下段突きの技有りを取るなど、技にキレがあります。  今後は、そういった特性をさらに磨くとともに、ウェイトトレーニングによるパワーアップが欠かせません。

④杉沢豪也(一般新人戦-70㎏級・準優勝)・・・スネ受けが甘いので準々決勝あたりから左足が効いているようにも見えました。  それでもダメージを抱えながら、あきらめずに勝ち上がったのは素晴らしいです。  稽古を積んで基本的な攻防の技術を身に付けて下さい。

⑤山田魁(一般新人戦-70㎏級・第3位)・・・準決勝の因徹也戦はキャリアの差が出ましたが、よく頑張りました。  まだ9級ですから、次の審査会や試合に向けて継続的な稽古を重ねていってもらいたいと思います。

⑥佐藤拓海(一般男子上級-80㎏級・準優勝)・・・体が柔らかく技にキレがあります。  決勝の高木信選手とは5月の富士山杯の準決勝でも対戦しましたが、連敗です。  壁になる特定の相手選手がいるというのは、自分が強くなる上で大きな助けとなります。  技術面においては次に勝つために何が必要かを考える糧になりますし、メンタル面においてはその選手をイメージすることで稽古に打ち込む大きな動機(モチベーション)となります。  次回対戦の勝利に期待します。

⑦橋本拓人(一般男子上級-80㎏級・第3位)・・・準決勝で高木信選手に敗れました。  特に、何度も場外注意を取られたのはいただけません。  佐藤拓海同様、次回は高木選手に勝つべく、高木戦を念頭に置いたハードトレーニングを期待します。   

選手・セコンド・応援の皆さん、お疲れ様でした。

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